【アイスリボン】鈴季すずがICEx∞初戴冠!柊くるみ&宮城もちがタッグタイトル奪取!世羅りさがFantastICE初代王者に!トライアングルリボン新王者はラム会長!8.9(日)『横浜文化体育館大会FINAL』<全試合結果>

アイスリボンは9日、年間最大のビッグマッチ「横浜文化体育館大会FINAL」を神奈川・横浜文化体育館にて開催、鈴季すずがデビュー1年7ケ月でICEx∞初戴冠を果たした。


※オープニングで挨拶する雪妃真矢

鈴季は新型コロナウィルス感染症の影響によりタイトルマッチ挑戦が流れていただけに、勝利後には「ベルトを手に入れるまで長かった」と涙を流した。

リボンタッグ選手権は柊くるみがつくしからダイビングボディプレスで勝利して王座を奪取した。

FantastICE初代王者決定戦は世羅りさと山下りなが対戦し、蛍光灯にて山下が頭部から大流血する展開も粘りをみせたが、世羅りさがラダーからのダイビングダブルニードロップで仕留めて初代王者に。

トライアングルリボン選手権に勝利したラム会長(666)は「私が巻いたってことは666でもそういう試合ができると私は思ってるし。面白いベルトにしてやるよ」とアイスリボン以外での防衛戦を視野に入れていると語った。

真白優希デビュー戦は8人タッグイリミネーションマッチで行われ、真白は最後の2人まで残ったが、尾崎の逆エビ固めにギブアップで敗戦。

だが試合後は「すっごい楽しかった!」と笑顔を見せると、どんなレスラーになりたいかという質問には「アイスの中で見て、一番印象に残ったって言ってもらえるようになりたいです」と目標を語った。

「アイスリボン横浜文化体育館大会FINAL」
日時:8月9日(日)15:00
会場:神奈川・横浜文化体育館
観衆:観衆818人

第8試合 ICEx∞選手権試合30分1本勝負
×(王者)雪妃真矢vs (挑戦者)鈴季すず○
23分29秒 ジャーマン・スープレックス・ホールド
※鈴季すずが第31代ICEx∞王者となる

横浜文体Finalのラストを飾るのはICE×∞王座を賭けたアイスリボンの頂上決戦。剥奪期間を含めて1年7ヵ月に間、その頂点に立ってきた雪妃と、デビュー1年7ヵ月と9日で3度目の王座初戴冠のチャンスを掴んだすず。頂上決戦を制すのは、トップを走り続ける者か、トップに全力で駆け上がろうとする者か、今後のアイスの団体としての流れも大きく左右する注目の一戦だ。

先に入場したのはすず。花道を駆けてのリングイン。一方の雪妃は予告通り、笑顔を見せながら悠然と花道を歩きリングへ。絶対王者の貫録を感じさせた。

試合前、執拗に握手を迫るすずに、仕方なく応えた雪妃だが、その腕を引き込んだすずはいきなり投げ捨てジャーマンを決め、場外に雪妃を落とすと、場外へのダイビングボディアタック。さらに場外戦を仕掛けるが、雪妃も応戦し、鉄柱へすずの腰を叩きつける。リングに戻った雪妃はすずの腰を狙った攻撃を仕掛けていく。必死にこらえたすずは雪妃の蹴り足をキャッチするとドラゴンスクリュー。

さらにドロップキックの連打から雪妃の膝への低空キックを決め、グランドへ引き込む。雪妃の膝狙いのすず、すずの腰狙いの雪妃。

さらにお互いの技の読み合いと、試合はめまぐるしく攻守が変わる激しい攻防戦に。勝負に出たのは雪妃。雪の結晶でカウント2、続けてタイガードライバーを決めるも、これもすずはカウント2で返した。

フィニッシュを狙った雪妃のスノウトーンボムをかわしたすずがコーナーに上がる。これに追いついた雪妃もコーナーを上がる。コーナー上での攻防の中、すずがここで新技の変形フルネルソンバスターを雪崩式で決めた。

なんとかカウント2で返した雪妃だが、ダメージは大。このチャンスを逃さず、すずがジャーマン・スープレックス・ホールドへ。1度はカウント2で返した雪妃だが、2発目のジャーマンは肩を上げることができず。遂にすずが雪妃を破り、ICE王座を奪取した。

〈試合後のリング上〉
すず「(涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら)ベルト、ベルト獲ったーっ!長かった。このシングルのベルトを手に入れるまで、長かったーっ!鈴季すずがアイスリボンのチャンピオンです!ユキさん、やっと、やっと、あなたに勝つことが出来ました。鈴季すずのこと、認めて下さいましたか?」

