【新日本】王者対決は非情の結末!ザック、盟友ファンタズモとの初シングルを制し「リングに入ったらただの対戦相手だ」
新日本プロレスは7月26日、東京・大田区総合体育館にて“真夏の最強戦士決定戦”『G1 CLIMAX 35』第6戦を開催した。
『G1 CLIMAX 35』
日時:2025年7月26日 (土) 13:30開場15:00開始
会場:東京・大田区総合体育館
観衆:2,250人
Bブロック公式戦で、IWGP世界ヘビー級王者ザック・セイバーJr.とNJPW WORLD認定TV王者エル・ファンタズモによる、王者同士のシングル対決が実現。
互いへのリスペクトと友情を根底に置きながらも、リング上では非情なまでの技術と魂が交錯する死闘の末、ザックがファンタズモを絞め落とし、G1・2勝目を挙げた。
共に世界を渡り歩き、ユニットの垣根を越えた“不運な友情”を育んできた二人。新日本のマットで初めてシングルで対峙するこの一戦は、単なるリーグ戦を超えた、特別な意味を持つ戦いであった。

試合は、互いのすべてを知り尽くした者同士ならではの、高度なレスリングの応酬で幕を開けた。ブリッジしたまま張り手を打ち合うという、常人には理解しがたい攻防は、二人の間に存在する特別な関係性を象徴していた。

中盤、ファンタズモが多彩な空中殺法で試合のペースを握る。場外へのプランチャ、トペ・スイシーダ、そしてスワンダイブ式のサンダーキス’86と、その勢いは王者を追い詰めていく。しかし、ザックもコーナー上のファンタズモに卍固めを決めるなど、一瞬の隙も見逃さない。

勝負が白熱したのは、互いの魂を奪い合うかのような「掟破り」の応酬であった。ファンタズモがザックの必殺技であるザックドライバーを決めれば、ザックもすぐさま本家ザックドライバーで反撃。
ファンタズモが必殺のCRⅡを炸裂させるも、ザックはこれを執念でキックアウト。互いのすべてをぶつけ合う、まさに紙一重の攻防が続いた。

最後は、ザックの非情さが勝った。ファンタズモの猛攻を耐え抜くと、一瞬の隙を突いてスリーパーホールドで捕獲。そこからドラゴンスリーパーの形へと移行し、逃げ場を失ったファンタズモからタップアウトを奪い、壮絶な対決に終止符を打った。

<試合結果>
▼第7試合 30分1本勝負
『G1 CLIMAX 35』 Bブロック公式戦
エル・ファンタズモ ×(2勝3敗=4点)
vs
ザック・セイバーJr. 〇(2勝2敗=4点)
19分20秒 変型ドラゴンスリーパー

試合後、両者はリング内外で拳を合わせ、言葉にならない想いを交わした。そしてバックステージで、ザックはその複雑な胸中を吐露した。
ザック「勝ち点2。去年はもう6点獲ってたけどな。プロレス界で、特に日本のプロレス界で、ユニットを越えた友情を育むのはとてもレアなことだ。そんな中、俺とファンタズモは不思議なことに“不運な友情”を育んで、新日本の名を背負い世界を共に旅してきた。ほとんど世界中のインディー団体をサポートするために。
明白だと思うけど、リングの中に入ったらアイツもただの1人の対戦相手だ。でもファンタズモの色々なことに敬意を払わずにはいられない。去年、アイツは癌を患った。復帰後2カ月も経たないうちに最初の王座を獲った。アイツは一度も弱音を吐かなかった。俺は癌を患ったことはないけど、身内で癌を患った人たちがいて、皆それぞれ勇敢に闘った。
でもファンタズモは最もファンタズモらしく対処したと思う。ファンタズモに対する優しく丁寧な言葉は以上だ。ここからはいつもの通り行くぞ、クソ野郎! TV王座に対しては愛と称賛しかない。でも、プロレス界で最も重要な王座ではないだろ? エル・ファンタズモはあと少しで俺を倒すところまでいった。それほどアイツは強かった。
レンレン、本当の勝利じゃないだろ? この卑怯者め。俺もゲイブ・キッドを去年のようにチョークで仕留めてたはず。この会社のために俺はしっかりと決勝まで行く必要がある。H.O.T同士の『G1』決勝、そんなことがあってはならない。想像してみろ。そんなことがあったら俺は太平洋の海底に身を投じる。そしてエル・ファンタズモ、もしすぐに復讐したいなら、準決勝に進出するんだ」

一方、敗れたファンタズモも、短い言葉に万感の想いを込めた。
ファンタズモ「何を言えばいいのやら。クソ。お前のことをとっても愛している。でもそれ以上に嫌っている。そういうものなんだろう。詩的な関係だ。今日、この業界で一番強いレスラーはお前だった。お前であってくれて嬉しい。そしてその気持ちのせいで、同じぐらい憎く感じるんだ」
友情があるからこそ、非情になれる。プロレスの持つ奥深さと美しさ、そして過酷さを体現したこの一戦は、今年のG1を象徴する名勝負として、長く語り継がれるに違いない。
<写真提供:新日本プロレス>
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