馬場、鶴田、三沢が繫いだ18年半ぶりの日本武道館のバトン!エース宮原「明日から新たな歴史が始まる」
全日本プロレスは9月18日、18年7か月ぶりに聖地・日本武道館に帰還となる「楽天チケット Presents 全日本プロレス50周年記念大会」を開催した。
50周年記念大会とあって当日はBS日テレが19時から生中継するなど、現在進行形のファンや、昔の全日本プロレスを観ていたファンにとっても話題となっていた。
当日は台風接近に伴う地下鉄東西線が止まるなど開始時点には間に合わなかった観衆もいたが、最終的には4,780人が日本武道館に詰め掛けた。
ジャイアント馬場さんが立ち上げた全日本プロレスも創立50周年を迎え、近年では集客の問題でなかなか挑戦できずにいた日本武道館大会の当日を迎えた選手や関係者、そしてファンの喜びは計り知れない。
同じく50周年を迎えた新日本プロレスもコロナ禍での集客では苦戦していたが、年商も50億円を超えるなど一時の勢いは目覚ましいものがあった。
それに比べると後塵を拝してきた感は否めない全日本プロレスであったが、リング上の戦いでは決して劣るものではなかった。
特に諏訪魔や石川修司と言った大型日本人ファイターのド迫力な試合のスケール感は全日本プロレスならでは。
そして武道館のメインで見事に三冠王座を奪取した宮原健斗のここ10年間の活躍は特筆すべきレベルであった。
宮原に続くべく、ジェイク・リーや青柳優馬、そして所属外ではあるものの野村直矢も全日本プロレスに戻って、新たな戦闘スタイルでトップ戦線に名を連ねるようになった。
全日本プロレスの前社長であり、現在はDDTプロレスリング所属の秋山準が手塩にかけて育てた選手たちが新時代の全日本プロレスを作ろうとしている。
18日に行われた日本武道館大会の翌日の後楽園大会では新三冠王者の宮原に野村が挑戦した。(結果は宮原が勝利)
宮原の盤石なエースとしてのスタンスはこの10年で築かれたが、ここからはジェイクの巻き返しや青柳も三冠王座を視野に入れてくる事だろう。
ジャンボ鶴田と天龍源一郎の「鶴龍対決」で幕開けした日本人同士による三冠戦はまさに至高のレベルの戦いで、現在もプロレスファンの語り草になるほど。
また三沢光晴、川田利明、田上明、小橋建太の四天王が繰り広げた凄まじいまでの究極のプロレスにファンは大熱狂となった。
当時の外国人レスラーも世界に名だたる大型選手が勢ぞろいし、今回来日した“不沈艦”スタン・ハンセンはじめ、“超獣”ブルーザー・ブロディ、“人間魚雷”テリー・ゴディ、“”殺人医師スティーブ・ウイリアムス、“皇帝戦士”ベイダーなど超一流のタフなレスラーに、鶴田や天龍、そして四天王が果敢に立ち向かう姿にファンは自分の想いを重ねていった。
50周年の現在を背負う宮原健斗、ジェイク・リー、青柳優馬、野村直矢、そして次代を担う選手達がこの先の全日本プロレスの明るい未来を築いて行くことだろう。
全日本プロレスのヘビー級戦線では宮原達以外にも世界タッグ王者の芦野祥太郎や本田竜輝、斉藤ジュン&斉藤レイの斉藤ブラザーズも、シングルプレイヤーとしても楽しみな存在だ。
そして、まだまだ諏訪魔、石川修司、大森隆男もトップ戦線での活躍を期待したい。
新日本プロレスの永田裕志を相手に日本武道館でのデビュー戦を行った安齊勇馬の今後も楽しみだ。
今回の50周年では特別なセレモニーがあった訳ではないが、全日本プロレスらしい雰囲気に包まれた空間は確かに感じられた。
またジュニアヘビー級戦線でも新たな王者が誕生した。
新日本プロレスのタイガーマスクとの世界ジュニアをかけた一戦で見事勝利し新王者となった青柳亮生が先頭に立って、全日ジュニアを盛り上げて行くだろう。
SNS上でも「#ゼンニチ武道館」というワードがトレンド入りした事も良い効果となった。
Twitterではこのような投稿が相次いだ。
・全日本プロレス…最高
・宮原健斗は最高にかっこいい
・全部超面白い試合だった
・武道館にサンライズ…お腹いっぱい
・伝わってくるものがありすぎました
・日本武道館 最&高
・久しぶりにプロレス見れて良かった
・嬉しくていっぱい泣きました
・年1で日本武道館大会開催してほしいなぁ
・すぐにまた武道館に戻って来てくれることを信じています。
・渕選手が声高らかに「日本武道館に帰ってきました!」と話してたのにもグッときたなあ。
・18年ぶりの日本武道館またここに連れてきてくれた選手&スタッフ達に感謝
他にも沢山の応援メッセージや感謝の声があった。
中には正面が西側になった事で遺憾を示すツイートもあり、今後の運営の改善に期待する声も上がった。
50周年大会の試合後のバックステージで宮原は語った。
宮原「今日。凄いよ、新しく生まれ変わってるよ。感じたでしょ?なんか全日らしくねぇなって感じたよ、俺も。最高だよ、いい気分だ。さぁ全日本プロレス50周年、歴史があって今があるからね。過去の偉大な先輩レスラーに敬意を払うよ。ただ、俺らは全日本プロレスのブランドに頼ってるつもりは1ミリもないからね。違うんだよ、よくそう思われがちだけど。全日本プロレスの意地ってのがあるんだよ。ブランドに頼ってるわけじゃねぇんだよ。そんなもんはクソ食らえだ。俺らは全日本プロレスというプロレス界で位置するメジャーの意地があるからな。その先頭を切る俺がスーパーメジャーだ。そしてスーパースターだ。明日から新たな歴史が始まる。まずは日本武道館に戻って来てくれたこと、最高だ。ただ、日本武道館にすぐにでも戻って来たい気分だな。1年に一度、1年に3度、1年に6度、1年に12度と俺らはこの日本武道館に戻って来るからな。」
新時代の全日本プロレス、これからも更に「明るく楽しく激しいプロレス」に期待したい。
<プロレスTODAY総監督:山口義徳>