【Sareeeインタビュー】5.16自主興行開催!日本復帰と闘いへの決意「闘いを見せるために戻ってきた」

世界最大のプロレス団体であるWWEのNXTで約2年間在籍し、日本復帰を決めた女子プロレスラー・Sareee(サリー)が5月16日(火)東京・新宿FACEにて自主興行『Sareee-ISM〜Chapter One』を開催する。

「闘いを見せたい」と語る彼女に自主興行に懸ける想い、そしてWWE時代に学んだ教訓や、日本とアメリカマットの違い、故・アントニオ猪木さんから受けた影響など、様々な角度からSareeeに質問。

Sareeeの現在の心境、そしてこれから描くリング上での闘いに懸ける彼女の本心に迫った。

『Sareee-ISM〜Chapter One』
日時:2023年5月16日(火)18:00開場19:00開始 
会場:東京・新宿FACE

--まずは日本に戻ってこられたということで、おかえりなさい!

ありがとうございます。帰ってきました、無事に。

--その笑顔を日本で見れるというだけでもファンの方は喜んでいらっしゃると思います。インタビューなどもいろんなところで受けてらっしゃいますが、ファンの方の反応はいかがですか?

そうですね、おかえりっていう温かい声が本当に多くいただくので嬉しいですね。

--日本に帰ってくるにあたり、不安や迷いはありましたか?

WWEは2年間という短い間だったんですけども、本当にやりきったなというか、本当にたくさんのことを勉強させていただいたので全然悔いはないんですよね。でもやっぱりいろいろ言われるんじゃないかなっていう不安はあったんですけど、ほとんどの方が温かく受け入れてくださっていたのでありがたかったですね。

 

①WWE「SARRAY(サレイ)」時代に学んだ教訓とは

--WWEではいろんなことを学ばれたと思いますが、その中でも特に覚えているものや印象深かったことをお伺いさせてください

まず、WWEという世界最大のプロレス団体に足を踏み入れられたということは、誰しもが経験できるようなことではないので、今後プロレスを続けていく上でものすごい自信になりましたね。この経験はプラスしかないなと思っているので、行けて本当によかったなという思いでいっぱいですね。もう全てにおいてスケールも大きいですし。パフォーマンスセンターには毎日練習に行くんですけど、リングが7つくらいあって。

--そんなにあるんですね!

そうなんですよ。リングはふかふかで、どんな技でもダメージを軽減してくれる練習用のリングもあったり。ウェイトトレーニングのジムもあるんですけど、ちゃんとしたトレーナーやコーチの方が何人もいらっしゃって、選手のレベルに合わせて教えてくれるといった素晴らしい環境でしたね。そのほかにも、プロモというマイクパフォーマンスだったり、カメラにどう映るかを教えてくださったりというプロモーションのクラスもあったので、本当にたくさんのことを学ばせていただきました。

--プロレスの技だけではない、いろんな魅せ方についても学ばれたんですね。

はい。今までわたしはディアナでデビューさせていただいて、全女の先輩方、 伊藤薫さん、井上京子さん、ジャガー横田さんといった昔の全女イズムを叩きこまれてきたので、全く違う世界だったんですよね。でもそのエンターテイメント的な部分も学ばせていただけたのは、今後のプロレスラー人生においてもプラスになりました。

--でも日本から離れてということで、不安や寂しさを感じることはありませんでしたか?

いやー、ありましたね。

--ペットも飼ってらっしゃいましたよね?

はい、犬と猫と暮らしていたので、その子たちと離れ離れになるのも結構寂しかったですね。

--結構メンタルも鍛えられたんじゃないですか?

メンタルも鍛えられましたね、かなり(笑)。やはり言葉の壁もありましたし、今までとは違って自分の伝えたいことが細かく伝わらなくて…。なんで分かってくれないんだろうみたいなのは結構ありました。

--そういうときはどうやって自分の中で処理してたんですか?

