【編集長コラム】「令和のミスタープロレス オカダ・カズチカの覚悟」
「令和のミスタープロレス」オカダ・カズチカが、いよいよ貫禄を増してきた。五輪イヤーの2020年、プロレス界のさらなる飛躍のため、先頭に立ってけん引する決意を固めている。
1・4、1・5東京ドーム2連戦で二日続けてメインイベンターを務めた。IWGPヘビー、インターコンチネンタル2冠王の座を逃し、丸腰になったが、その存在感はさすがだった。
2020年の闘いが本格スタートするや、リング内外での活躍が目立っている。テレビ番組への出演で「プロレス界の顔」として「プロレスラーの魅力」を披露している。
奨励賞を獲得した「テレビ朝日ビッグスポーツ大賞」表彰式では、大トリに登場。「2020年はオリンピックの年。いつもは金(かね)ですが『今年は金メダルの雨が降るぞ~』」と、いつものポーズを決め、満場の喝さいを浴びた。
表彰式の最中も、各スポーツ界の精鋭たちとの記念撮影に応じ、その人気を改めて証明。超一流のアスリートたちの中でも、恵まれた体に、格好良さでひときわ注目を集めていた。
MVP、ベストバウトの2冠に輝いた2019年プロレス大賞表彰式でも「せっかくのオリンピックイヤー。オリンピックだけでなく、プロレス界でもオールスター戦があったっていい。若い選手のパワーで今のプロレスのパワーを広げて、プロレス界の発展につながれば」と、プロレス五輪の開催を口にした。
プロレス界には30代の若き王者たちが顔を揃えている。今こそ、ドリーム決戦が実現すれば、人気アップにつながる。
かつては「特にありません」が口癖だった。岡林裕二が結婚したばかりの美桂夫人を連れて、オカダと酒席で同席したことがある。「ご結婚、おめでとうございます。特にありません」とオカダ。美桂夫人が「ありがとうございます。特にありません」と返して、その場が爆笑に包まれた。
また、夏場のイベントで化粧が崩れてしまった女性ファンが「恥ずかしい」と、顔をそむけていたことがあった。「特にありません」と、いつも通りに応じていたオカダだったが、控室に戻って女性スタッフに女心を解説され「こんな暑い中、来ていただけるのは本当にありがたい。化粧崩れなんて気にしないで、お顔を見せてほしい」と感謝していた。
常にファンを大切にする男だったが、今では「プロレス界の顔」としての責任感にもあふれている。プロレス界全体を盛り上げるための発信を心掛けている。その言動に「ミスタープロレス」としての自信と自負がみなぎる。
娯楽がますます多様化した令和の時代に、国民的スターへの道は、なかなか険しくなっている。とはいえ、今のオカダならどんなハードルも乗り越えられるはず。それだけの魅力を持っている。
2020年は「オリンピックイヤー」に加えて「プロレスイヤー」いや「オカダイヤー」になる。間違いない。