【熱い男!大谷晋二郎インタビュー】4・22初代タイガーマスク40周年記念大会で大谷晋二郎が高岩竜一と久々のタッグ結成!ケンドー・カシン&田中稔との対戦で“あのときの新日本”を再現?!

 4月某日、今月22日に後楽園ホールにて開催される『ストロングスタイルプロレスVol.10 ~初代タイガーマスク40周年記念大会第1弾~』に出場するプロレスリングZERO1の大谷晋二郎に話を聞いた。

初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.10
~初代タイガーマスク40周年記念第1弾~
日時:2021年4月22日(木)開場:17時30分/試合開始:18時30分 
会場:東京・後楽園ホール

【対戦カード】
<セミファイナル タッグマッチ30分1本勝負>
ケンドー・カシン(はぐれIGFインターナショナル)&田中稔(GLEAT)
vs
大谷晋二郎(プロレスリングZERO1)& 高岩竜一(フリー)

 大谷は、初代タイガーマスクが新日本プロレスを離れた後の1992年にデビューし、後に“第三世代”と呼ばれる黄金世代の中でジュニアヘビー級の一時代を築き、ジュニア七冠王の達成や、盟友・高岩竜一とともに初代IWGPジュニアタッグ王座を獲得するなど活躍。
 
 その後、自身が付き人を務めていた橋本真也さんに追随してプロレスリングZERO-ONEに移籍。橋本真也さんが逝去されてからはZERO1-MAX、ZERO1を率いて奮闘しており、靖国神社での奉納プロレスを復活させたり、日本全国を回ってチャリティープロレスを行う『一般社団法人あなたのレスラーズ』を設立したりと大谷のプロレス界への貢献を挙げれば枚挙にいとまがない。そのプロレスに対する真摯な姿勢と熱い魂には誰もが一目置いている。

 今大会では、大谷晋二郎&高岩竜一vsケンドー・カシン&田中稔のタッグマッチで参戦。初代タイガーマスクが新日本を去ったあとに新日本ジュニアを支えてきた4人が集う試合であり、大谷は2020年5月に高岩がZERO1を退団し袂を分かってからは初のタッグ結成。対戦相手のカシン&稔も同じ時代の同じ階級で数多の王座を巡って闘ってきた同世代の盟友だ。“あのときの新日本ジュニア”が蘇るこの一戦にかける大谷の想いを聞いた。

――今大会は、初代タイガーマスク40周年記念大会シリーズの第1弾として行われます。改めて、初代タイガーへの想いを聞かせて下さい

「今の若いレスラーは分からないけど、恐らく我々世代のレスラーはもうみぃ~んな憧れていた存在ですよ。アントニオ猪木&タイガーマスクってのは、多分みんな憧れて通ってきた道。プロレスラーとして何年やってても、近付いただけで感じるオーラとかに圧倒されます。実は僕、この団体の旗揚げ戦のときに初代タイガーマスクさんとやらせていただいているんですよ(※旗揚げ戦では佐山サトルが「スーパー・タイガー」の名で出場)。それまでは佐山さんとあんまり接点がなかったんですけど、なぜかあのとき指名されたんですよね。『大谷晋二郎とやりたい』と。願ってもないと思ってお受けして、リングに上って対角線に立ったときに、目の前にタイガーマスクがいて……。本当にもう、夢を見てるみたいでしたね。『あのとき見たタイガーマスクが目の前にいる!そして僕がこれから闘うんだ!』って……。僕が何年キャリアを積んでも、いつまでもいつまでも憧れの人ですね。そういう存在です」

――レジェンド王者として35周年記念大会のメインイベンターも務められました(※タカ・クノウ戦。大谷が初防衛に成功)。今回40周年大会のセミファイナルで試合をすることについてどう思われますか

「節目節目で呼んでいただけるのはありがたいですよね。光栄なことですよ!『この試合なら』って思って組んでいただいたんだろうけど、僕は今までのプロレス人生の中で、もし言ってたら申し訳ないんだけど、試合順に文句つけたこと1回も無いですよ。よく言うじゃないですか。『なんで俺がメインじゃないんだ!』とか。僕はそういうのにはあんまり興味がなくて、たとえ1試合目でも2試合目でも、試合をするわけじゃないですか。お客さんが会場を出るときに『大谷の試合が最高だったな!』って思ってくれたら、それがメインだと思うんで。セミで組んでいただいたのは本当に光栄なことですけど、『だから頑張ります!』ではないですね。『何試合目でも頑張ります!』が僕の理論ですね。心のメインはお客様が決めることなので、そうなれるような試合を目指します!」

