【WWE】真夏の夜の悪夢『サマースラム』 夢と希望は、混沌と絶望に塗り替えられた!
灼熱の太陽が沈み、ニュージャージーの夜空にプロレスの神が舞い降りた。いや、あれは神などという生易しいものではなかったのかもしれない。WWE真夏の祭典「サマースラム」。
二日間にわたって繰り広げられたその舞台は、感動的なドラマと、それを無慈悲に打ち砕く悪夢が交錯する、あまりにも過酷で、そして刺激的な戦場であった。
我々が目撃したのは、英雄たちの戴冠と、そのわずか数分後に訪れる絶望。計算され尽くした策略と、予測不能な野獣の咆哮。
そして、女子戦線の頂点を巡る、華麗にして非情な三つ巴の闘争。そこにあったのは、一瞬先すら読めない、これぞWWEというエンターテインメントの極致であった。
ファンが抱いた夢と希望は、二夜連続で悪夢へと塗り替えられたのだ。この混沌と憎悪の渦こそ、新たな物語の始まりを告げる、不吉にして最高のゴングなのである。

©2025 WWE, Inc. All Rights Reserved.
【第一夜:僅か5分の天下。CMパンク、12年半の夢を喰らった策士の罠】

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初日のメインイベント。その結末は、プロレスというジャンルが持つ、天国と地獄のコントラストを、あまりにも鮮烈に描き出した。10年近い歳月を経て、因縁の古巣へと帰還した“ベスト・イン・ザ・ワールド”CMパンク。
その腰に、12年半ぶりに最高峰のベルトが巻かれた瞬間、5万人を超える大観衆の熱気は、間違いなく最高潮に達していた。

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立ちはだかったのは、“リングジェネラル”の異名を持つ絶対王者グンター。その圧倒的なパワーと、一撃一撃が内臓を抉るかのような重い打撃の前に、パンクは防戦一方の苦しい展開を強いられた。

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誰もが王者の鉄壁の牙城を再認識したであろう、その時だった。一瞬の隙を突き、パンクは王者を場外のテーブルへと葬り去り、流血に追い込む。
そして、リング上で必殺のゴートゥースリープ(GTS)を二連発で叩き込んだ時、奇跡は現実のものとなったのだ。

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リング上で涙を流し、ファンと喜びを分かち合うパンク。この感動的な光景こそ、長く険しい道を歩んできた男が、ついに掴んだ栄光の瞬間であった。
しかし、プロレスの神は、いや、この場合は悪魔というべきか、あまりにも残酷なシナリオを用意していた。
突如として鳴り響いたのは、セス・ロリンズの入場テーマ曲。右ヒザの負傷で長期欠場中とされていたはずの男が、松葉杖をつき、痛々しい姿で現れたのだ。

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誰もが、その痛々しい姿に一瞬の油断をしただろう。だが、次の瞬間、ロリンズは松葉杖を投げ捨て、リングへと疾走した。その全てが、この一瞬のためだけに用意された、狡猾なる策略であったことを、満天下に知らしめたのだ。

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満身創痍のパンクを、マネー・イン・ザ・バンクの権利が入ったブリーフケースで殴りつけ、レフェリーに権利行使を宣言。ゴングが鳴るや否や、必殺のストンプ一撃。

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パンクが見た12年半ぶりの夢は、わずか5分で、あまりにも無慈悲に打ち砕かれた。リング上で、ポール・ヘイマンら仲間たちとベルトを掲げ、高笑いするロリンズ。

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その姿は、一人の策士が、感動の物語を一夜にして憎悪と混沌のドラマへと書き換えた、戦慄の瞬間であった。














