【リアルジャパン】<彩羽匠インタビュー>「長与さんから話を聞いていた佐山さんの 団体。参戦が決まったときはガッツポーズ でした!」

長与千種に憧れデビューした“紅の継承者”彩羽匠インタビュー!
リアルジャパン3・19後楽園
団体設立15年で初めての女子プロレス
「長与さんから話を聞いていた佐山さんの団体。参戦が決まったときはガッツポーズでした!」

――クラッシュギャルズで一世を風靡した長与千種さんにあこがれプロレスラーになった彩羽匠選手ですが、明らかにリアルタイム世代ではないですよね。

「まったく、違いますね。たまたま高校でパソコンを扱う授業があって、終わってからの自由時間でYou Tubeを見ていたんですよ。そのとき偶然、おすすめ欄のところに北斗晶さんと神取忍さんのバチバチの試合が出てきて」

――女子プロ対抗戦時代の両国国技館ですね。

「ハイ。北斗さんって(タレントとして)知ってるけど、そういえばプロレスしているところは見たことないなあと思いながら、興味本位で見てみたんです。そしたらメチャクチャ壮絶で衝撃的で、プロレスってすげえなっていう感覚で入っていきました。その時点でもうハマっていったんですけど、さらに神取さんの自伝を読んだときに、“長与千種だけはマジですごい”“長与千種だけはホントに尊敬する”みたいなことが書いてあって。あの神取さんが尊敬するってどんな人なんだろうと思って長与さんを調べ、ダンプ松本さんとの試合をまたYou Tubeで見たんですよ。それまでプロレスはすごくおもしろいという感覚で見ていたんですけども、長与さんの試合を見たとき、私と同じくらいの年齢、まだ10代や20代はじめくらいにもかかわらず、なんでそこまでしてここまで頑張れるんだろうというのがあって、そこですごい心を惹かれてしまいました。もうそのときにはすでにプロレスラーになりたいと思いましたね。なので、きっかけはホントに偶然です」

――プロレスを見始めた当初は、昔のプロレス専門ですか、それともリアルタイムのものも見ましたか。

「昔しか見てなかったですね。昭和の時代の女子プロレスです。男子ではなく、そのときは女子だけでした」

――長与さんを知ってからは、クラッシュの試合が中心になりましたか。

「そうですね。クラッシュの世代が多かったです。長与さんとダンプさんの試合も衝撃的だったんですけど、長与さんが一度引退されてから横浜アリーナで、ブル中野さんと限定復帰みたいなメモリアルマッチで一騎打ちをしてたんですね。その試合の技とかもすごかったんですけど、それ以上に表情だったり魅せ方だったりが、お互い譲らない。その表情に感動してしまって、ふたりをすごいカッコいいなと思いました。昔も今も変わらない、自分のベストマッチになってます」

――プロレスラーをめざそうとしたとき、長与さんはプロレス界にはいませんでしたよね。なので、長与さんの団体にいくという選択肢は初めからなかったことになりますが。

「ハイ、そうでした。自分、地元が福岡なんですけど、関東みたいにプロレスがどこにでもあって見られる環境ではなかったので、プロレスの常識、状況というのかまったくわからなかったんです。どういう団体があるのかも知らなかったし。なので、自分、長与さんに直接プロレスラーになりたいんですって言っちゃったんですよ。mixiを長与さんがやっていたことを知って、メッセージで伝えたら返事が返ってきたんです。“プロレスラーになりたいんですね”、みたいな。しかも“もし東京に来る機会があったら会いましょう”というメッセージまでいただいて」

――直接会えることになった?

「ハイ。ビックリしました。自分が言い出したんですけど、当時は長与さんがプロレスを離れているくらいは知ってました。それでも言ってしまって、お会いしていただけるのなら会ってみたいなと思って東京に行って長与さんとお話しさせてもらいました。そのときはまだ自分が大学に通ってたんですね。大学は剣道の推薦で入学したんです。まだそのときは一年生で、長与さんからは“とりあえず大学を卒業するまで待て”と。“その間にやれることはたくさんあるからとりあえず大学を卒業して、まだその気持ちがあるんだったらプロレスラーみたいになればいい”、というような言葉をいただきました。でも、自分はすぐ行動しちゃう方なんですね。なので、長与さんに会ったことによってもう完璧にプロレスしか考えられなくなって。もう(大学は)やめるってすぐ決めてしまいました。その後、たまたま東京に行ける機会があったときに、後楽園ホールで大会をしていた団体がスターダムだったんですよ。たまたまですよ。それを見て、ハイ、ここに入りますって決めました(笑)」

――スターダムに入門し、両国でデビューしました。その後、長与さんがプロレス界にカムバックする流れができて新団体を旗揚げすると。そこに彩羽選手は飛び込みましたよね。旗揚げ前の新団体という、ふつうに考えたらかなり無茶なことをしているんですが。