――今回のカードは、初代タイガーマスクが新日本を去ったあとに新たな時代を創った4選手が揃っています。大谷選手も新日本ジュニアで輝かしい結果を残してきました

「そう言っていただけるのはありがたいですけど、それはライガーさん(獣神サンダー・ライガー)がいてこそですからね。ライガーさんという絶対的な人がいて、ライガーさんと毎日のように戦わせてもらう中で、それを見ていたファンの方がそう言ってくれるんだろうなあと思いますね。これはもう謙遜するわけでもなんでもなく、僕1人だけで創ったなんて到底思わないし、絶対的なライガーさんがいて、エル・サムライ、ケンドー・カシン、金本浩二、高岩竜一、田中稔、大谷晋二郎とかがいて初めて出来たことですから。未だに言っていただくことも多いんですよ、『あのときのジュニアは良かった』って。何年経っても誰かに思い出してもらえる時代の1人と思っていただけることは嬉しいですね」

――その一時代を築いた時代の選手が集まったこの試合に特別な熱い感情を持って見るファンも多いと思います

「色んな感情を持って観戦してくれる方が多いのは本当にありがたいことですけど、『みんながこう見てるからこう戦おう』とか、そういうのは考えない4人じゃないですかね。4人ともキャリアはかなりある選手ですので、自分のスタイル・試合を崩さず闘うと思いますね。そのそれぞれの試合を見てどう思われるか分からないですけど、楽しんで見てもらいたいですね」

――今回のパートナーは、盟友とも呼べる高岩選手です。今年のチャンピオン・カーニバルで佐藤耕平選手との対戦が決まった際には「『こんなに早く来たのか!』という気持ち」と語っていらっしゃいました。高岩選手と久々に同じコーナーに立つことについてはいかがでしょう

「高岩がZERO1を辞めてから、恐らく組んでないですよね。でもプロレス界ってのは狭い世界なんで、絶ッ対また闘うときが来る、組んだりするときが来るとは思ってたけど、『意外と早く来たなあ』って(笑)耕平とのときも思ったけど、なにかキッカケがあればまた繋がるんですよね。だから、高岩にも耕平と似た感覚を覚えますね」

――耕平選手とチャンピオン・カーニバルで対戦するにあたっては「『ZERO1で見たお前の知ってる優しい大谷晋二郎じゃないぞ』と言いたい」と語っていましたが、高岩選手についてはいかがでしょう

「高岩への気持ちは、耕平に対しての気持ちとは違いますね。アイツは多分、誰も知らない大谷晋二郎を知ってるし。そういった意味で、数ヶ月接点はなかったけど、『お前の知ってる変わらない大谷晋二郎がいるよ』っていうのは伝えていきたいですねアイツがどう思ってるか分からないけど、僕の中には恨みつらみなんて一切無いですよ。かけがえのない選手ですよ、僕にとって……。アイツだけなんですよ、新日本に同じ日に入門してまだこのプロレス界に残ってるのは。永田さん(永田裕志)、石澤さん(石澤常光。後のケンドー・カシン)、中西さん(中西学)って同じ年に入った人はいますけど、日は違いますからね。
高岩がZERO1を離れたときに色々勘ぐる人もいましたけど、面白いくらい僕と高岩の中にはなんにもないですよ(笑)今でも、会場の控室で会ったりしたら『よう、高岩!元気?』って話しかけますし(笑)高岩は、どれだけ離れていてもいつでもタッグ組めるし、いつでも本気でやり合える存在なんですよ、僕の中で。カッコつけるならば、他の誰にもわからないものがあるんですよ、僕と高岩には。そういう意味でアイツと組むのはなんの不安もないですね」

