【W-1】武藤敬司インタビュー「闘うみんなの肥やしになるような試合をしたいよね」4.1W-1ラスト興行に電撃参戦!

4月1日の後楽園ホール大会を最後に活動休止するW-1。

本来、3月15日の大田区総合体育館大会がラストマッチになるはずだった団体創設者の武藤敬司だが、コロナの影響により、アメリカでの試合等が全てキャンセルとなり、電撃的に後楽園ホール大会への参戦が決定した。

最後にカズ・ハヤシ&近藤修司&河野真幸と組み、稲葉大樹&土肥孝司&芦野祥太郎&羆嵐と対戦することになったが、今、どのような思いを抱えているのか?話を聞いてみた。

 

──4月1日の後楽園ホール大会をもって、W-1が活動休止となります。ここまで6年6カ月続けてきて、どのような思いがありますか?

武藤 まあ、ある程度もがいてきたけど、世の中は継続が全てだからな。寂しくもあるよ。

──2017年に社長の座をカズ選手に譲ってから、リング上も若い選手が中心となり、武藤選手の試合への出場機会も少なくなりました。一歩引いたところから見守っていた部分はあったと思うんですけど。

武藤 やっぱり、W-1は全日本プロレスからの流れでできた団体だからね。最初は大体の選手が全日本から移籍してきたわけだけど、全日本時代を100としたら70ぐらいしか来てねえんだよな。何人かは全日本に残ったからね。ということは、100だった全日本時代よりは団体をやっても劣るわけだ。

──戦力的には武藤全日本をそのまま引き継ぐということはできませんでしたよね。

武藤 その中で何を見せていけばいいのかと考えなきゃいけなかったんだけど、そういう戦力的に劣った部分をひっくり返す極めつけのアイデアが俺の中にはなかったからさ。きっとスターも作らないといけなかったし、いろいろ試行錯誤しながらやっていく中で、最初は『ハッスル』みたいなこともやってたよな。かと言って、リング上だけはしっかりしようということで模索しながらやってたけど、俺にしてみれば「ふ〜ん、そうか」っていう感じでさ。これは俺の発想の中にはなかったことだから。好き嫌いはともかくとして、「これが新しいプロレスなのか」って思ってたんだけど、いつの間にか普通のプロレスに戻っててさ(笑)。普通のプロレスに戻った時点で、スケールダウンした感は否めないよ。

──新しいスターもなかなか誕生しませんでしたね。

武藤 うん。最初に一緒に旗揚げした選手たちも、なんかしらの違和感があったり、水が合わなくて、多くの選手が出ていっているわけだ。だから悪戦苦闘した7年弱だったんだよ。ただ、その中でプロレス総合学院っていうプロレス学校を始めてね。システム自体はいいけどさ、やっぱりちゃんとした有料の学校だから、才能のあるなしに関わらずプロレスを教えて選手にしていくわけだけど、その時点で俺の描いているプロレス団体とは違ったよな。俺は昔ながらのレスラーだし、育ちも新日本プロレスという厳しい封建的な所だったからね。それが動いていく中で、やっぱり俺は蚊帳の外みたいな感じでやってたよな。ただ、いろいろなことにチャレンジしたし、失敗もしたけど、選手・社員みんな己自身の糧になっていると思うよ? 俺はこの30数年いろんな団体に出ているけど、全てが自分の肥やしになっているような気がするもんね。

──失敗したけど、無駄な時間ではなかったと。

武藤 そうだな……もしかしたら、こいつらの中にはプロレスラーになっちまったこと自体が無駄だったって思っている奴もいるかもしれねえけど(笑)。それでも糧になってくれていたらうれしいけどね。

──そうですね。ところで、本来なら3月15日の大田区総合体育館大会がW-1ラストマッチだったんですが、急遽4月1日の後楽園ホール大会にも参戦が決まりました。今度こそ本当にW-1での最後の試合ということになりましたけど、どのようなお気持ちですか?

