【編集長コラム】新インターコンチネンタル王者・内藤哲也の手の平

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新たなカリスマが誕生した。

 

 

新日本プロレス9・25神戸大会で第15代IWGPインターコンチネンタル王者に輝いた内藤哲也である。

 

 

マイケル・エルガンの猛攻を耐え抜き、十八番のデスティーノで仕留めた。しかもベルトを高々と放り投げ、そのまま退場。「トランキーロ」の決め台詞を残していった。自由奔放、やりたい放題だった。

 

 

全く持って王者らしからぬ内藤の振る舞いだったが、ブーイングは起きなかった。決して内藤推し一色ではなかった、この日の会場を制圧したのだ。

 

 

試合開始時は「内藤コール」「エルガンコール」半々。それを素晴らしい試合内容で、内藤一色に染めてしまった。ファイトに加えてマイクを始めとするフォーマンスで、ファンのハートをわしづかみにした。

 

 

すべてを自分の手の平に乗せ、思うがままに転がす。唯一無二の存在であるはずのIWGP王者をも凌駕しかねないインターコンチ王者。まるで中邑真輔である。

 

 

中邑はIWGPヘビー級王者として君臨した時代を吹っ切り「白いベルト」インターコンチ王者として、新たなチャンピオン像を確立した。「白いベルト」の価値をどんどん高め、カリスマと呼ばれ米WWEに旅立っていった。

 

 

内藤は中邑以上かも知れない。今年4月、念願だったIWGP王座を初戴冠したが、ベルトを宙に投げ上げている。ファンを敵に回しかねない不謹慎な行為を繰り返し、その反応を楽しんでいるのだろう。

 

 

中邑はインターコンチ王座をIWGP王者とは一味違う挑戦者を迎え、独自のファイトで退けることで自己主張し「白いベルト」をまばゆく輝かせた。

 

 

内藤は何を仕掛けてくるのか? まさか東京ドーム大会のメインイベントをファン投票で奪われた因縁のインターコンチベルトに「復讐」しようとしているのかも知れない。

 

 

インターコンチ王者として「IWGP戦とどちらがメインにベントにふさわしいのか、ファン投票で決めろ」と、3年前の屈辱を晴らす「カケ」にでるのか?

 

 

とんでもない。「そんな誰もが思いつくようなことするかよ」と内藤は、ほくそ笑んでいるかも?

 

 

内藤は2013年のG1に優勝し、一気に突き抜けるのかと思いきや、足踏み状態に陥った。あの時は守りに入ってしまったのだろう。

 

 

実はG1優勝後の祝勝会で内藤は「オカダの次がいない」と発言している。この時、内藤はまだIWGP王座は未戴冠。まだまだ足元を固めなくてはいけない時期に、先を見すぎていたのだ。

 

 

思えばこの時期の苦悩、焦りが「トランキーロ」を生んだのかも知れない。

 

 

新インターコンチネンタル王者・内藤哲也の誕生で、何かと考えされられる。これはまさに内藤マジック。「トランキーロ」。これからも内藤の手の平に乗せられそうだ。

 

 

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