雪妃「いや、凄いわ。シングル戴冠まで1年7ヵ月って、凄いわ。だけど、アイスリボンの未来を託しましたなんて大人なことは言いませんよ、私。すぐにでも取り返しに行きたい気持ち満点ですし、1年7ヵ月のあなたが巻いたこの事実で、ますます私は反逆を強めなきゃいけないんじゃないですかね?楽しみにしててよ。大した挑戦者来ないからさ、そのベルト。私が行くまで、乞うご期待!」

すず「それはあなたがこのベルトを持ってたからですよ。鈴季すずがチャンピオンになったからには、どこの団体の誰でも、そして自団体の誰でも、人間じゃなくても、このベルトを賭けてやってやりますよ、タイトルマッチ。誰でも挑戦してきてください。そこにいるあなたたちも挑戦してきてもいいですよ。ユキさん、(雪妃が帰ろうとすると)ちょっと、ちょっと、ちょっと(と雪妃を引き止め)今日ぐらいは円陣に入ってください。一緒に、一緒に、アイスリボンのラスト横浜文体を一緒に締めてください。お願いします。チャンピオンからのお願いです。」

雪妃「チャンピオンからのお願いじゃしょうがないなぁ(とリングに戻る)。」

すず「それじゃあ、今日参戦してくださった全選手、リングの上に上がって下さい。こういった、日本中、世界中がイレギュラーな、こういう状況の中、おおっ!世羅さん、ベルト巻いたんですか!」

雪妃「待って待って。Rebel×Enemyのラム会長が巻いた、でも世羅さんも巻いてるということは…。ちょっと待って…。(山下がリングに入るのを見て)血だらけだ。」
すず「こんなにもアイスリボンのベルトが動いた大会だったんですね。嬉しいです!やったーっ!こういった状況の中、自分たちが出来ることは、それは、プロレスでハッピーを世界中に届けること。だから、今日も言わせてください。アイスリボンの横浜文体ラスト大会、一緒に、プロレスでハッピー、アイスリボンで締めましょう。いきます!プロレスでハッピー!アイスリボ~ン!」

1人1人がマイクで一言叫び花道を引き揚げていく。藤本は「これが文体の景色ね!次は両国国技館だ~!」と注目発言をし、頭を抱えて退場したのが印象に残った。ステージに全選手が並び、すずが地声で「横浜文体!ありがとうございました!」

バックステージコメント

すず「アイスリボンの新チャンピオンです。鈴季すずがアイスリボンの新チャンピオンになった!やった!長かったです。このベルトへの道のりが、長くて何回、何回もう無理かもしれない、もう肩が上げれない、もう無理だ、ベルトはすずのこと愛してくれなかったんだって、何回も何回も思ったけど、それでもなぜこんなにしつこくできたかっていうのは、それは相手が雪妃真矢だったからです。雪妃真矢だったから、雪妃真矢だったから、このベルトを自分のものにできました」

–初めて巻いた青いベルトは最高ですか?

すず「それはもう最高ですよ~生まれてきた中で一番最高かもしれない。一番幸せなのかもしれない。うれしー!安心したら涙が出てきちゃった。今日はこのベルト家に連れて帰ります。これ連れて帰って一緒に寝る」

–アイスリボン最後の横浜文体のメインイベントのプレッシャーは大きかったですか?

「もちろん、キャリアが1年7カ月しかないということが…フーチャーされたというか、表にその言葉がよく出てた気がして、1年7ケ月で3度もベルトに挑戦して、果たしてそのベルトを巻けるのかっていうふうに思ってたお客さんもいるし、自分だって、自分の、鈴季すずのプロレスで横浜文体のメインが成り立つのだろうかという不安な気持ちはもちろんありました。もちろんあったけど、横浜文体のメインを諦めなくてよかったなと思います」

–相手が雪妃だったのは大きかったですか?

「雪妃真矢だったから諦められなかったですね。だって、こんなに鈴季すずのことバカにしてくるんだもん。こんなにバカにしてきて、アイスリボンをひっかき回そうとして、ただただ強くてベルトだけは持っててっていうチャンピオンが嫌いで嫌いで、なんでこの人がベルト巻いてるんだろう、なんでアイスリボンのシングルのベルトは1年7カ月もこいつの腰にあるんだろうって思ってましたよ、そりゃ。思ってたからこそ、ここまで執着できたので。今日の勝ちは雪妃真矢が相手だったからです」

–そのベルトをこれからどういうふうに輝かせていきたいと思っていますか?

