中島安里紗「高橋奈七永に”中島に任せた”と言わせる最後のチャンス」SEAdLINNNG~2021年最終戦~に向けて③
SEAdLINNNGのBEYOND THE SEA Single Championshipの次期挑戦者の中島安里紗がプロレスTODAY編集部に来社。
王者の水波綾に対するベルトを巡る思いと年末決戦への意気込み、そして退団する高橋奈七永に対しての深い思いをインタビューした。
――王者・水波選手に対する気持ちのこもったノートを出しましたが、水波選手からは「その気持ちが伝わってない」という厳しいコメントがありました。2回目の挑戦ということもあって、大きな意気込みを持って挑む一戦になると思います。
中島安里紗(以下、中島) はい。
――この年の瀬に、チャンピオンベルトを持って年を越すか、ベルト奪取に失敗して年を越すのでは1年の印象が違うと思いますが、いかがですか?
中島 私は今まで自分のプロレス人生の中で大事なところを勝ってきた人間だと思うんですけど、今年1年は大事なところで負け続けてきたので。「終わりよければ全てよし」というわけではないですけど、でも最後はきっちり勝って終わりたいなと思います。年末だからとか、再戦だからとかいろんなものがありますけど、それより高橋奈七永がここで最後というのが大きいです。今まで高橋奈七永に「中島に任せる」とか「頼んだよ」と言われたことがないんです。何度も欠場してきてる中で、他の人にその気持ちを持っていかれることが多くて、自分に任されたことが今まで一度もないので、これが最後のチャンスというか、そう言われる最後のチャンスだと思うので、勝たないと。何よりも勝ち負けが私はプロレスで一番大事だと思ってるので、きっちり勝って、と思います。
――高橋選手から今までそういう言葉がなかった要因はご自身で考えられる部分はありますか?
中島 責めてるんですか?(笑)
――決して責めてはないですけど(笑) 何かご自身で分析されてることがあれば。
中島 ちょこちょこ言われてることですけど「負けたらすぐリングを去ってしまう」とか、最後までその人が立ち続けることがエースである。人間の義務というか、負けてもそこに立ち続けるという、そういう部分が自分には足りないところなんだと思いますけど。でも難しいですよね…
――「真の女子プロレス継承者」という発言をされていましたけれども「私こそが本当の意味での女子プロレスの本流を今背負っている」という自負があると思いますが、その自負はSEAdLINNNGという場所だからこそ発言が出たんでしょうか。
中島 自分がそう思ってるからこそSEAdLINNNGに来たっていう感じですね。SEAdLINNNGにいるからじゃなくて、だからSEAdLINNNGに来たっていう方が、合ってると思います。
――実際、SEAdLINNNGに入って、常にベルト戦線でも活躍してきた中で、振り返ってみていかがですか?
中島 前の団体でずっとエースで居続けて、そこからまたSEAdLINNNGに来て、すごい悔しい思いもしてきたし、今までに感じたことのない感情も学んだし、人としてもプロレスラーとしてもすごい成長できたなと思います。いっぱい悩んだし苦しんだし。でも、多分それを自分自身が欲してたからここに来たと思うし、何一つ間違ってたとは思わないです。
――なるほど。中島選手の気概というか負けん気の強さに、女子プロレスの良さが表れてると思うので、そういう発言が聞けて嬉しいです。
【高橋奈七永選手の退団について】
――高橋奈七永選手の退団について、改めて思うことはいかがですか?
中島 なんていうか…
――まだ心の整理がつかないですか…
中島 自分はずっとシードに入る前からずっと奈七永さんと戦いたいと思ってたし。(涙がこぼれる)すいません…やっぱりずっと勝ちたい相手で。それは自分の女子プロレス人生通してずっとそうだったので。
――感情の整理がまだついてない状態ですね。
中島 強い高橋奈七永が好きだし。自分は高橋奈七永に勝ちたかったけど。自分に負けてる高橋奈七永は見たくなかったし。でも自分は一緒に戦ってく中で強くなって、高橋奈七永に勝ってとかいろいろあって。でも自分の中ではまだまだ大きい存在で。いろんなことが、例えば初めて彩羽選手に挑戦したときも奈七永が負けてムカツクから行ったし、いろんなことの引き金やキッカケになっていることが、常に高橋奈七永がそこにいたので、何かそういうものも自分はもう卒業しなきゃいけないなって思うし…
――今後、高橋奈七永選手が退団してSEAdLINNNGという団体を各選手が背負って立つという部分でプレッシャーもかかってくると思いますが、その点について今の心境は?
中島 選手が少ない中でやっていかなきゃいけないっていうのもあるし、高橋さんという大きな柱はなくなる。うちらだけじゃなくてお客さんがすごい心配してるというか、でもそんな心配させちゃ駄目だなって思うし、なんかそれも反省だし、そういうのを(海樹)リコとかに背負わせるのも違うと思う。もっとみんなが安心して頑張れる、ついてこれるように自分がもっとしっかりしなきゃなと思う。でもSEAdLINNNGの普段参戦してくれてる選手はみんな普段は敵なんだけど、SEAdLINNNGがどんな団体かっていうのをすごくわかってくれてるし、そういう戦いをしてくれてるので。自分も考えつつ、でも自分がもっと伸び伸び戦わなかったら、自分のプロレスは伝わらないと思うしという感じですね。
――思いがあふれるというのも含めての覚悟、お客さんを背負い引っ張っていく、団体も引っ張っていくという部分も全てを含めて、改めてエース宣言という認識でよろしいでしょうか?
中島 はい。
――まだ復帰されてない世志琥選手も戻ってくると思いますし、まだまだSEAdLINNNGはリングは熱くなっていくと思います。
中島 必ずそうします。
――最後に2022年の目標について。年末のビッグマッチが残ってますが、それを含めて2022年をどの様に過ごしていきますか?
中島 みんなが心配している中で、もっとしっかりする。
――団体を背負って、自分がさらに大きくするという…
中島 そうです。そういうイメージをして、選手としてはキャリア的にトップになるので、しっかりしないとなと思うし、戦う気持ちを忘れずにいたい。変に大人にならずに、自分をしっかり残しつつ、ちゃんとする。そこが一番大事なことなので戦いは忘れたくないです。
――先ほどの「女子プロレスを背負って立つ」という発言も含めて、日本女子プロマット界を引っ張っていく中島選手の活躍を期待しております。
中島 これからのSEAdLINNNGも是非、期待してください。
(インタビュアー:プロレスTODAY総監督 山口義徳)
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