【編集長コラム】「追悼 永源遙さん」

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永源遙さんが亡くなった。享年70歳。

 

あんなに元気だったのに。あまりに突然。あまりにあっけなく。人生の儚さに、言葉もない。

 

馬場さんにも猪木さんにも、この両者から信頼された数少ない人物と言っても過言ではない。

 

永源さんは面倒見がよく、社交的で人付き合いがうまかった。プロモーターや関係者との付き合いには欠かせない重要人物だった。

 

気難しい人ともうまくやって行ける永源さんは頼もしかった。選手も永源さんを頼った。縁の下の力持ち的な役割をこなしていた。

 

「お嬢さん、僕とデートしない?」と女性ファンによく軽口を叩いていた。気さくな人柄だった。

 

親しみやすいキャラクターから、一部ファンの間では「永源ちゃん」と呼ばれていた。

 

試合後、女性ファンを車で送ることもあったという。しかしそれは、ヨコシマな気持ちではなかった。

 

「夜遅くて危ないから」。決して女性一人では乗せなかったし、若手に運転させるなど「一対一」ではなく「車内は複数」だった。

 

運転をよく仰せつかっていた保永昇男は「永源さんの車で初めて外車を運転した。いや、初めての時には緊張したな」と後年、振り返っていた。

 

また、未成年のファンの喫煙などには厳しく接し「いかに体に悪いか」と、タバコの害を説明。「自分も禁煙したんだよ」と自らの経験を交えて話し納得させ「じゃ、もう吸わないね?」と、最後はタバコとライターを没収したこともある。

 

「私はコレでタバコをやめました」という禁煙グッズのCMがはやったが「私は永源ちゃんでタバコをやめました」という人も多い。

 

「禁煙指導は永源ちゃん」と言われたものだ。

 

私は、親しみをこめて「タコ親父さん」と呼んでいた。携帯電話が普及する前、自宅の固定電話にしばしば連絡をいただいた。家人が「タコ親父さんからよ」と私に受話器を渡していた。

 

我が家の息子が、まだ幼かった頃、たまたま永源さんからの電話に出たことがある。

 

大きな声で「お父さん! タコ親父から電話だよ!」

 

穴があったら入りたかった。しかし、永源さんは怒るでもなく豪快に笑い「元気な坊ちゃんだね」と言ってくれた。

 

「プロレスはどうなるんだろうね」とプロレスの将来を心配していた永源さん。

 

大丈夫です。あなたが指導したレスラーがたくさんいますよ。

 

リング上だけではなく、リングを下りてからの人付き合い、礼儀やマナーを教えていましたね。

 

「あいつは礼儀知らずだから困るよ。俺がフォローしたけど」などと愚痴りながらも、どこか嬉しそうでした。

 

若手、後輩の手本になっていましたよね。

 

みんな きっと忘れない。

 

馬場さんのところへ駆けて行ったのでしょうか。

 

ラッシャー木村さんも一緒に、天国のプロレス村で悪役商会、再結成ですね。

 

礼儀や人付き合いの大切さを教えてくれた永源さん。

 

遠い空から、星の窓を開けて真ん丸の愛嬌ある笑顔で見守っていてください。

 

永源さん、永遠に。

 

柴田惣一 (プロレスTODAY編集長)
「プロレスTODAY編集長」であり「プロレス解説者」。
〝千のネクタイを持つ男”の異名もあり。
テレビ朝日「ワールドプロレスリング」、サムライTVでプロレス中継の解説。
今日も一緒にプロレスを楽しみましょう!

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