【DDTプロレスリング高木三四郎 大社長インタビュー①】両国大会・総選挙・さいたまスーパーアリーナについて

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【2】ドラマティック総選挙の結果について!

 

ドラマティック総選挙の結果についての感想をお聞かせください。

チーム・ユニット部門についての結果は高木大社長的にいかがでしょうか?

 

〔高木〕 順当かな、と。今まではスマイルスカッシュと酒呑童子チームが二強だったのですが、そこにDAMNATIONが来た。佐々木大輔率いるDAMNATIONは一番勢いがあるユニットだと思うので、その勢いの差が如実に出たのかなと思います。その中で、坂口征夫が「酒呑童子は毎回二位、一位になったことがない」と悔しさをにじませたのが印象に残っています。

 

最近は佐々木選手が、「カリスマ」と言われているぐらいですが、男の色気が出ている感じがします。

 

〔高木〕 もともと彼は色気がある選手で、何かのきっかけでブレイクするとは思っていたんですが、飯伏選手とのタッグで、バイプレイヤー(脇役)的なスタンスにいたが、飯伏選手がいなくなってからめきめきと頭角を現すようになったんです。

 

そのときに、シングルプレイヤーとしての彼の立ち位置にアドバイスとかはしましたか?

 

〔高木〕 特にアドバイスしませんでした。センスある人間ではあったので、変にどうこう言うよりは本人に丸投げすればどうにかなるだろうと思っていました。もちろん方向性などは、選手によっては僕らがアドバイスしてあげたほうが伸びる選手もいますが、佐々木大輔という人間は自分でプロデュースできる人間だと思ったので。やりたいようにやればいいんじゃないかな、と。やはりDAMNATIONというユニットのイメージは彼のイメージなので、彼のセンスなんじゃないですか。

 

DDTという団体は、選手の自主性というか個性を引き出しやすい土壌がある気がします。「これは押し付けちゃダメだ」「こうやっちゃダメ」とか、もともとの発想からあったんですか?

 

〔高木〕 特になかったですね。僕の考えるプロレスはクリエイティブワークなんですよ。

一から創造してゆくビジネスであると思っているので、当然ながらセンスが要求されますし、ものを考えられない人は交代してゆくばかりと思います。ものを考えられる人間同士による、試合にしてもどうやって勝とうかというのがあるわけじゃないですか。勝ちに行くための戦略や作戦を、基本的なパーソナルな部分で生み出してゆくからこそ、噛み合えば面白い試合になるだろうし、噛み合わなければつまらないものになる。

センスのある選手は面白い試合にしてゆくものだと考えているので、センスある人間に任せないとダメなんです。総選挙というのも、そもそも見せ方があるじゃないですか。話は個人になっちゃいますけど、みんな、壇上に上がって言うことを絶対に考えているんですよ。上位になればなるほど、みんな考えているんですよ。何を言ったら面白いか、何を言ったら共感してくれるかを考えているんです。

特にこういう総選挙というのは、ファンの人が好きな人に投票できるわけで、それに対して、レスラーはその時にどう気持ちを伝えるかとか考えているんです。順位なんてわからないじゃないですか。一位から二十位までが(アンダーボーイズを入れれば24人ですが)選抜として本戦に出られるわけですが、二十位になった時と一位になった時のセリフを両方を考えているはずなんですよ。そういうものを含めてセンス。ある程度頭がよくないとダメですし、当然ながら鍛えることも必要だし。

 

プロレスは本当に複雑で難しくて、お客さんとの間合いとかも必要。強ければいいだけでもないし、一方的にものごとを表現しているだけでもダメなんですよね。「自主性に任せる」というところが、DDTの飛躍の本質的な根底にある気がします。

 

〔高木〕 センスもない人間には任せられないですね。

 

センスはデビューしてから、試合を通じて、「これだったら任せられる」というのはどのタイミングで見極めるんですか?

 

〔高木〕 こればかりはタイミングが計れないんですよ。タイミングを計るのは難しい。

 

周りからの評判や、マスコミからの取り上げられ具合から「そろそろ」ってなるんですか?

 

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〔高木〕 そんな感じです。見ていて、おもしろいことを言っているなとか、おもしろい、すばらしい試合をしているとか「これだったら任せられるんじゃないか」「もうちょっとこうしたらいいんじゃない」と言って伸びる人間もいるし、その見極めはバラバラです。これも面白い部分で、デビュー直後の人間がそのタイミングかというとそういうわけではない。

実際問題、デビューして鳴かず飛ばずの人間が、たとえば大家健とか、最初からダメだダメだと思っていたんですが、こないだの10月に奇跡を起こしたじゃないですか。ああいうのがあるので、どのタイミングかがわからないんですよ。

 

ご自身でもできなかったことを大家さんが成し遂げたという感じですか。

 

〔高木〕 大仁田厚の存在感を食うなんてなかなかできないですよ。まさかあの大仁田さんが大家健と一緒に「BAD COMMUNICATION」を踊ってる。ガン☆プロの中に入ったんだな、と。大仁田さんが入っていくのも凄いと思うし、入らざるを得ない状況にした大家健も凄いなと思いました。

 

選手に関してはどこかのタイミングではねたりする瞬間があると思いますが、タイミングが急に来るから、面白いですね。

 

〔高木〕 本当にわからないんですよねー。でもホントそこが面白いですよ!

 

総選挙というのは、もともとなぜやろうと思ったんですか?

 

〔高木〕 AKB48を見てて総選挙になって、見始めたときは二回目の総選挙のころで、一般にもそれほど浸透していなかった。純粋に面白いと思って、これはこれでやってみたらいいんじゃないかと。

 

画期的でしたよね。プロレスの中で置き換えるというのは。

 

〔高木〕 プロレスは人気商売ですけど、人気商売のバロメータを基準に、そこで優劣を決めるというのをやったことがないんですよ。リングの上での実力がすべてという世界の中で、本来は人気商売だけど、「人気」という基準を深くとらえていなくて、リンクの中の戦いこそすべてという考えなので、その中で人気で優劣決めてもいいんじゃないかと。

 

『キン肉マン』の中でも超人人気選挙みたいなのがあったので、それとAKBが重なってる気がしましたね。(男色)ディーノとHARASHIMA選手が僅差というのがまた面白いですよね。DDTのこういうやりかたは、世間に届きやすいような仕掛けづくりをしているなと思います。お客さん自身が参加している感が出ているのがポイントをついている気がしました。

 

⇒次ページへ続く!【3】さいたまスーパーアリーナ開催に向けて意気込み

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