すず「鈴季すずの色、イメージ、明るくて騒がしい、それを武器にこのベルトと一緒にどこの誰とでもやってやりますよ。NGなし。どこの誰とでもやってやる。ホントにここにいる記者の方でもいいですよ。いつでも挑戦してきてください。受けて立ちますから」

–一方で、誰も挑戦に名乗りを今日の時点では上げませんでしたが、アイスリボンの選手に対して言いたいことはありますか?

すず「アイスリボンの選手、みんな雪妃真矢が防衛すると思ってたんですかね今日。挑戦させろっていうことを言ってきた人、誰もいなかったですね、言われてみれば。でもそれは雪妃真矢がチャンピオンのときもそうだった。みんな、ベルトが欲しいのか欲しくないのか、挑戦したいのかしたくないのか、強くなりたいのか、なりたくないのか、強さの象徴を巻きたいのか巻きたくないのか、わからない人たちがいっぱいた。今日も鈴季すずに圧倒されてたんですかねみんな。ビビッてるんですかね、みんな。あえてここは皆さんのことを挑発しますよ。ただ、1年7ケ月のキャリアの鈴季すずがこのベルトを巻いてるということは、皆さん挑戦しやすいんじゃないですかね。だってアイスリボンには自分よりキャリアが先輩の人たちがたくさんいるんですから。誰でもかかってきてください」

–3回目の挑戦で結果的にデビューとしていろいろあった文体で初めて巻くことになりましたがそれについては

すず「そうですね。文体になんか嫌われ続けてたんですよ。デビュー戦が文体、華々しくデビューする予定がデビューできず、シングルのベルトに文体で挑戦する予定だったのが、自粛があって挑戦できず、なんでこんなに文体は鈴季すずのこと嫌いなんだろうってずっとずっと思ってたんですけど。今日、見せつけましたね、横浜文体に。横浜文体がなくなってしまう前に、ベルトを取って、横浜文体にベルトを見せつけられて。鈴季すずは横浜文体を愛してるので。横浜文体も鈴季すずのこと、愛してくれてますかー?愛してくれてるって言ってます。だから相思相愛、結果オーライ」

–(ベルト奪取まで)長かったというのは、どこから始まりました?

すず「うーん、3・14後楽園ホールで藤本つかさから勝って、その勢いのままベルトに挑戦っていうイメージが自分の中でできていたのに。ケガでもなく、欠場とかでもなく、なんかこの世の中がこういう状況になってしまって。こんな状況でホントにいつプロレスができるのかできないのかわからないという状況になってしまったときぐらいから、いや~長い、なんて長い闘いなんだろう。ベルトに対してもだし、プロレスを再開するのにもだし、いつになったらお客さんを入れて、いっぱいのお客さんの前でタイトルマッチができるんだろうって、いうふうに毎日毎日考えて考えて考えすぎて、もう長い長い長い長いって思って。そう思ったまま挑戦したけど巻けなくて結局、それからでも諦められなかったので。ベルトをこないだ挑戦して負けてから今日になるまでもめちゃくちゃ長かったです。もうずっと長かった。3月14日から今までめちゃくちゃ長かったですホントに。10年ぐらい月日を終えたぐらいの気持ちです」

第7試合 インターナショナルリボンタッグ選手権試合 30分1本勝負
(王者)藤本つかさ&×つくし
vs
(挑戦者)○柊くるみ&宮城もち
18分18秒 ダイビングボディプレス→体固め
※くるみ&もちが第49代リボンタッグ王者となる

つくしとくるみ、ここにもちを加えた10周年選手の思いと、何より2人の想いを一番理解している藤本の気持ちが今回のリボンタッグのテーマになっていた。もちろん、つくしはキャリア・リセットにより、今年、10周年とはいえない。つくしとくるみの間には大きな溝ができている。

その溝を埋めるために、藤本が間に入り実現した今回のタイトル戦。特にくるみはタイトルマッチの前哨戦すら拒否しており、その思いは相当にナーバスになっていることは明らかだった。

試合は藤本vsもちでスタートし、藤本vsくるみへ。ここで藤本はわざと何もせず、つくしにタッチ。早くもつくしとくるみの顔合わせになるも、つくしが出たのを確認したくるみはすぐにもちにタッチするなど、つくしとのからみを拒否する場面も。この行動に目を覚まさせたのは藤本。くるみに対して蹴りを連打し、さらにロープに追い詰め顔面を踏みつける。