武藤 いや、気負いもないし、言っちゃあなんだけど、W-1はなくなってもプロレスは永遠に不滅だからね。これからW-1のレスラーはそれぞれ己の力だけで生きていかなきゃいけないわけだけど、それは俺も一緒だから。そもそも、プロレスラーは個人事業主だからね。まあ、中には辞めていく奴もいると思うよ? その後の人生のことを考えてね。そういうこともありつつ、最後の試合にはしっかりした気持ちで臨みますよ。

──最後の試合は武藤&カズ&近藤&河野vs稲葉&土肥&芦野&羆嵐という8人タッグマッチになりましたが、これについてはいかがですか?

武藤 W-1の上層部vs今のW-1でトップを走っているレスラーだよな。正直な話、W-1の選手ってそう絡みがないからさ。W-1に所属していながら、ここ数年はW-1の試合よりも外の団体のほうが多かったからね。なぜ多いかって言われれば、それはどこの団体でも俺を招く理由があるわけだ。ただ、W-1の場合は逆にそういうのがねえもんな。だから、逆に接点がなかったというか、W-1のリングが実は一番上がりづらかったという部分もあったよね。ただ、今回は最後だからっていう理由が生まれたしさ。

──武藤選手にしても、最後の試合はちゃんとやる理由があると。

武藤 そうだね。この間の大田区の試合はW-1の過去の振り返りだよな? 旗揚げ当時にいた浜とか中之上と組んで、河野たちとやってさ。だけど、4月1日のマッチメイクは過去じゃないもんな。どちらかと言うと現在進行系だよな。だから、闘うみんなの肥やしになるような試合、全員のエネルギーが感じ取れる試合にしたいよね。

──若い選手たちは、武藤選手と試合をする機会が少なかったこともあり、武藤狙いを公言しています。

武藤 果たして、俺の身体が保つかどうかだね。心配だけど、しょうがねえよ。これは最後だから。ただ、とりあえず今現存するどの団体に行っても、トップで使ってもらえる俺だよ。それがアメリカだろうが、日本だろうが、現存する団体どこでもトップとして使ってもらえるのが俺。そういう意味では、こいつらにしたら貴重な機会になるんじゃねえかな? ただ、俺の気分次第だからね。もしかしたらスカしちゃうかもしれねえし、俺が無視したっていいわけだしさ。

──プロレスの試合はナマモノだし、当日になってみないとわからない部分はありますよね。

武藤 そうそう。その場の空気感とかTPOによって、無視してワンウェイの試合をするかもしれねえ。やってみてなんの興味も湧かなかったらね。たださ、こういう枠の中から飛び出るわけだからね。今までは基礎の部分だよ。今度はそこから解き放たれて応用編になるからね。プロレス界で生きていくのであれば、人付き合いの戦略だって身に着けなきゃいけねえし、もしかしたら悪い部分を出さなきゃいけない場面もあるかもしれねえ。それはリングの中のことじゃないよ?

──言葉は悪いですけど、多少なりともずる賢い部分もないと生きていけないところもありますからね。

武藤 いい子ちゃんのままで生きていけるかって言ったら、それもまた違うしね。逆にこのW-1で基礎はできたわけだから。ここで培ったことを応用編に活かして、がんばってほしいよね。

──わかりました。最後にがんばってきたカズ社長に何かありますか?

武藤 カズはどこに行ったって生きていけるよ(笑)。そこは俺と一緒だよ。でも、逆に社長業を経験したわけだから、プロモーターとしても生きていけるよ。もう団体はやらないと思うけど、いつかカズが興行やるってなったら、そこに今の選手たちも集まるかもしれねえしな。これからどんなことをやってくれるのか、楽しみにしていますよ。

──では、最後にこの6年9カ月応援してきてくれたファンの皆さんに一言お願いします。

武藤 7年弱応援していただいて、本当にありがとうございます。あとはウチの選手が各々己の力を信じて旅立っていくからさ。ファンの人もそれぞれ贔屓にしている選手がいるだろうし、そういう選手たちを追って応援してほしいよね。

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