――そして、カシン選手もストロングスタイルプロレスやNOAHでその独特な存在感を発揮していますが、カシン選手についてはいかがでしょう

「最近、どっかで当たりましたね。僕の記憶が確かであれば、2018年12月28日に後楽園でやった長州さんの大会(長州力プロデュース大会『POWER HALL』)の第4試合、4vs4だったかな?色々なメンバーが入ってて、一番最初に僕とカシンが当たったのを覚えてますね。それ以来ですかねぇ。カシンこそ、昔も今もなにするか分からないというか、掴みどころがないというか……それがケンドー・カシンなんでしょうからね。カシン本人も『ケンドー・カシンとはどうあるべきか』って自分でも分かっているんでしょうね。掴みどころがない、何をしてくるかわからない怖い選手だと思っています」

――そのカシン選手とどのように闘っていきますか

「カシンはどう出るかわからないけど、僕はまっすぐ行きますよ。僕らが新日本でやったときもそうだったし。真っすぐ行った中で、カシンがたまにちらっと見せる、一瞬でも気を抜いたら殺されてしまいそうな動き、眼光っていうのがいつ出てくるかわからないから、カシンがどう出てきても気を抜かずに相対しないといけない相手ですね。カシンもね、本当に強いからこそああいうおちゃらけが出来るんですよ。惑わされず、気を抜かずに行きたいです」

――カシン選手とタッグを組むのは、田中稔選手です。稔選手とも同時期の新日本ジュニアでしのぎを削っていた選手だと思いますが、今回の4人の中では格闘探偵団バトラーツから参戦する唯一の他団体の選手でした。あの頃の稔選手について振り返ってみていかがですか

「当時はバトラーツから新日本ジュニアに上がっていましたけど、僕のイメージではいい意味で『すぐに打ち解けたな』って感じはしました。逆にすごいなって思いましたよ。適応力と言うか。逆に僕も驚くこといっぱいあったし、僕にも刺激になったし。すぐに溶け込んでいったのはスゴイと思いましたね。僕の知ってる選手の中では、もしかしたらU系と、いわゆる純プロレスを一番うまくミックスさせてる選手かもしれないですね。本人がどう思ってるかわからないけど、僕の中では、“田中稔プロレス”を確立している選手だと思いますね。キャリアもあって、色んな修羅場をくぐって、色んな舞台に立ってきている素晴らしい選手ですよね」

――稔選手とはZERO1でもジュニア二冠王座を巡って大谷選手と争うなど長い付き合いになっていると思います。今の稔選手についてはどう思われますか

「稔選手とは、タッグでもやってますよね。二冠でも闘ったし、高岩と組んでジュニスタ(金本浩二&田中稔)とタッグでもやってますよ。僕の記憶が確かであったら、3,4年前の名古屋大会だったかな?(※2017年5月12日、名古屋市露橋スポーツセンター大会。金本浩二&田中稔vs大谷晋二郎&高岩竜一)そういえば、あの試合も“あのときの新日本ジュニア”って感じでしたね。そのZERO1での試合でぶつかって以来、彼の試合を見てはいないので今現在の田中稔についてはなんとも言えないですけど、僕の想像というか、ほぼ確信めいたものはあるけど、『昔のままのスゴい田中稔がいるんだろうな』って。彼に関してはプロレスの技術、動きに衰えは恐らく無いんじゃないですかね。年齢的に同じくらいですけども。彼はスゴいものがありますよ。田中稔はスゴいです。今回、こうした形でまた田中稔と戦えるのは嬉しいですよ」

――今年も3分の1が終わろうとしていますが、20団体が集まった奉納プロレスを成功させ、カーベル伊藤選手とのチャリティー団体『カーベル・プロレスリング』の創設、チャンピオン・カーニバルへの初出場決定など今年は多くの話題があります。大谷選手もデビュー30周年を来年に控える長いキャリアを持ちながら飛躍の年になっていると思います