これがくるみに踏ん切りをつけたか、10分過ぎ、遂につくしvsくるみが実現。つくしのエルボー連打を真正面から受けたくるみはボディアタック一発でつくしを吹っ飛ばす。藤本との連係でくるみを追い込んだつくしだが、くるみはこれをしのぐと、つくしとのエルボー合戦に打ち勝ってみせた。

藤本のアシストも受けながら、ソフトクリーム、ハルカゼなどくるみからの勝利を狙うつくしだが、最後はくるみがもちとの合体人でなしドライバーをつくしに決め、キッズレスラーの頃から使っていたダイビングボディプレスでカウント3。もちとのフランクシスターズでリボンタッグ初戴冠を果たした。

〈試合後のリング上〉
くるみ「勝ったぞ-っ!やっとフランクが結果を残すことが出来ました。つくし、あんた、やっぱりなんも分かってないよ。あんだけ会見で言って、ちょっとでも分かってくれたかなって思ったけど、何も分かってない。今日試合しても、元の状態には戻ることは難しいと思う。でも、色んな覚悟を持って、今日この試合に挑んできてくれたことは伝わりました。キャリアリセットしてしまったけど、そこから這い上がって来たのは知ってるし、10年やってることは変わらないと思うから、だから、今日はありがとうございました。そして、つっかさん、このカードを組んで下さってありがとうございました。」

藤本「(つくしに)プロレスやってると、生きていく中で必要なことが分かるね。くるみは、あなたも同期だよ、10周年おめでとうって言ってるんじゃないかな。ベルトは失ったけど、2人の間には何か得たんじゃないかな。ね。」

つくし「(泣きながら)プロレスラーで良かったって、今日改めて思いました。これからもよろしくお願いします(と、くるみに頭を下げる)」
※藤本がもち、つくしがくるみの腰にベルトを巻く。つくしがくるみの手を握り話しかけ、くるみが大きくうなずくシーンが見られた。

バックステージコメント

藤本「負けました。ガッツリ負けたね。人間、簡単にまたやり直せるかって言ったら難しいと思います。たった数十分ですべての気持ちが晴れるっていうのは難しいと思います。ただ、この試合にいろんな感情が詰まっていたなと思って、ホント生きてる意味みたいなのを見いだせた試合って気がしました。まだまだやることあるってことですよね、私に。まだまだやることあるんだなって思いました。文体は最後ですけど、ドロップキッカーズは最後じゃないですし。つくしは自分にとっては必要な存在だし、大切な存在です」

つくし「プロレスを辞めなくて、今日は心の底から思ったし。あの時のくるみさんの後悔、苦しみ、悲しみ、全部背負って、これからも試合に臨みたいなと思います。どうもありがとうございます。ありきたりな言葉かもしれないけど、ありがとうございます」

藤本「私はくるみとつくしがアイスリボンに居続けてくれたことがアイスリボンであり続けたとわりと本気で思ってるので。これからも途切れ、途切れかもしれないけど、2人の物語を見ていたいなと思います」

くるみ「まずベルトを取れたことは素直に嬉しいです。ベルトが凄く欲しかった。それがなぜかと言うと10周年なんですけど、なんとなく煮え切らなくて。もがいてるんですけど、上がり切らない、煮え切らないところが多くて、ベルトを巻いたら、嫌でもアイスリボンのチャンピオン。自分のために、10周年だったので欲しかった。本当に今日はありがとうございます。フランク(シスターズ)でもちから『ベルト挑戦しようよ』って言われなかったら、たぶんしなかったと思うし。自分の中でやっぱり自分の(10周年)興行をやって、一息ついてた部分もあったので。そんな時に声をかけてくれたことは嬉しかったし。ちょっとの可能性、この試合を受け入れてくれたつっかさんにも感謝しかなかったし」

もち「今までのチャンピオンが理想通りというか、カッコよくて、強くて、華があってっていうのと比べたら、私たちはじゃあ何って言われたらすっぱり答えることができない。けど、不器用だからこそ、このベルトを他所に持っていきたいんですよね。メジャー団体だったりとか、そもそもヒールの人に挑戦してきてほしいし、ゲストがあんまり参戦しないような団体の人たちにも挑戦してきてほしいので、自分たちなりのチャンピオン像っていうのをこれから作っていきたいと思います」

第6試合 FantastICE初代王者決定戦 時間無制限1本勝負
○世羅りさvs×山下りな
20分49秒 ラダーからのダイビングダブルニードロップ→片エビ固め
※世羅が初代FantastICE王者となる

チャンピオンの自由な発想でルールが作られていく新設Fantast ICE王座。その初代王者の座を目指して、世羅、山下が3カウントでのみ勝敗が決するというルールの元、激突した。

