【DDTプロレスリング高木三四郎 大社長インタビュー②】DDTの未来像・W-1経営の違い・DDTに必要なレスラーとは?

imgp7023_r

【2】W-1とDDTプロレスリング経営の違いは?

 

WRESTLE-1とDDTの経営の違いというところを、両方のCEO・社長をされているという点で、経営のやり方としては違うものでしょうか?

 

〔高木〕 全然違いますね。そもそもスタイルから違うじゃないですか。スタイルも違えば、僕も武藤敬司さんから「うちの団体も経営してくれよ」とお願いされて、業界の大先輩だと思いますし、僕自身まだまだDDTだけじゃなくて、もっともっとプロレス界を盛り上げていきたいというのと、自分自身もまだまだ勉強しなくちゃいけないというのがあって、DDTとまったくスタイルも業態も違うプロレス団体の経営というものを、やってみようかなというところから入ってきたのですが、スタイルもそもそも違うので。

経営の仕方は、全日本プロレスの流れからきている団体なので、システムも考え方も、旧全日本プロレス系の流れがありました。いいものはいいものでちゃんと残して、だけどしがらみは、ここは全日本プロレスじゃないWRESTLE-1という別団体だからというので、外していきました。

 

武藤さんはもともと新日本プロレスで、新日から全日に行って、それでも空気感は全日系なんですか?

 

〔高木〕 全日系というよりメジャー系ですね。

 

発想が割と固い部分があるんでしょうか?

 

〔高木〕 固い柔らかいと言うより、柔軟性があるかといえば、あるんですよ。だけどスタイルが本当に違うので。そこはDDTのやりかた、DDTはいろんな意味で決められたスタイルがないので、何をするにしても丸投げにして、たまたまうまくいったパターンなんです。だけど細かい部分で動かしたりしています。

 

WRESTLE-1はもともと武藤さんプロデュースが強い団体なんでしょうか?

 

そうですね。

 

imgp6959_r

武藤さんプロデュース部分と経営という部分では、収支を含めてやり方を考えていかないと、という感じですよね。そこを高木社長がメスを入れたり、話し合って改善する、という感じですか?

 

〔高木〕 そうですね。残すところは残さないと、DDT流のやり方をWRESTLE-1にそのまま求めるのは難しいので、たとえばWRESTLE-1に男色ディーノみたいな選手を作りましょうといっても、やってることが違うから無理なので、黒潮イケメン二郎とか、怪我で休んでるけど芦野(祥太郎選手)みたいな選手なんかは、勝負なんかは硬派、ほとんどレスリングをやっていたベースがある、そういった選手を伸ばしていく方がいいんじゃないか。それはDDTにも足りないものだったりするので。

 

WRESTLE-1から流れて来てここよかったな、ここをDDTに取り入れてみようみたいなことはありました?

 

〔高木〕 そうですね……なかなか難しいですね(笑)そこの比較はちょっと難しいので……ないほうがいいですね。変な話じゃないけど、DDTにフィードバックをしていくというのはそれなりに大変でしょうね

ただ、前々からDDTでやってみたいんだけどできない、道場はあるけどZERO1さんと共同で借りているので、リングはあるけど施設的にもそこまで大きいわけではない中で、WRESTLE-1の大久保に旧スポーツ会館といういい施設があるわけで、その中でこの施設を使ったビジネスとして、もともとレスリングスクール(プロレス総合学院)をやりたかったんですよ。

 

だからWRESTLE-1ではじめたんですね。レスリングスクールからプロレスに木村花選手みたいなのが育っていってますね。

 

〔高木〕 一期生の子で、立花くん(誠吾選手)と頓所(隼選手)って子がプロレスリングA.C.Eという団体でやっているんですけど、それ以外なら木村花ちゃん、才木玲佳さんとか。

 

木村花選手はスターダムでいい感じで光ってきましたね。

 

〔高木〕 もともと花ちゃんには将来性を感じていたんです。(木村)響子さん、お母さんに「花ちゃんいくつになったんですか?」「花も18になっちゃったんです」、「プロレスやらせないんですか?」「やらせたいんですけど……」と。木村さんって女子プロレスの中ではいろいろな団体に出ていて、女子で一流レスラーなわけじゃないですか。

木村さんは、女子プロレスってバランスを大事にするところがあるので、「花をどこかひとつの団体に所属させると、花にとってもよくないし、私の今の仕事にとってもよくない」っていうので悩んでたんです。「木村さん、多少お金はかかりますけど学校に入りましょうよ」「学校できるんですか?」「僕がWRESTLE-1でプロレス学校作るんで、女子部門に入ってくださいよ!」「入ります入ります」ってなったんです。

 

それで入ったんですね。木村花選手は最近すごいですよ!

 

〔高木〕 花ちゃんは5歳ぐらいのことから知ってるから(笑)途中で木村響子さんが沖縄でプロレスされた時についていったんですよ。彼女は5歳ぐらいでアイアンマンのチャンピオンになってますから。

 

サラブレッド中のサラブレッドですね(笑)

 

〔高木〕 そういうのもあるんで、花ちゃんなんかは子供のころから知っているので、もともと木村さんが写真を上げてたんですよ。そういうときに、自分の頭の中では5歳くらいで止まっている状態で、すごいきれいになってて、17歳くらいの写真かなんかを上げてて、「これ17歳に見えないよなあー」って、「プロレスやらせないなんてもったいないよなー」なんて思っていたんです。あんまり会場で会うことなんてないけど、たまたま木村さんと会ったんです。「花ちゃんなにやってるんですか」って聞いたら「花もプロレスやらせたいんですけど、どこかの団体に入れるとバランスが悪いから……どうすればいいですかね?」って言われたので、学校を作りますからってドンピシャのタイミングでしたね。

 

最近は2世レスラーもかなり多くデビューされるのでそういう学校があると受け皿になって、吉本でいうとNSCの様な師匠にお仕えして伝統ありき的な要素がなくなることで若い才能が伸びやすくなったって考えると、スクールっていいですよね。

 

〔高木〕 どこかの団体に入ったはいいけれど、「水が合わなくて抜けました」みたいなことっていっぱいあるじゃないですか。お金はかかりますけど、300万400万かかるわけではなくて、だいたい入学金10万、月5万×六ヶ月、半年ちゃんとやって、なおかつ努力は必要ですけど、出場すればプロレスラーとしてデビューできるということで、それはそれで人それぞれの考え方だと思うけど、団体とか入ったけどうまくいかなかったとか、プロレスラーを目指している人たちにとっては、一度そういう可能性を考えてもらえればなあと思います。

 

プロデビューしたい方にとってはとてもいい取組だと思います。

 

〔高木〕 最初は、僕の考えでは、半年で40万円かかるわけだけど、20代後半から30代ぐらいの、夢をあきらめきれないサラリーマンが来るのかなと思っていたんですよ。全然違いましたね。十代が三人くらい来たんですよ。それはすごいなあと思って。なかなか十代の子なんて応募して来ないですよ。

 

吉本もNSCがあったおかげで一気に間口が広がって才能が集まったと思いますから、そういう風にしたいですね。もっと楽に上がっていこうよ、みたいな、才能が集まって。それで各団体のスカウティングを集めてスカウトしてもいいかも。凄いなと思います。

 

⇒次ページ 【3】DDTにはどんなレスラーが必要?

◆プロレスTODAY(LINEで友達追加)
友だち追加

Pages 1 2 3