うーん、でも日本人選手の存在に救われましたね。中邑真輔さん、IYOさん、戸澤さんといった方たちと住んでいるところが近かったので、相談をさせていただいたりとか。

--それは心強いですね。

でも、練習場や試合会場にはいないんですよ。出場している場が全然違うので…。

--そういう頼れない場所があったからこそ、強くなれたというところもあったのでしょうね。

それはありますね。でもWWEの選手の方たち、みなさんすごく優しくて。何か分からなそうにしてたら、丁寧に分かるように教えてくれて「Are you OK?」って。自分すごい子供に見えてたと思うんですよね。NXTってすごい若い選手もいっぱいいるんですけど、みんな大人っぽいので、30代とか40代かなって思っても、21歳とか年下ということもよくあってびっくりして…。アメリカってあまり歳のことを話さないというか、言わない聞かないというような文化があると聞いたので、聞かないようにしたんですけど。

--アジア人は幼く見えるっていいますよね。だから余計に助けてあげたくなるようなタイプだったのかもしれないですね。

女子高生の恰好してましたしね(笑)

--あれは日本のカルチャーを体現しているというか、面白いキャラ設定でしたよね。今までのSareee選手とは全く異なる印象だったので驚きました。あれはご自身としてはいかがでしたか?

最初は日本の女子プロレスの強さ、”闘い”という部分を世界に知ってほしいという部分があってWWE行きを決めたので始めは、え?これ??って思いましたね。何のために自分ここに来たのかなって悩む時期もありました。会社が大きくてトップが変わることによっていろいろ変わったりもするので、女子高生で魔法でって、なぜこれなのかをなかなか細かく聞けたりしなかったんですけど…。でもそんなこと言ってられないし、みんながみんなキャラを与えられるわけではないので、これはもう一生懸命成りきるしかないなと思って吹っ切れましたね。

--制服は現地調達?

あれは日本から取り寄せて(笑)。始める前は自分はそれをやりに来たわけじゃないのにとか、日本の人たちにどう思われるんだろう、行く前に言ってたことと全然違うじゃん!ってなるのかなって葛藤はあったんですけど、気持ちを切り替えてからは、すごく楽しかったですね。

--でも全力でやり切ったのであればいい経験と思い出になりますよね。

はい、そう思います。

 

②日本とアメリカの女子プロレスの違い

--日本とアメリカでの環境の違いはお伺いしましたが、実際の試合を通じて違うなと感じたことなどはありますか?

もちろん試合自体違いますね。わたしはもともと相手しか見てないというか、いかに相手より早く起きて、早く攻撃をするかみたいなところあったじゃないですか。WWEではそれとは全くかけ離れていて、見てくださるお客さんを置いてけぼりにしないように、見せるところはゆっくりやったりとか、カメラを意識したりとかがあったので最初は結構ハードで大変でした。練習中とかも、「SARRAY、slow、slow!」とか言われるので、なんで!?みたいな(笑)

--日本では、”闘い”を見せていたところを、WWEではお客さんにアピールをして沸かせていくといった満足度を高めるような魅せ方が必要になりますよね。

そうですね。そこは自分にはない部分だったので、すごく勉強になりましたね。お客さんを意識するって大事なことですよね、やりすぎは自分の中でちょっと…と思うところもありますけど、しっかりそういう部分を学べたのはいい経験になりました。

 

③日本帰国を選んだ最大の理由とは
「今回、私は日本に戻ってきまして、“闘い”を見せていきたいと思います」

--そしてその経験をもとに日本に帰国されました。WWEの継続契約も打診されていたとお伺いしておりますが、日本を選んだ理由はどういった部分でしたか?