共に蛍光灯を手に入場してきた両選手。にらみ合いからのエルボー合戦から場外戦へと戦場を移行。ここで山下は入場の際に乗ってきた豊田真奈美運転のバイクの後ろに再びまたがると、世羅に向かってバイクを走らせ、バイクの加速付きラリアットを叩き込む。

さらにリングに戻るとパイプイスでの殴り合いを世羅に要求。パイプイスチャンバラから世羅のイスを弾き飛ばし、脳天にイスを振り降ろそうとするが、これをこらえた世羅は逆にそのイスを奪い、山下にフルスイング。

さらにイスの山を山下の上に作り、ダブルニーを叩き込む。ここでラダーをリングに持ち込んだ世羅はラダーからのダイビングダブルニーを狙うが、ラダーに登り追いついた山下が雪崩式ブレーンバスターで世羅を豪快に叩き落とす。

そして山下が蛍光灯の束を手にする。世羅の頭部に振り落そうとするが、これをこらえた世羅は逆に山下の頭に叩きつけ、蛍光灯が破裂。この攻撃で山下は大量流血に追い込まれた。

顔面を真っ赤に染めた山下だが、勢いは止まらない。世羅のボディに蛍光灯の束をフルスイング。さらに蛍光灯の破片の上に世羅をスプラッシュマウンテンで叩きつけようとするが、これもこらえた世羅が、逆に山下に蛍光灯を乗せてのダイビングダブルニーを決める。

さらに世羅が持ち込んだ扇形にした蛍光灯の束で山下を追い込むと、最後はラダーからのダイビングダブルニーを決め、山下からカウント3を奪い、世羅がFantast ICE初代王者となった。

血まみれの笑顔で腰にベルトを巻いた世羅は、マイクを手にすると「初代王者になったぞーっ!(リング上を見回して)マジかよ、これ。(大の字の山下に)すげーな、お前。すげーよ山下。お互いの理想のプロレス、ぶつけ合えたと思う。ありがとう!初代王者になっちゃいましたね~。世羅りさが獲ったということはどういうことか、皆さん分かってますか?ただの人間には興味ありません。宇宙人、ニセ怪人、超能力者、またはそれと同等レベルの人、かかってこいやーっ!」と叫んだ。

バックステージコメント

山下「負けたので言うことはないですね。何か聞きたいことがあれば…」

–理想としているプロレスをぶつけ合えたって気持ちはありますか?

山下「勝って、そのセリフを言う権利があると思うんで。私は勝ってベルトを持った姿で理想のプロレスが完成です。なので、今日の私は未完成です。あと一歩が届かなかったのが私の弱み」

–かなり流血していますが世羅選手がここまでやってくると想像していましたか?

山下「私がここまでやってあげたんだよ。負けは負け。次は勝って自分の理想のプロレスをやりたいなと思います。そのために、一つ上のプロレスを目指していく。女子でデスマッチとかハードコアとかまだ口に出していないだけでやりたい人はいると思うんですよ。チャンピオンに挑戦しづらかったら、まずは私でいいですよ、それぐらいでいいよ、誰でもかかってこいよ。ノンタイトルでいつでもやってやるよ。とりあえず、まだまだ一つ上の、二つ上のデスマッチファイターになるための次の一手を考えてる。近々発表できると思うんで楽しみにしててください。これからが楽しみなのはチャンピオンだけじゃないぞ。横浜文体、最高!」

世羅「正直、プロレス人生で一番嬉しい。山下って自分にとって初めて思いっきりぶつかることの楽しさを教えてくれた。そんなヤツとシングルを何度も重ねて、すごく成長してきた。後輩に成長させられるって先輩としてどうなんだよって思いますけど、山下は先輩後輩とかそういう次元じゃない。山下は山下。永遠のライバル。そんなヤツと戦えたことは嬉しく思います。勝ててよかった。強いよ、アイツ!心折れそうになりながらも声援が聞こえて、最後は”大”山下コールでしたね。そんな山下と戦えたことは誇りです。そんな山下に勝って初代チャンピオンになったからには引退するぐらいまでベルトを離さないと言われたいですね」

–次はどんな試合に?

世羅「これはこれですから。次は全然違うルールになるでしょうし、相手によってやりたいことはいっぱいあるので。いろんなルールをやってみたい」

–白いベルトはデスマッチカラーではないということですか。

世羅「今日、すでに赤く染まっちゃったんですけど、赤だけじゃない。もっといろんな色に私がするんじゃない。もっといろんな人と防衛戦やって、いろんな色に染めていきたいです」

⇒次ページ(第5試合~第1試合)

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