【編集長コラム】「愛のキューピッド」
プロレス好きの懇親会、通称「柴田会」。
誕生会、祝勝会でお招きしたレスラーも交えて、みんなで飲みながら楽しく交流する会。
メンバーは多士済々。さながら異業種交流会のようになる。
かれこれ、20年近く前から続いており、いろいろな出会いがあった。
人が人を呼び、意外な接点を発見したり、ビジネスに発展したり、新鮮で刺激的で、面白い。
そんな柴田会から、この度、めでたく夫婦が誕生した。
出会いは一昨年11月、大日本プロレスの後楽園ホール大会後、水道橋の居酒屋だった。
星野勘九郎、稲葉雅人の「平成極道コンビ」(当時)のお2人をゲストに迎え、20人近くでの懇親会。
この時まで新郎、新婦は、同じ場に居合わせたことはあったものの、話をしたこともなかった。
この日は、たまたま隣の席に座った。よく知らない男女。遠慮し合い、ぎこちない会話。
このまま終わるかと思われたが、稲葉雅人が何を思ったのか突然、「2人、付き合っちゃいなよ!」と言い出した。
あまりに唐突で、その場にいた全員が、あっけに取られた。
困惑して弱々しく笑う彼。ビックリして目を見開く彼女。
しかし稲葉はひるまない。
「手、つないでみなよ!」「2人でこの後、どこかに消えちゃいなよ!」と
執拗に言いつのる。
「はぁ・・・いや・・・、あの・・・」と、どうして良いのかわからぬ様子の2人。
アニキ・星野勘九郎はニコニコ笑うのみ。
お店の閉店時間となりお開き、駅で解散。「それっきりになった」と思っていた。
ところが!
昨年7月、大日本プロレスの両国大会後、いつもの飲み会で「ご報告があります。実は結婚します」と言われた。まるで脳天唐竹割りを食らったかのような衝撃だった。
怒涛のような「えー!」「うっそー!」「マジ!?」の後、一同沈黙。
一昨年11月の飲み会と同じメンバーが何人かいたのだ。
しばらくして「あッ! あの時から!? あ、そうなんだ!」。
謎が解けたというような、みんなの顔。
「わー、おめでとう!」今度は祝福の嵐。
照れる2人に笑顔のプロレス仲間。
いい光景だった。
つい先日、結婚披露宴が仙台で行われた。
プロレス関係の披露宴には数多く出席してきた。天龍源一郎さんに始まり、高田延彦&向井亜紀、佐々木健介&北斗晶、小橋建太&みずき舞など、プロレスLOVEにあふれた披露宴ばかりだったが・・・。
今回ほどプロレスまみれの披露宴は初めて。
二人を紹介する小雑誌は「週刊プロレス」風の作り。
テーブルには「高砂」「寿」「牡丹」などではなく、選手の名前がついていた。
ちなみに私は、大日本プロレスの登坂栄児社長と共に「グレート小鹿」の席だった。
煽りVのような2人のVTR、「時は来た!」で開宴。
BGMはプロレスやプロレスラーの入場テーマ曲。
凝りに凝ったプロレス結婚式は、素晴らしかった。
そして複数の選手から祝電も届き、会を大いに盛り上げた。
登坂社長が乾杯の音頭を取り、私も僭越ながら、鏡開きをさせていただいた。
「1,2,3、ダーッ!」で、景気良く元気に鏡開き。
2人の「愛のキューピッド」稲葉雅人も列席し、我が事のように嬉しそうだった。
首の負傷で、試合には限定出場という事だが、顔色も良く、元気そうで安心した。
稲葉は「いや~、おめでたいですね。本当に嬉しいですよ! 僕、見ればわかるんです。『この2人は結ばれる』って。前にもそういう事があったんです。だから『結婚する』って聞いた時『良かったな』と思ったけど、別にビックリはしなかったです。『やっぱりね』」とにっこり。
その笑顔は、ごつい体には似合わぬ、まるでキューピーのようだ。
キューピーは、キューピッドをモチーフにしたキャラクター。
稲葉は「愛のキューピッド・レスラー」かも知れない。
みなさんも、彼に見てもらっては、いかがでしょう。
プロレスが縁で結婚。これほど素敵なことはありません。
いつ何時でも、愛情を持って、最高のタッグパートナーといつまでもお幸せに。