WWEと契約して3年、実際にあっちに行ったのは2年ちょっとになるんですけど、次の契約の話とかもあった中で色々考えた結果、20代のうちにやりたいプロレスをやっておきたいと思ったのが一番の理由かなと思います。アメリカでは学ぶことが多い2年間でした。短いかもしれませんが、わたしにとって2年はやはり長いと思うので、その中でいろいろ経験させていただいて、自信もつけて、次にやりたいことを考えたときにそれが日本だったというだけですね。

--それは楽しみな発言ですね。ワンランク上のSareee選手を見れるということで。

ワンランク上がりましたかね?それ言われたらもっと頑張らないと(笑)

 

④アントニオ猪木さんにどんな影響を受けたか

--Sareee選手は、アントニオ猪木さんからも影響を受けた部分があるかと思いますが…

猪木さんは、私の父が大ファンで。なので小さい頃から猪木さんはすごい方だというのは分かっていました。実際お会いさせていただいたのは数回で、対談で長くお話させていただいたのは1回なんですけど、そのときはアメリカに行く直前だったので「応援してるから頑張ってきて」とエールをいただいたのがすごく嬉しかったですね。猪木さんがずっと言い続けてきた言葉だったりからすごく刺激を受けてますし、「プロレスは闘いである」とかも本当にそうだなって思いますね。

--男女問わず、猪木さんから影響を受けてる選手はいらっしゃいますが、女子選手でSareee選手のように口に出す選手はなかなかいらっしゃらないですよね。「プロレスは闘いである」という猪木イズムからも

そうですね、プロレスイコール猪木さんみたいなのってやっぱあるじゃないですか。猪木さんが今までプロレスを大事に守り続けてきてくださったから、今のプロレス界があると思うので、それを女子で、そして私が受け継がせていただきたいなという…おこがましいんですけども、そういう気持ちは強くありますね。”闘い”という部分を消してはいけないと思うんですよ、プロレスラーは強いからこそ”闘い”ができる。その部分はしっかり残していかなくてはいけないなと思っています。

 

⑤自主興行『Sareee-ISM〜Chapter One』を5・16新宿FACEで開催

--そして日本復帰第一戦は自主興行『Sareee-ISM〜Chapter One』ということで、すでにチケットは完売されるそうですが…

すごくありがたいですね。この『Sareee-ISM〜Chapter One』のチケット販売会を行わさせていただいたんですけど、そのときに半分以上のチケットが売れまして。たくさんの方がチケットを買いに来てくださって、本当に嬉しかったですね。

--ファンの方待望の大会ですもんね。でも自主興行をやるというのはちょっと勇気いりませんでしたか?

それは全然なかったですね。むしろ自主興行をやりたかったので。自分の好きな、自分の思い通りの大会をやりたかったんですよね。久しぶりの日本での試合なので、誰にも干渉されない、自分が好きな試合をやりたいと思ったので、自主興行は絶対でしたね。

--そして、Sareee選手の復帰第一戦は、仙女の橋本千紘選手。日本にいるときも橋本選手とは何度か対戦されてると思いますが、なぜ橋本選手を選ばれたんですか?

橋本千紘は、私の中で日本一強い女子プロレスラーだと思うので選びましたね。

--Sareee選手がアメリカにいた2年ほどで橋本選手もさらに進化しましたよね。

それはアメリカから見ても伝わってきましたね。橋本千紘、さすが私のライバルだなと思って見ていました。渡米する前、世志琥とか、橋本千紘、彩羽匠とやり合ってましたけど、そのライバルの頑張りが離れていても、すごくいい意味で刺激になって負けてられないなと思いましたね。そこに支えらえてきた部分も大きいです。でも今の女子プロレス界、橋本千紘が強さの象徴みたいなところがあると思いますけど、そこは私も譲れないので、5・16新宿FACE大会で必ず勝利して一気に橋本を越したいですね。

--一発目で凄いカードを持ってきましたよね。今回勝つか負けるかによって、今後影響してくるような厳しいカードですね。でも橋本千紘しか考えられなかったと。

はい。女子プロレス界が盛り上がってきてるじゃないですか。認知もされてきてますし、女子プロレスを見る方も増えてきた中で見せなくてはいけない”闘い”があると思うので、これは橋本と私が試合を通して、語り合いたいなというか記者会見のような改まった場で伝えるのではなく、自分達の”闘い”で伝えたいですね。

 

➡次ページへ続く

 

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