【宝城カイリ インタビュー・前編】最後の後楽園ホールを終えて、海賊王女の成長を振り返る！
＜技のこだわり、ダイビングエルボードロップ＞
――ダイビングエルボードロップは素晴らしいフォームで、体重も乗っていて一撃必殺、まさにほかの人にはできない、素晴らしいエルボーだと思います。どうやって開発されたんですか？
宝城：自分でも不思議なんですけど、デビュー前から風香GMに「ほーちゃん、エルボーがいいね」って言われていました。エルボーを主にした技といったらダイビングエルボーだから、練習してみたら？と言われて。 最初に飛んだら膝から落ちて、「痛ー！」ってなって、マットを敷いていたからよかったものの、「うわ、できないでしょー！」って思いましたね。
宝城：試合ならアドレナリンが出ると思って、試合でやってみたらやっぱり痛い。横に飛ぶから、どうやって着地したらいいかわからないんです。他の技は正面から落ちるけど、コーナーから横に落ちる技ってなかなかないんですよ。初めての経験で、横腹を打ってみぞおちに入って動けなくなったり、逆にひじだけ乗りすぎてひじを痛めたり、試行錯誤していました。怖いな、大丈夫かなと思いながら飛んでいたんですけど、ある時から、「とにかく勝ちたい」という気持ちと、「全体重を乗せてやる」という気持ちと、「失敗してもいいから、とにかく飛ぼう」という覚悟を持って飛ぶようにしたら、自然とあのフォームになりました。
――美しい！ あのフォームは最高ですよ。
宝城：言われるまでは自分の中でもわからなくて、誰かのダイビングエルボーを参考にしたというわけでもなく、自分の中でいろいろ変えたら、ああなりました。
――（新日本プロレスの）小島聡さんのダイビングエルボードロップはストーンと落ちるけど、宝城さんはジャンプして落ちてくる。足が思いっきり上がるのが凄いです。説得力があります。
宝城：私は体重もない方なので、ひじにどうやったら力を込められるかを考えてああなったと思います。
――飛び方は考えますよね。あのバランスは大変だろうなと思います。さらに滞空時間も長い。
宝城：バランスに関しては昔からありました。バレーボールも七年やってて、ヨットもバランスが必要なので、それが技に生きています。手の運びは、バレーボールから来ているかもしれませんね。
＜心のこだわり、女子力は高めに＞
――プライベートでのこだわりは何かありますか？
宝城：女子プロレスラーって、闘争心で男性ホルモンが出るらしいんですよ。戦うことばかりを考えたら、ヒゲが濃くなったりするみたいで（笑）。だから私は、ネイルや髪、メイクなど、女子力を忘れないようにしています。
――ブル中野さんは男性ホルモンを打っていたと聞きましたけど、カイリさんは女子力を鍛えていく。
宝城：女子であることを楽しもうと。
――オシャレですよね、リング上の姿も含めて。
宝城：ちっちゃい子や女の子にも、女子プロレスラーになったらこうなれるんだと、夢を与えたいと思っています。頂いたお給料も、服とか外見に投資するようにしています。
――さすが女子。豊田真奈美さんと同じで、バイクにも乗っていらっしゃいます。バイクも昔から好きだったんですか？
宝城：お父さんに乗せてもらってたりして、好きでしたね。ヨットもそうですけど、乗り物が好きなんでしょうね。船の免許も持っているし。
――ヨットに乗った理由は？
宝城：超浅はかな理由なんですけど、高校時代に何か違うことをしたいと思って、部活動を見学していたら校舎の外にヨットが展示してあって、後ろからチュートリアルの徳井さん似のコーチが話しかけてきて、めっちゃさわやかで、「マリンスポーツできて、こんなイケメンの先生に教えてもらえる、こんな放課後いいな」って（笑） 超軽い気持ちで始めたんです。
――見る見る間に実力を発揮して日本代表に。
宝城：でも、最後の最後までドベばっかでした。インターハイの直前まで。
――ヨットは酔わなかったんですか？
宝城：酔う子もいるけど、私は大丈夫でした。
――「海賊王女」というキャッチフレーズは、どのタイミングで決めましたか？
宝城：デビュー前から決めていました。「海賊王女」という言葉は（ロッシー）小川さんがつけてくださいました。デビュー戦でも海賊のパフォーマンスをしましたけど、それはヨットを七年やってきて、自分の本名にも「宝」がついて、海と海賊にゆかりがあって、感じるものがありましたから。
――マスクも合っています。キャラ付けがすごくイイですね。
宝城：コスチュームとかグッズとか技名も、全部海賊をテーマに考えられるのはイイですね。
（撮影：二瓶隆弘 ※試合画像はLADYS RING ONLINE提供）
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