「偉そうに聞こえるかもしれないですけど、僕が何年もかかって少しずつ植えてきた種の芽が出始めてるのかなって思ってるんですよ。ありがたいことにチャンピオン・カーニバルに出させていただくことになりましたし、チャリティーを十何年やってきたら今まで出来なかった色んな場所を提供してくれるカーベルさんって方が手を挙げてくれた。靖国神社でも15年以上続けたからこそ、あれだけ多くの団体さんが出てくれた。
ウチに永尾っていう若いヤツ(永尾颯樹)がいるんですけど、僕のチャリティーを見てプロレスラーを目指したって言うんですよ、アイツ。新潟プロレスの鈴木くん(鈴木敬喜)って子も、新潟のチャリティーを見てプロレスラーになりたいって言って、夢叶えたんですよ。僕も、そういう子と試合をすることが出来ているんです。『継続は力なり』よく言うじゃないですか、続けてきたからこそこんな素晴らしいことが起きている。十何年前から植えてきた種の芽が出始めているんです!地道にやるべきこと……プロレスの力を信じてやってきたことの芽が出たのだったら、僕はその芽を育てて、花を咲かせて、実を結ばせたいと思うんですよ。
 自分で言うのもアレですけど、真摯に頑張ってきたことで芽が出たのなら、『世の中って捨てたもんじゃねえなあ』って思うし、臭い言い方だけど、最後に大谷晋二郎が報われたら喜んでくれる人がいるんじゃないかなって。僕の独りよがりかもしれないけど。そういう生き方をしたいですよね。『頑張ってきて良かったね』『続けてきて良かったね』って人に言ってもらえる生き方をして、それを見た人が『プロレスってスゲェだろ?!』って、プロレスを知らない人に伝えてもらえるようなレスラーになりたいですねぇ」

――まだまだプロレスラー・大谷晋二郎としては道半ば

「レジェンドの方に比べたらまだまだひよっこだけど、折り返し地点はとうに過ぎてるんでね。でも、プロレスラー・大谷晋二郎の使命ってあると思うんです。プロレスって、これから何十年経っても絶対に残っていなきゃいけない文化なんですよ。僕は今この時代にプロレスラーとして生まれたのだから、次世代のプロレスラーに繋がないといけないですからね。『プロレスはただやるだけじゃなくて、プロレスで伝えられることはいっぱいあるんだよ』って伝えないと。生きた試合、生きたプロレス……何十年経っても生き続けるものを残したいです。今一緒にやらせていただいている大日本プロレスさん、2AWさんとは競い合いながらもそういう思いを共有できてると思うんですよ。そうやって頑張っていって、花を咲かせないとね」

――改めて、この試合を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします

「今ホントに大変な世の中で、皆さんは本ッ当に毎日頑張ってると思うんです。大変な毎日をいろいろなものを我慢しながら頑張ってる。我々プロレスラーも色んなものを制限されていますけど、プロレスラーが伝えられることって僕はあると信じてるし、プロレスの試合が伝えられることって絶対あると思ってるんで、このストロングスタイルプロレスの大会でも、他の選手も同じでしょうけど、僕は一生懸命プロレスをしますんで!一生懸命なプロレスから『負けないぞ!』とか『何度でも立ち上がるんだ!』って気持ちを感じてもらいたいですね!お客さんも今は声もあんまり出せないし、いろんな制限もあるかもしれないけど、一生懸命プロレスをするんで、ご来場してくださったお客様には、声を出せないかもしれないけど感情のままに、プロレスを楽しんで欲しいです!心からご来場をお待ちしています!」

初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.10
~初代タイガーマスク40周年記念第1弾~
日時:2021年4月22日(木)開場:17時30分/試合開始:18時30分 
会場:東京・後楽園ホール

【全対戦カード】

<レジェンド選手権試合 60分1本勝負>
【王者】スーパー・タイガー(第15代王者/ストロングスタイルプロレス)
vs
【挑戦者】河野真幸(フリー)

<セミファイナル タッグマッチ30分1本勝負>
ケンドー・カシン(はぐれIGFインターナショナル)&田中稔(GLEAT)
vs
大谷晋二郎(プロレスリングZERO1)& 高岩竜一(フリー)

<UWAアジアパシフィックヘビー級選手権試合 60分1本勝負>
【王者】間下隼人(第4代王者/ストロングスタイルプロレス)
vs
【挑戦者】将軍岡本(ブードゥー・マーダーズ)

<女子スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負>
ジャガー横田(ワールド女子プロレス ディアナ)&伊藤薫(フリー)
vs
雪妃真矢(アイスリボン)&安納サオリ(フリー)

<シングルマッチ 30分1本勝負>
村上和成(フリー)
vs
阿部史典(プロレスリングBASARA)

<タッグマッチ 30分1本勝負>
スーパー・ライダー(ストロングスタイルプロレス)&日高郁人(ショーンキャプチャー)
vs
伊藤崇文(パンクラスism)&頓所隼(フリー)

※対戦カードは予告なく変更となる場合あり。

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