【編集長コラム】「今こそStay strong」

真珠で有名なミキモト(MIKIMOTO)が、5月2日から銀座4丁目本店の建物正面壁部分に「Stay safe Stay strong」のメッセージを点灯している。

新型コロナウィルスの早期終息への願いが込められており、約4万個のガラスピースを使用し、緊急事態宣言が解除されるまで実施する予定だという。

ミキモト銀座4丁目本店は緊急事態宣言の発令に伴い、4月8日から現在も臨時休業中だが、メッセージには、創業者・御木本幸吉氏の「銀座の灯を一日たりとも消すな」という言葉のように「一日も早く、以前のように活気ある銀座の街を取り戻したい」との思いが込められている。

御木本氏は「世界中の女性を真珠で美しく飾りたい」と、それまで一部の富裕層しか手にできなかった高級品の真珠の養殖に世界で初めて成功。発明王エジソンからも大絶賛されたという。

昔、庶民はなかなか手が出せなかった真珠。欧米人が東洋系の女性を褒める際「東洋の真珠」という言葉を使うが、真珠は黒髪によく似合う。

女性向きの真珠の会社が「Stay safe Stay strong」というメッセージを打ち出した。Stay safeはともかく、Stay strongはちょっと意外だった。

強くあれ、強く生きろというStay strong。プロレスの神様、カール・ゴッチ氏から生前、聞いた言葉でもある。ゴッチ氏は亡くなるまで、いつ何時でも強くあることを意識していた。高齢になってもトレーニングを毎日欠かさず、自宅にはコシティやプッシュアップボードも常備。そしてトレーニング以外でも、負けず嫌いであった。

「自分よりどんなに若い人であっても、自分の方がたくさん食べ、たくさん飲むことを心がけるなど、とにかく何に対しても人に負けたくない、常に強くありたいという思いを持っていた。そして自分にも、人にも厳しい人であった」と晩年、師事した西村修は振り返る。

ゴッチ氏が眠る、東京・南千住の回向院は現在、檀家さんのみしかお参りできない。お寺にもコロナの影響があるとは何とも切ない。一日も早い終息と一日も早い興行の再開を願って訪れたというプロレスファンも多く、門前で手を合わせているそうだ。

「Stay strong」に、大日本プロレスのストロングBJの選手たちが反応。”大将”関本大介は「強くあれ、まさに自己啓発の言葉。弱っている日本、弱っている世界に対しての言葉だと思う。現在、たくさんの失ってはいけない命、かけがえの無いものが奪われている。今一度、自分を見つめ直し自己防衛をしなくてはならないという神様からの警鐘だと自分は捉えている。生活の基本を見つめ直し、まずは手洗いうがいを徹底する。それが強さにつながるのでは」と神妙だ。

岡林裕二は「いい言葉ですね! レスラーは強さの象徴。絶対、負けない!」と力強い。

ストロングBJの未来を担う野村卓矢は「僕は強くなりたくてプロレスラーになりました。対戦相手にもコロナにも、何に対しても絶対、負けたくないんです。このご時世もStay strongの精神で乗り切ります!」と負けん気を全開にした。

若手の注目株・兵頭彰は「下を向いてばかりでは状況は変わりませんから、上を向いて強く生きましょう!」と、これまた頼もしい。選手たちのパワフルな言葉を聞くと、元気が出る。

Stay safeは、もちろん大事なこと。加えて「Stay strong」という気持ちを持っていたい。

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