【経営者インタビュー①】プロレスリングWAVE 二上(GAMI)社長・桜花由美専務が団体10周年、8.12大田区大会について語る
<経営者視点のプロレス>
山口:プロレスビジネスの面白さ、難しさを聞かせてください。
GAMI:お客さんが入っても入っても儲からない。何をやっても儲からない!
山口:入ったら入場料で収益が……
GAMI:結局、広告宣伝費もいろいろ取られるから儲からないんです。何が正解か分からないね、と。プロレスをガッツリできる団体とパフォーマンスを見せられる団体って違うじゃないですか。今はパフォーマンス寄りの団体は人気があって、プロレス寄りの団体にはあまり人が入らない。これはどっちが正解なんだろう? と思いますね。お客さんが入ってる団体が正解なんだろうけど、うちのほうが絶対面白いとも思ってます。
山口:桜花さんはいかがですか?
桜花:プロレスで地方に行くのが面白いです。
GAMI:それ個人の感想やん! 会社の経費で出張行って(笑)
桜花:朝8時に出社して、夕方5時まで働いて……って、OLやってたら、毎日が同じことの繰り返し。プロレスはそういうものが全然ありません。逆に決まった時間がない。
山口:その分だけ、体調管理は難しいですか?
桜花:寝る時間だけは削らないようにしています。
山口:桜花さんはどのくらい寝るんですか?
桜花:八時間は寝たいですね。急ぎの仕事がないと思ったら、目覚ましをかけずに十時間。
GAMI:……最低八時間ですよ!
山口:GAMIさんはいかがですか?
GAMI:私寝ないです。ババアなんで。12時に寝たら3時に起きる。Twitterで四六時中つぶやいているから寝ている時間がないと思われているけど、ショートスリーパーだから10分でも寝れる。
山口:体調は大丈夫ですか?
GAMI:元気ですね。しかもすっごい飲むし。さすがに朝まで飲んだらしんどいですけど。
山口:睡眠時間は見事に真逆ですね。
GAMI:桜花の方が動きそうじゃないですか?
桜花:目をつぶったら3秒で眠れますね。
山口:面白さについてはいかがでしょう?
GAMI:なんでも商品になります。たとえば、声。着たものも売れる。サインをつけたらプレミアが付く。何でもお金になります。まさにタレントビジネス。あとはプロフェッショナルをどれだけ集められるかだけど、それは体力勝負かなと。
山口:「豆腐プロレス」でAKB48の子たちがプロレスをやることについて、本職としてはどう思いますか?
GAMI:ものすごくいい広告やと思います。
©WIP2017製作委員会 ©AKS
山口:広告!
GAMI:だってドラマやから。キムタクが医療ドラマやってるのと一緒じゃないですか。そう考えたら、いい広告です。
山口:あれを見て将来のレスラーが育ってくるかもしれませんね。私もAKBみたいになりたいって。
桜花:私はトレーニングでペンキを塗らせればいいのかと参考になりました(笑)
GAMI:それ、「ベストキッド」(映画)やん! ワックスかける、ワックスふき取る、って。ミヤギさんです。
山口:女子プロレスラーを目指す人や、本当のプロレスを見に行きたいファンがドラマで増えるといいですね。
GAMI:プロレスラーってすごく夢のある職業だと思うんです。お金を稼ごうと思えば天井知らずで稼げるし、そこそこ苦労ができるし、そう考えたら面白いと思うんだけど。
桜花:今の子は苦労をしたがらない! 苦労があってこそ、華やかになるのが楽しいのに。
山口:早く名前を売りたい人が多いんでしょうか……。
桜花:名前を売りたいというより、ただやりたいだけ、だけど苦労はしたくない。
GAMI:「女子プロやっていたんです」って肩書が欲しいだけの人も、いっぱいいる。私のことわかる? って聞いてもまったく分からない。どこの女子プロやられたんですかね、って人が多いですね。
山口:女子プロレスに視線が集まる中で、これからのWAVEのレスラーさんには頑張っていただきたいです。
GAMI:金の雨を降らせていただきたいですね。
インタビュー後半につづく
(インタビュアー 山口 義徳)