「ホントですよね(笑)」

――やはり長与さんのところでやりたいとの気持ちが大きかったからですか。

「そうですね。ホントに長与さんのことは尊敬してたし、スターダムも自分にはいまでも恩がありすぎるくらいに大事な団体。でもやっぱり自分のプロレス人生、長いか短いかわからないですけど、やりたいことをいまやらないと後悔すると思って、自分の原点を思い返したときにやっぱり長与さんのところで学びたいとの思いが強くて、(移籍を)交渉しましたね」

――彩羽選手があこがれた長与さんのプロレスって、いわゆる昭和のプロレスですよね。そして今回参戦するリアルジャパンも昭和のストロングスタイル復興をテーマにしている団体です。3・19後楽園への参戦が決まり、どう感じましたか。

「すごいビックリしましたね。うれしかったです。佐山(サトル)さんという長与さんから話を聞いていた方の団体ですから。マーベラスに移籍して、最初は長与さんと寮でふたり暮らしだったんですよ。そこで初めて言われたのが、ジャーマン・スープレックス・ホールドのやり方。それって、長与さんが佐山さんから教わった投げ方だったんです。その投げ方を自分が教えていただきました。(初代)タイガーマスク(の名前)はもちろん知っていたんですけども、それまで女子しか見てこなかったし、女子の世界にしかいなかったので、長与さんがずっと佐山さんから教わったこと、スープレックス系のことをすごい言われてタイガーマスクのことを調べてみたんですよ。こんなに長与さんが尊敬するなんて、いったいどんな人なんだろうと、どんどん興味がわいてきて調べるようになって。そこで発見したのが人間離れした強さだったり華やかさだったり、すべてを兼ね備えた人だったので、リアルジャパン参戦の声がかかったときは、ホントにガッツポーズでしたね(笑)」

――では、事実上初めて見た男子のプロレスが初代タイガーマスクだった?

「もしかしたら、ちっちゃい頃に見てるかもしれないですけど、意識して見たのは初めてですね」

――まさかその団体に上がることにはなると思っていなかったでしょう。

「そうですよね、ホントにまさか!です」

――対戦カードについてはどうですか。松本都&彩羽匠組vs朱里&安納サオリ組のタッグマッチで、リアルジャパンで女子の試合が組まれるのは今回が初めてになります。

「松本選手が一番のツッコミどころだとは思うんですけど(笑)」

――なぜ松本選手がストロングスタイルなのかと。

「ハイ。タッグマッチで一度アッサリ絡んだくらいしかないです。でも見ている感じだと、フワフワしているイメージがありますね。相手は私も使う蹴りを得意とする朱里選手ですか。そして、安納選手。大丈夫かな? 組む(パートナーの)方にですよ(笑)」

――タッグチームとして大丈夫か、という不安?

「そうです。いろんな意味で、ですけど。(松本に)持っていかれないようにもしないと。安納選手はアイドル的な要素もありますけども実績もありますし、経験も積んでるので、この3人(彩羽、朱里、安納)はホントにストロングスタイルって言えると思います。この3人がストロングスタイルをやるなかで、松本選手の闘い方によってはヘンに食われちゃうかもしれないなって」

――チームだけど、パートナーひとりに持っていかれるのではないかと。

「そうです。そういう部分の闘いでもありますよね。だから全員が敵っていう感じです」

――朱里選手とは?

「最近はけっこう他団体でも絡みがありますね。お互いに蹴りを使うし。朱里選手は格闘技の経験からも相手を一発で動けなくする蹴りを持ってる。実は長与さんから蹴りを教わったときにも、佐山さんの名前が出てきてたんですよ」

――スープレックス系に限らず、キックも?

「ハイ。長与さんも教わっていたみたいで、腰をこう使うんだとか指導を受けていたみたいです。そういった部分で自分にも意地があるので、絶対にその蹴りでは倒れたくないですね。自分も逆に一発で倒せちゃうよっていうところを見せたいですね」

――安納選手とは?

「Marvelousの札幌大会で一度だけ6人タッグでやってますね」

――松本選手との連係もありえますか。

「どうなんだろう? でもタッグの醍醐味って、やっぱりそういうものじゃないですか。ひとりで闘うのは簡単ですよ。だけどタッグの醍醐味ってそこ(連係)だと思うし、いかにアタマを使うかというのも大事。松本選手をどう動かすのか、どっちが指揮を執るのか。それによってスタイルも変わってくると思います。でもやっぱりここはストロングスタイルということなので、自分が指揮を執っていかないと。うまく松本選手を動かしていきたいというのはありますね」

――彩羽選手が引っ張る展開に持っていきたい?

