【新日本】大張高己社長インタビュー<第2弾>コロナ禍を乗り越えて新機軸を打ち出す!『新日SS』アプリ開発、旗揚げ記念日大会を終え“リベンジプロレス”を見据える!


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③旗揚げ記念日を終えて

 

――先日は非常にいい旗揚げ記念日で感動しました。猪木さんがいなかったのが残念ではあったんですけど。ああいうセレモニーというのは、新日本プロレスの50周年ならではのイベントだとは思います。大張社長的にはいかがでしたか?

 

大張社長:もうファンの気持ちになって感動していましたね。音響の席ってリングの正面にあるんです。スタッフがそこに椅子を用意してくれて、ずっと見てました。本当は裏にいて、トラブルが起きたら対応しないといけないんですが、その場は(菅林)会長に任せて。

 

――座りたかったんですね。

 

大張社長:その時だけは、ファン目線に戻りたかったんです。それでふとカメラのやぐらの下を見たら、会長もそこで見ていたんです(笑)。

――一緒じゃんと(笑)。

 

大張社長:本部席がもぬけの殻でした(笑)。会長も私もファン目線に戻るくらい感動しましたね。これもなかなかできない。50周年だからと言って来てくれる人、普段から顔を出してくださる方、こういうことがあるから来てくれる方がいらっしゃると思うので。まさに「リアルシンニチイズム」でしたね。そういう方々が一堂に介して。猪木さんが来てくれれば良かったんですけど、それは楽しみとして取っておいて。50周年の終わりは来年の1月、東京ドームと決めていますので。それにしても坂口相談役が全員と握手して迎えるという。

――僕も思ったのは、演出にない坂口さんがご自身で立ち上がってやろうと思ったんじゃないかと見えたんですよね。あれはそういうことですか。

 

大張社長:そうです。最後のあいさつも演出になかったという説があります。

 

――そうなんですか。あれもいきなりだったんですか。

 

大張社長:真偽についてはいまだに諸説あります(笑)。

 

――すごくいいセリフをお話しいただいたので、嬉しかったですね。


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大張社長:試合もメインは鈴木軍(鈴木みのる、ザック・セイバーJr.)の方に藤原(喜明)さんが入って。

 

――そうですね。

 

大張社長:それで対戦相手に藤波(辰爾)さんが入って、タイムスリップしたって実現しない、まさに異次元だったですね。

 

――いや、よかったですね。藤波選手、棚橋選手、オカダ選手の3人がガウンを着て、入場してきた。あれは身震いしましたね。


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大張社長:棚橋選手が着ていたガウンって、藤波さんから借りたらしいじゃないですか。

 

――そうみたいですね。

 

大張社長:ちょっと大きめだったじゃないですか。選手も含めて多くの人があこがれてきた藤波辰爾は、どれだけデカいんだと。嬉しかった。藤波さんって、脱いでもすごいし。旗揚げの当時からいるメンバーで、その方が現役でかつあのコンディションでメインに立つというのはすごいなと、見せてもらって本当にありがたかったです。

 

――50周年のメインのリングに、藤波辰爾、藤原喜明が相対して、そこに現役トップ選手が立っているのが、僕は新日本プロレスにそのカードを組んでくれてありがとうと言いたかったんですね。例えば、もっと前の試合に出てきても基本的には満足できていたと思うんですけど、それをメインに添えた。藤波選手に対するリスペクト、藤原選手に対するリスペクトが見えたことが嬉しかったですね、本当に。歴史を軽んじていないんだというか、そういう人たちに対するリスペクトがすごく表れているんだな、というのがあのカードで見せられました。

 

大張社長:ちょっと話が戻りますけど。シンニチイズムの東京の始まりから助走があるわけなんです。こういう歴史、こういう人たちによって作られた新日本プロレスなんですよ。旗揚げ記念日のカードはこれですよという。ポンと旗揚げ記念日のカードを見せられるんじゃなくて、あのシンニチイズムを見てもらって、いかにリスペクトしているか、リスペクトするべきなのかを理解してもらった上での旗揚げ記念日なんですよね。だから、そういう意味でのプロモーションの側面もありました。


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――50周年記念セレモニーで、オカダ選手が選手を代表して発言されていました。オカダ選手自身にも重みが伝わったんだと思うんですよね。

 

大張社長:伝わったと思いますね。

 

――ご本人自身もこれから担っていく歴史を、「真のストロングスタイルプロレスを目指す」ということで、おっしゃっていました。

 

大張社長:そうですね。猪木さんが昔言った言葉と重なるように聞こえました。


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――それをご自身の言葉として引っ張ってきたというオカダ・カズチカのセンスがすごいなと思いました。

 

大張社長:都会的な垢抜けた選手がやるから余計にですよね。ドームの入場時のガウンも驚きましたね。

 

――ビックリしました。これで来たかと思って。

 

大張社長:事前に見てなかったので。後で見に行きましたよ。文字ばっかりなんですよ。ご覧になりました?間近で。

 

――私、間近で見てないんですよ。今、選手と間近に接触がなかなかできないんで。

 

大張社長:全部、活字なんです。妥協もなく。そんなところもあって、真逆にあると思っていたから。若いし、金髪だし。昭和のプロレスにガンと寄せてきたことが、またこれはガウンで入場するオカダ・カズチカって新しいんですよね。まさに次の50年につながるという。一回今までの新日本を吸収して、それごと背負って新しい時代に行くという覚悟は見えましたね。


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――僕もあの言葉を述べたオカダ・カズチカというのは新日本プロレスを背負って立つ男だな、というのは再認識しましたね。

 

大張社長:「あれしてください」「こうしてください」「これ着てください」とか言わないですからね、会社は。

 

――セルフ・プロデュースでやってるんですね。

 

大張社長:そうですね。

 

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