【新日本】棚橋NEVER陥落、ジェイは史上初の4冠制覇!タイチがついにアイアンフィンガー奪還!5.3福岡大会<全試合結果>
▼第5試合 時間無制限1本勝負
アイアンフィンガーフロムヘル争奪ラダーマッチ
タイチ 〇
vs
タマ・トンガ ×
※リング上に吊るされたアイアンフィンガーフロムヘルを獲得した選手を勝者とする。なお獲得したアイアンフィンガーフロムヘルは封印する。
27分11秒 アイアンフィンガーフロムヘル獲得
■タイチのマイク
「オイ、これでコイツ、最後なんだろ?最後なんだろ?最後ぐらい、こいつの曲を流してやってくれよ」
ここで飯塚高史のテーマ曲が場内に流れた。
◆試合後バックステージコメント
タイチ「(※アイアンフィンガーを手に引き揚げてくる。ザックとDOUKIがあとについてくる。2人に向かって)サンキュー」
ザック「タイチ、スゴイ、スゴイ、スゴイ! お前ヤバいよ。大丈夫か? 怖いものなしだな」
タイチ「(※片ヒザを着いて)なんにも覚えてない。(※手にしていたアイアンフィンガーを見つめながら)戻った、戻ったぞ。これでもう、俺らにすべてがそろった。すべての準備ができたぜ、俺らに。もう次はタッグタイトルだ。それ一つだけだ。な、(※DOUKIに向かって)おめえもだ。タッグかもしれねえけどな、おめえもだ。今日、おめえがいなかったら終わってたよ、試合。ザックもそう。ザックがいなかったら終わってた。やっぱり俺はこれだ。俺はこの2人に助けられてよ、そしてこれ(アイアンフィンガー)に助けられて、やってきたんだよ。飯塚が引退した時……いや、引退したか知らない。俺は約束したんだよ。俺がこれを持ってないと、あいつは戻ってこれねえだろ? これまでなくしちまったら、あいつほんとに消え去るだろ? 俺はいまだに引退したとは思ってねえんだ。ひょっこりどっかに現れんだろ? どっかで見てんだろ? な? そのために俺が持ってなきゃいけねえんだ。(持ってないと)あいつの居場所がなくなる。今後はな……今日はなんも考えたくもない。とりあえず(アイアンフィンガーが)戻ってきた。これで……」
ザック「これでタッグ王座の挑戦は決まったし、アイアンフィンガーも戻ってきた。さて次は“CHOADS OF DESTINY”を片づけて、その後はNEVER6人タッグのベルトに挑戦しようぜ。俺たち3人のチーム名は、“LOS LOCOS DANGEROUS TEKKERS”なんかはどうだ」
DOUKI「LOS LOCOS DANGEROUS TEKKERS……グッドアイデア」
ザック「俺のスペイン語のレベルは低いからな。DOUKI、お前がもっと良い名前を考えてくれるか。本当にスペイン語は難しいよ。日本語もあんまりうまくないけど。かといって別に気にしてないけどな」
タイチ「(※右腕にできた傷を見て)もう2度といいぜ、(ラダーマッチは)。クソッ……」
ザック「すごい傷だな、すごいひっかき傷だ」
タイチ「救急車だ、救急車。救急車呼んでくれ」
DOUKI「(※某記者に向かって)お前が呼べ」
タイチ「早く呼べよ」
ザック「スコシ、ハイボール? ちょっとだけ」
タイチ「今日はな。飲みましょ。俺あはもう、次のステップ。ネクスト・ステップ。G.o.Dはもう……」
ザック「タッグベルトはもう目の前だ。ファン、引き続き応援を頼んだぞ。俺たちがG.o.Dを叩きのめして、これからはもう、つまらないあいつら2人の試合を一生見なくて済むぞ。それでタイトルマッチはいつになるんだ? 2週間後か? そんなに待てない。明日はどうだ? ヨコハマかトーキョードームは遠すぎて待ってられない。明日でいいだろ。至急カードを変更しろ。まだ力も有り余ってるからな」
タイチ「明日だ」
ザック「アシタネ。アシタ、イイネ? アシタ、イイネ?」
タイチ「あいつらのことだ……」
ザック「やっと俺たちの元にベルトが戻ってくるぞ。
タイチ「長かった、これ盗られてから半年。次こそ、G.o.Dと邪道……。ZIMA持ってこい。乾杯だ。どっかのクソヤローが一口もつけなかった。ZIMAさんに失礼だろう。俺が一気飲みしてやる、持ってこい、コラ。