「ハイ」

――ランニングスリーをはじめ、長与選手の技を彩羽選手は使いますよね。そういった技もリアルジャパンのリングで見せたいですか。

「そうですね。もちろん見せたいです。女子プロレス自体が初めてという方もいらっしゃると思うので、そのなかで女子のいまのイメージってアイドル要素、キャラクター要素が大きかったりと思われがちなんですけども、男子にも負けないよっていうストロングな部分を見せたい。身体のつくりとかはさすがに男性に負けるところはあるんですけど、気持ちの面とかバチバチ感、プロレスに対する愛情だったりとか、そういうものを見せたいですね」

――この試合に関しては長与さんの弟子として闘うか、Marvelousを代表して闘うか、それとも個人として闘うのか。あるいは松本選手とのタッグチームとして闘うのか。いろいろな闘い方がありますが。

「そのなかに当てはまらない、女子プロレスを魅せる闘いですね。いまの自分は、女子プロレスのなかでも脂がのってる時期、自分のキャリアのなかでも脂がのってる時期で、背負っていかなきゃいけない、時代を変えていかなきゃいけない、もっと盛り上げていかないといけない気持ちがあります。初めて見るお客さんに対して、女子プロの試合によってすべてをつなげられると思うんですよ。全試合のなかで女子プロレスがすごかった、そのなかでも彩羽匠がすごかった。そこから彩羽匠はMarvelous、長与さんの作った団体だって伝えることで、いろんなものがつながっていくと思うんです。そういう意味で、まずは女子プロレスはすごいと思わせることが一番と思います。そこを意識したいですね」

――最近の彩羽選手を見ていると、他団体に出るたびに徹底的に鍛えられているなという強さが伝わってくるんですよ。強さが他団体参戦でよりいっそう際立つ。そのあたりは意識しているのでしょうか。

「もちろん。意地というか、そういうのもあります。いまはどちらかというとMarvelous内では新人がどんどんデビューしているのでそこを伸ばすところに焦点を当てつつありますから」

――さすが、Marvelous“代表”としての考えですね。

「ウフフ。なので、他団体での自分はMarvelousの彩羽匠として出るので、そうなるとエースというのがもっとも大きくなると思います。だからこそ、遠慮なくガンガンと自分を主張する部分をすごく意識してます」

――この1,2年で彩羽選手の存在感がものすごくなってきている気がします。強くなり、どんどん大きくなっている。

「メッチャきついんですよ、練習が。このキャリアになってまでこんなにきついことするのかって思うほど(笑)。ある意味、昭和っぽいところを練習の面で受け継いでいるのかもしれないですね」

――その強さがハッキリ伝わったのが、スターダム2・8後楽園でした。Sareee選手欠場により、彩羽選手が緊急出場。王者の岩谷麻優選手とノンタイトルながら一騎打ちをおこない、勝利しました。

「前日の夜ですよ、決まったのが(苦笑)。スターダムを見ようと当日のチケット取ってましたからね、自分。客席で見るつもりだったんですよ!」

――観戦予定だった?

「そうなんです。Sareeeさんと麻優さんの試合が見たくてチケット取ってもらっていたんですよね。でも急に参戦が決まって自分からキャンセルしてもらいましたよ(笑)。客席から見るつもりが、まさかリングに立つとは思わなかったです(笑)」

――そんなハプニングにも対処する。そういった部分でもホンモノのレスラーになったんだなって感じがします。

「ウフフ。おいしいと思いました! おいしいっすね、もうごちそうさまでしたって感じでした(笑)」

――急ではないですけども、リアルジャパン参戦もある意味でハプニング的な決定でもありますよね。リアルジャパン参戦後は、長与さんが起ち上げたGAEA JAPANの一夜復活興行4・15後楽園があります。彩羽選手はその大会でメインに出場。長与さんの弟子・彩羽選手は、長与さんの弟子・里村明衣子選手のさらに弟子である橋本千紘選手とシングルで対戦します。同世代による大一番でもありますが。

「大きな試合がつづくので、今回のリアルジャパン参戦で勢いをつけたい気持ちはもちろんありますね。大事な試合が立て続けに入っているなかで、ここ(リアルジャパン)で、もし落とす、自分が負けるようなことにでもなれば、たぶん長与さんから“ふざけんじゃねえ”って言われると思うんですよ。リアルジャパンさんのリング、とくに長与さんとも関わりのあった佐山さんのリング。GAEAも目前に迫っているなかで、自分が負けるようなことがあれば、もう、寮に帰れないです」

――Marvelous代表なのに?

「ハイ(苦笑)。帰る場所がなくなります」

――ホームリングに帰るためにも頑張らないといけないですね。

「ハイ。女子の試合を初めて見るお客さんを意識しながら、ストロングスタイルはもちろん見せつつも、女子ならではの華やかさ、男子にはない柔軟さだったり技の美しさとかもトータルで含めて、女子にしかできない闘いをしたいと思います。そこで強さも表現しつつ、勝負にもガツガツこだわりたいですし。そして、リアルジャパンのお客さんをMarvelousに引っ張っていくつもりでリングに上がります!」

(聞き手:新井宏)

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