【リアルジャパンプロレス】<船木誠勝 独占インタビュー>自分が憧れて、プロレスラーなった初代タイガー主宰のリングに上がれる。それが一番嬉しい。4.27後楽園大会は4人全員がシングルマッチの気持ちで闘う!
――試合が始まってみないとわからない?
「わからないですね。ただ、しっかりと話をして技を組み合わせれば絶対に勝てると思うんですよ、お互いの必殺技がありますから。そういう意味でもやっぱり合体して、試合が進められたらすごくうれしいですよね」
――ただ相手が石川雄規&ケンドー・カシン組となりました。このチームも予想がつかないですよね。
「そうなんですよね。どちらかというとテクニシャン同士が集まってますので、向こうの方がなんとなく噛み合ってるような気がします。ただこっちには向こうにない武器、関本大介という武器がありますので、ハマったら強いと思いますね」
――石川選手とは昨年12月、後楽園での6人タッグで対戦しているんですよね。
「そうなんです。それも初対決だったんです。彼はUWFの後半のときに、空中さんがマレンコ道場から連れてきて仮の練習生みたいなかたちでUWFにきてたんですけども、そこからすぐにUWFが解散して藤原組にそのまま入門の形で藤原組でデビューしたんです。年齢は自分よりちょっと上ですよね。年上の後輩になるんですよね。2歳年上ですね」
――12月に初対戦した石川選手は、船木選手と今後何度でも闘いたいと言っているそうです。
「そうですね、不思議と手が合ったというか、流派、最初の出は一緒なので、すごく合ってるような気がしました。自分にないテクニックも彼は持ってますので、すごく新鮮だったですね」
――こんどの対戦でも石川選手は船木選手を狙ってくるのではないでしょうか。
「そうですね。というか、(石川とカシンの)2人ともオレの方を狙ってくるのかなって(笑)。そんな感じしますね。標的はオレなんですよ。それもわかっていれば対処できますから、自分を軸にしたタッグマッチになるような気がしますね」
――カシン選手も初対決なので船木選手を狙ってくる?
「そんな感じがします。それがわかっていれば対処する作戦を立てられますので、そういうかたちで試合が進んでいくような気がします」
――相手チームもチームワークがなさそうな…。
「そうですねえ。ただ、石川が攻撃しているときにカシンが加勢するのはありそうな気がするんですよね」
――カシン選手の出方によっては試合として成立するのかという懸念もありますが。
「そうなんですよね」
――カシン選手とはいままで当たる機会がなかったのですが。
「自由奔放という感じがしますね。マスクを被ることによって、元の奥底にあるホントの性格を出してるような気がしますね」
――両選手は同郷ですが、レスラーとしてはまったくタイプが異なります。
「タイプは違うけれども根本の中身には東北人の気質があると思いますね。あまり他人と戯れないというか、あまり青森出身ということだけで意気投合するとはならない、そんな人たちなんですよ。なんとなくですけども、みんなが個人。東北ではひとりで酒を飲むのが好きとか、そういう人がけっこう多いです(笑)。みんな口下手ですからね、つるむという文化があまりないんです」
――カシン選手とは今回初対決で、その後どうなるかという興味もありますが。
「一回組んでますし、今回は闘う。どうなるんですかね。それもまたわからないです。まあ、どっちでもいいです(笑)」
――(笑)。シングルマッチに発展するのかという期待もありますが。
「それもたぶんこの後で(わかる)。この流れとしてはありそうな気がしますよね」
――組むにしても闘うにしてもこのカードに絡む全選手が船木選手と今後シングルで対戦する方向になっていくのか、という見方もありますが。
「そういう意味では、なんとなくですけども、自分が軸にされてるような感じがしますね。みんな、石川選手にしてもカシン選手にしても同世代なんですよね。同世代ですけども自分は人よりも3年、6年早くこの業界に入ってますので、ちょっと先いってたのかなと。いまこうして並んでるというのも、不思議な縁ですよね。世代としては闘魂三銃士と変わらないですから。なのでちょっと特殊な位置にいるような感じがしますね、自分は」
――だからこそ、船木選手はあえて同世代の選手であるとか関本選手のような次世代の選手とも闘うことができる位置にいるのかもしれません。
「そうですね。今年、48歳ですから、50歳の節目まで第一線でやっていきたいなとの気持ちでいます」
――いま第一線という言葉がありましたが、この大会のメインでおこなわれるレジェンド王座戦、そのタイトル戦線にまた絡んでいこうとの気持ちはありますか。
「それは、あります。タイトルマッチをやったのが昨年9月なので、半年以上あいている。あのときは残念ながらケガをしてましたので、100%ではなかった。言い分けになっちゃいますけども、本来の自分とはちょっと違ったかたちだったので、100%の状態でもう一回タイトルマッチに挑戦させてもらいたいという気持ちがあります」
――では、メインの大谷晋二郎vsスーパー・タイガーは気になりますか。
「そうですね。お互い2人とも自分がやった相手なので。最近スーパー・タイガーとしての成長がプロレスラーとしてすごく上がってると思うんですよね。全日本プロレスで連戦もしてますので、前のタイガーではない。期待してもらっていいと思いますね。どっちが勝っても次に挑戦してみたいですね。もちろんそのためにはこのタッグマッチでちゃんと勝たないといけない。なかなか難しいですけどね(苦笑)」
――なるほど。ではあらためてお聞きします。船木選手にとってリアルジャパンとは、どういったリングでしょうか。
「自分はフリーなんですけども、本来の自分のホームリング。本来の自分の試合ができるホームリングとして自分はとらえてますね」
――スタイル的に本来の自分が出せるという意味でホームだと。
「ハイ。自分は毎年1年間のスケジュールをリアルジャパンさんが出してくれるときに入れるんですね。自分のスケジュールは、リアルジャパンの日程が入っている状態から始まってます」
――リアルジャパン参戦を軸にしてスケジュールを組んでいると。
「そこだけはほかがきても、もう入ってますのでと(断る)。リアルジャパンが第1優先のリングです。というのも、自分があこがれた初代タイガーマスクがいるから、というのが一番ですよね。その人にあこがれて、それでプロレスラーになって、いろいろあったんですけどもやっとその人の団体に出られた。その人が出られないときに助けられる。それが一番うれしいことです。すべてを含めて、いま48歳になって一番やるべきこと、プロレスラーとしてそれが一番やるべきことだという気持ちでいますね」
――原点に還れるリングでもあると。
「ハイ。先日なんですけども、タイガーマスクが(83年1月に)出した“いきなり王者 吠え吠えタイガーマスク”という本を急に思い出して、古本を買ったんですよ。子ども向けの本なんですけど、いま読んだらけっこうビックリするような本格的なことが書いてある。タイガーマスク時代に佐山さんがこんなこと書いてたんだなとビックリしましたね。中学生時代にタイムスリップして一気に読んでしまいました。スーパーヒーローらしからぬ発言とか、いま読んでもまったく古くないですよ。その本を出してすぐに引退してる。当時は引退の方に食われてしまってあまり記憶に残っていないと思うんですけど、自分はおぼえていたんですね。いまになってみれば、そろそろやめるということも考えていたのかもしれないですね。タイガーマスクに対する不安とか、飛んだり跳ねたりだけじゃない、そればかりがクローズアップされてることもすごく辛いと。格闘技的要素があって初めてタイガーマスクが成り立ってるんだよということも書いてあるんですよ。だからビックリしましたね。いまでもまったくぶれてないということがあらためてわかりました。そういう佐山さんのつくったリングに上がれる。それが一番うれしいことです」
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