ザック「ZIMAはないのか? 誰か用意しろよ」
タイチ「タッグタイトルのときは用意しとけ……」
ザック「もちろんキンキンに冷えたやつでな」
※タマはバックステージを這ってコメントスペースにやってくる。しかし扉を開けたところで力尽きて大の字に。そのまま言葉を発せず。
試合のダメージから全身に痛みが走るのか、時折『ウウッ』とうめき声をあげる。上半身を起こして壁にもたれかかろうとするが、それでもコメントできず。仕方なく無言のまま、ゆっくり立ち上がると、壁伝いに控室に向かっていった。
▼第6試合 60分1本勝負
NEVER無差別級選手権試合
<第32代チャンピオン>棚橋 弘至 ×
vs
<チャレンジャー>ジェイ・ホワイト 〇
39分01秒 ブレードランナー→片エビ固め
※棚橋が2度目の防衛に失敗。ジェイが第33代チャンピオンとなる。
■ジェイ・ホワイトのマイク
「シーッ。オマエらの拍手なんて侮辱と同じだ。そんなものはいらない。タナ、オマエは最近繰り返しこう言っていたよな? ツジが着てるTシャツにもハッキリ書かれてる。’NEVER MIND, NEVER QUIT, NEVER GIVE UP’。そうだろ、ユーヤ? バカだからわからないか。’NEVER MIND, NEVER QUIT, NEVER GIVE UP’……。
タナ、教えてやろう。もうこのベルトはオマエの物じゃない。だから’NEVER MIND'(もう気にしなくていい)。タナ、’NEVER QUIT’と言ったって負けたんだから、やめたも同然だ。タナ、そしてオマエは完璧に’GAVE UP'(ギブアップ)した。それから、やめると言えば……タナ、このときが来たぞ。オマエ自身も見てるファンも誰一人認めたくないよな。でも、タナ、去るべきときが来たぞ。俺は宣言したとおりオマエからベルトを獲った。だからオマエはもうやめろ。
このベルトだが……、人生は予期せぬ出来事の連続だ。次に何が起こるかなんて誰にも予測できない。だから、いまこの瞬間を精一杯楽しんだほうがいい。オマエたちは歴史的瞬間の目撃者だ。そうだ、俺はこのベルトを獲りまた新たな歴史を創った。俺はIWGP USヘビー級、インターコンチネンタル、IWGPヘビー級、そしてこのNEVER無差別級のベルトを獲り、4冠制覇を達成した!
これで俺も正真正銘の”ベルトコレクター”だな!誰かが気に入らないと言うなら、ここへ来ればいい。俺はここにいる。教えてやろう! 俺は、’LAST ROCK N’ ROLLA’、いまプロレス界で話題の中心にいる、そして一人の力でMSGを完売させた、KING SWITCHだ!
そして現NEVER無差別級チャンピオンであり、史上初のクォドループルクラウン(4冠王)だ! オマエたちは全員スイッチブレードと呼吸する運命にある。 STILL MY ERA!」
◆試合後バックステージコメント
ジェイ「(※足を引きずりながらコメントスペースにやってくる。あとをついてくる外道が拍手して勝利をたたえる。用意されていたイスに座り)なぜ誰も、俺に拍手しない? ゲドー、やったぞ!」
外道「初めからこうなるとわかってた」
ジェイ「誰一人として俺の言葉を信じようとはしなかったけどな」
外道「(※用意されていたZIMAを手にして)カンパイ、チャンプ!」
ジェイ「そうだ、俺はチャンプだ。最後にこれ(ZIMA)を飲んだ時は生ぬるかったが、よく冷えたZIMAはたまらないな。あれはイブシが『G1(CLIMAX)』を優勝した時のバックステージだった。だがあいつは”ホンモノ”の『G1』優勝者じゃなんかじゃない。見せかけだけのニセ物だ。イブシはいつも『逃げない、負けない、あきらめない、裏切らない』と言ってるが、ウソつきだ。あいつは(オスプレイに)負けたし、タナのようにギブアップしてあきらめた。そしてファンの意に反し、二つのベルトを統一し、裏切った。お前ら、誰も納得していなかっただろ? 俺は最初から(飯伏が裏切ると)忠告していたのに、俺の言葉に耳を傾けようとしなかった。どうして俺の言葉を信じないんだ? 俺はNEVERのベルトを獲って4冠王になると宣言し、その通りのことをした。