【編集長コラム】「年の暮れはタッグ戦」

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日本プロレス界の年末の風物詩といえば、タッグリーグ戦。多くの団体でタッグ戦が華やかに開催された。

 

新日本プロレスでは真壁刀義、本間朋晃のGBHが V2を達成し「俺たち雑草が二連覇だぜ」「みんなでハッピー」と会場を熱狂させ、文字通りのハッピーエンディングを飾った。

 

タッグ戦の老舗、全日本プロレス「世界最強タッグリーグ戦」では「GET WILD」こと大森隆男、征矢学組が見事に全勝優勝を果たした。ただ、こちらは満場一致のハッピーな幕切れとはいかなかった。

 

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現在、征矢は WRESTLE ―1の所属。全日本プロレスとWー1、両団体の関係もあって、納得いかないファンが一部いたかも知れない。征矢本人が「俺が今、ここにいることを『良し』としない人がいるだろう」と発言するシーンもあった。

 

とはいえ、大方のファンは素直に GET WILD の復活優勝を称えていた。

 

団体間の交流が盛んになった昨今では「超党派タッグ」も珍しくはない。違う団体の選手がチームを結成し、人気を集めている。

 

実際、征矢の団体移籍で解散状態にあった GET WILDも今回の復活で話題を呼んだ。リング上のファイトに加え、大森と征矢の掛け合いコメントも秀逸そのもの。

 

年齢もキャリアもファイトスタイルも違う、一見ミスマッチのような2人だが、化学反応が起こった。奇跡のコラボレーションと言ったら大げさだろうか。リング内外共に、かみ合っているのか、ズレまくっているのか。二人の息の合い方はまるで漫才コンビのようだ。

 

久しぶりに聞く、大森の味のあるコメントも楽しい限り。征矢との暴れっぷりも2012年のプロレス大賞「最優秀タッグチーム賞」を獲得したころを思い出させる。

 

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1対1のシングル戦ももちろんプロレスの醍醐味だが、コンビネーション攻撃やカットプレーの妙味などタッグ戦の魅力も大きい。

 

「合体プレー」や「サンドイッチ攻撃」「ツープラトン」という表現の仕方にワクワクする人も多いだろう。

 

また、レスラー本人がタッグ戦で自分の新たな一面を発見することもあるはず。 タッグ戦はシングル戦とは一味違った魅力にあふれている。

 

思えば数々のタッグチームが日本プロレス史を飾ってきた。山本小鉄と星野勘太郎の「ヤマハブラザーズ」は海外でも大暴れ。小柄な二人がスピードと頭脳的なコンビプレーで、旋風を巻き起こした。1プラス1が5にも10にもなるタッグ戦の味わいそのものだろう。

 

ジャイアント馬場、アントニオ猪木の「BI砲」、馬場と坂口征二の「東京タワーズ」、ジャンボ鶴田と天龍源一郎の「鶴龍コンビ」、天龍と阿修羅原の「龍原砲」…シングルプレイヤーとしても超一流のレスラーがタッグ戦になると、また違った素晴らしさを発揮してくれた。

 

極道コンビ、タイガー・ジェット・シンと上田馬之助、そして現代ではテンコジ、ヤンキー二丁拳銃、ツインタワーズ…数々の名タッグがマット界を彩って来た。

 

ザ・ファンクス、アブドーラ・ザ・ブッチャーとザ・シーク、ディック・ザ・ブルーザーとクラッシャー・リソワスキー、スタン・ハンセンとブルーザー・ブロディ、ディック・マードックとアドリアン・アドニスなど迫力ある外国人チームも数えきれない。

 

みなさんはどのタッグがお好きだろうか? ファンはそれぞれ、お気に入りのタッグがきっとある。

 

年代が違うため、ありえないタッグ戦。その時代の政治的な理由で実現しなかったタッグ戦…実現したらどうだったのだろう? どちらに凱歌が上がったのだろうか? あの選手のあの技は決まったのだろうか? 夢の対決をシュミレーションしていると、時間があっという間に過ぎてしまう。

 

プロレスファンは、それを肴にひと晩中でもお酒が飲めそうだ。

 

プロレスの魅力は尽きない。

 

今日も一緒にプロレスを楽しみましょう!

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