でも、お前ら誰も信じようとはしなかっただろ? タナ、俺が6歳だった頃の話をお前にしてやろう。当時の俺の夢は何だったと思う? その時の夢はプロレスラーじゃなかった。プロレスって言葉すら知らなかった。俺の夢は重機オペレーターだった。親が運転する車の後部座席から工事現場を眺めるのがいつも楽しみだった。そして両親に『大人になったらショベルカーを運転する人になりたい』と言った。そして、子供用の砂場で遊べるショベルカーを買ってもらった。俺が育ったオークランドは坂道が多い街で、学校へ向かうバスの中でも窓から見える山道を眺めながら、大人になって土を掘る自分の姿を夢見てたものだ。タナハシ、これを聞いて俺の夢がそのまま変わらなければよかったのにと思ってることだろう。そしたら、プロレスラーになってお前の前に現れることもなく、お前も俺に苦しめられることはなかったよな。さて、勝敗はこれで5勝2敗か6勝2敗に更新されたはずだ。タナ、お前はもう終わりだ。お前は一度だって俺より強かったことはない。そしてこれからも、お前は俺を越えられない。IWGPヘビー級王者から陥落させた俺が、今度はお前をNEVER無差別級王者から引きずり下ろしてやった。もう一生、お前が俺に勝てることはない。そしてお前にリマッチもさせてやらない。
こうしてチャンピオンになったことだし、さすがのニュージャパンも俺の要求を聞かないわけにはいかないだろう。俺はたった今、史上初の4冠制覇を成し遂げたんだぞ! ニュージャパン、ここで俺から挑戦者を指名させてもらう! タグチ! いや、違う……タグチは2番目に挑戦させてやる。もう一人、頭に浮かんでるヤツがいる。その相手は俺たちの抗争は終わったと言っていた。オカダがタナハシを倒した時のことは“レインメーカーショック”として語り継がれているが、ニュージャパンの歴史の中で最もショックな出来事は、『NEW JAPAN CUP』でデビッド・フィンレーが俺を倒したことだ。フィンレー、お前は決着はついたって言ってたよな? でも勝敗を見れば、お前は2勝12敗。俺に大きく負け越している。恥ずかしくないのか? 決着なんてついてない。ベルトを懸けてお前の相手をしてやると言ってるんだ。デビッド、どうだ? チャンピオンの俺がお前を一人目の挑戦者に指名してやってるんだ! このギフト、受け取るに決まってるよな? お前はまた“ショック”を起こせるのか? いや、次はお前が勝てるわけがない。デビッド、お前は本気で俺たちの抗争は終わったと言ってるのか? 重機オペレーターにならなくてよかった。もし俺がこの団体とプロレス界に存在していなかったら、どうなっていたことか。まだ多くのファンが、俺がどれほどこの団体とプロレス界にインパクトを起こし、貢献してきたのか気づいていない。でも俺も、いつかはレスラーを引退していなくなってしまうんだぞ。引退後はやっぱり重機オペレーターを目指そうかな。将来、俺がいなくなった頃には、お前らみんな俺が恋しくなって、現役時代にちゃんと見ていればと後悔するんだぞ。それから HAPPY BULLET CLUB DAY。カンパイ。質問はあるか? お前ら日本人記者たちはいつも質問ばっかりしてるくせに、俺が勝った時は何も聞いてこない。ハシヅメ、お前は質問があるのか? 俺はたった今、4冠王の座に君臨し、歴史を動かしたんだぞ。それなのにお前らときたら、少しも敬意を表さない。ゲドー、手を貸してくれるか?」
外道「(※ジェイを起こすと、控室に向かいながら)ユーヤはどこだ?
棚橋「(※コメントスペースにたどり着くなりフロアにうつぶせに突っ伏す。しばらく無言ののち)はあ……これが、これが時代が変わっていくってことか……。はあ…………悔しいな……。悔しいな。また、NEVERのベルト……なんもできなかったな……。
(※ゆっくり立ち上がり)NEVERの精神を、もう一度、取り返して、トライします。それしかないな……」
<写真提供:新日本プロレス>
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