【新日本】<大張社長インタビュー③>コロナ禍での挑戦と復活、「ALL TOGETHER AGAIN」、下半期の戦略を語る

②6.9両国『ALL TOGETHER AGAIN元気があれば何でもできる!』開催


©新日本プロレス

「ALL TOGETHER AGAIN 元気があれば何でもできる!」
日時:2023年6月9日(金)16:30開場/18:00開始
会場:東京・両国国技館
▼特設サイト
https://www.njpw.co.jp/series/alltogether?id=schedule

--3団体から予告、発表された6.9両国『ALL TOGETHER AGAIN元気があれば何でもできる!』。こちら開催の経緯をお伺いさせてください。

本当は、これこそ2020年に私が社長就任した直後にやりたかったんですよ。それ以前から他の団体と一緒に、馳先生に陳情に行ったりというのをやっていて。わたしが社長になってから、横のつながりというものをとても重視してきました。もちろん、対コロナでは呉越同舟で、一緒に苦難を乗り越えて、立ち上がろう、そしてこの時期を支えてくれたファンの方々に恩返しをしよう、という目的が第一です。

ですが、新日本1社からの目線で見ても、新日本プロレスを見るか見ないかが、イコールプロレスを見るか見ないか、になってしまうと、お客様に戻ってきてもらえないんですよ。新日本プロレスをもう見ないから、キャンプに行こう、ゴルフに行こう、ではなくて、ノアさんを見よう、全日本さんを見ようという風にプロレス業界の中でいろんな良さを見つけてもらえたら。

他の団体にファンが行ってしまうのは悲しいですが、他団体のファンになられたとしても、プロレスを好きでいてくれる限りは、新日本の出来事や面白さを目にする、耳にする機会があるわけです。そうすれば、我々の頑張りによってはいつか戻ってきてくれるチャンスがある。他の趣味や習慣と闘うのは、はるかに難しいことです。

--以前はそういう時代がありましたよね。

プロレスか否かだと、見なくなると戻ってこないわけですよ。雑誌でも、全日本が好きで買ったけど読んでると他の団体も載ってるわけじゃないですか。そこで新日本ではこんな事件が起きてるとか、ちょっと興味が湧いたりして。そういうことを考えると、一人勝ちは駄目なんですよ。それが3年前に思ったこと。それは国内・国外でもそう、一人勝ちばかりを狙ったら一人も勝てない。業界がしっかりとお客様にプロレスを見せる、お客様は業界の中のどこかの団体を好きでいる。

時々みんなが集まって、それぞれのお客様に恩返しをしたり、今まで見られなかったりしたバリエーションのスペシャルマッチがあったり、対抗戦があったりと。それをやるということは、その業界を強くしていくために必要な事だと思っています。だから本当は3年前にやりたかったんですよ。コロナ禍でもお客様がしっかりプロレスを見ていてくれる、その感謝の気持ちと、みんなも苦しかったからみんなで力を合わせて。でもそもそもカードも興行も簡単に飛ぶ時代だったじゃないですか。これだけの大会だから大々的にカードも発表したいし、でも発表しても熱が出ました、濃厚接触者になりましたで決定カードが全部駄目、大会全部駄目ということが当たり前にあった時代でしたよね。

--そうですね

それぞれの団体のコロナ対策ルールを統一するのも難しかったですしね。コロナが第5類になるといったこのタイミングだなと思って計画しました。動員制限もなくなりましたし、声も出せますしね。それで今なんですよ。

--各団体との交渉は大変だったかと思います。でも第一弾カードが発表されましたが、夢のあるカードでした。

◆6人タッグマッチ
棚橋弘至(NJPW)
宮原健斗(AJPW)
清宮海斗(PRO WRESTLING NOAH)
vs
オカダ・カズチカ(CHAOS)
青柳優馬(AJPW)
拳王(PRO WRESTLING NOAH/金剛)

◆6人タッグマッチ
内藤哲也(LOS INGOBERNABLES de JAPON)
鷹木信悟(LOS INGOBERNABLES de JAPON)
BUSHI(LOS INGOBERNABLES de JAPON)
vs
永田裕志(NJPW)
諏訪魔(AJPW)
安齊勇馬(AJPW

◆6人タッグマッチ
石井智宏(CHAOS)
後藤洋央紀(CHAOS/毘沙門)
YOSHI-HASHI(CHAOS/毘沙門)
vs
マサ北宮(PRO WRESTLING NOAH)
稲葉大樹(PRO WRESTLING NOAH)
稲村愛輝(PRO WRESTLING NOAH)

夢も遺恨もありますけどね(笑)。もうバチバチ始まっているみたいですけど。だからリング上では、選手同士が手を組もうが闘おうが、それはもう自由にやってもらえばいいですけど、会社としてプロレスファンが曲がり角の向こうに行ってしまわない、ということは考えないといけない。選手間が団体を超えて仲良くしなくてもいいんですけど、業界としては最低限アライアンスを組んでいかないといけないですよね。

最初言いましたけど、知名度やファンの方々の熱量とは裏腹に、この業界は零細企業、中小企業の集まりなので。経済的に大きい単体の会社として存在してるところはなく、企業グループにあっても、親会社の意向で、というのもありえる話なので。上場企業の子会社だったとしても、シビアに株主価値を考えないといけなくて、業績が悪ければこの赤字会社をどうにかしろってことも日常茶飯事で、当然の話です。だからそこは横で手を組んで、業界全体を強くしていく。

リング上では好きなだけ手を組んだり闘ったり、バチバチやってくれと思うわけですけどね。あとは今大会の売上の一部は、チャリティに寄付させていただくということで、社会貢献にも役立てたいと思ってますので、会場もしくはPPVで、ぜひ応援していただけたらと思います。そして、またしばらくこんな大会はないと思うので、歴史の証人になってほしいし、コロナ禍で一緒に苦労してきたトンネルの出口を一緒に祝う、「プロレス勝利宣言」の場にできればと思っています。


下半期に向けた新日本プロレスの国内外の戦略

--最後に、下半期に向けた新日本プロレスの国内外の戦略を言える範囲でお伺いできますでしょうか。

これはどこまで言えるかなぁ…。でもファンのみなさんもしかりですけど、選手・社員も相当辛抱してきたんですよね。動員が半分になって、利益が吹き飛んで、という時期が続きましたから。そこから反転攻勢、100に戻すんじゃなくて、120にも130にも伸ばしていきたいと思っています。過去最高に面白い、過去最大規模の事業にしていきます。

--それは楽しみです!

これはコミットします。もちろん会場に来てもらっての満足度もそうだし、試合以外のファンサービスも過去以上にしていきたいと思います。幸いなことに新しいスポンサーシップも決まりつつあります。コロナ禍でどれだけお客様が反応してくださるのかをつぶさに見てくださっていた企業様もいるわけで。やはりプロレスはいいと、人を元気づける意味で素晴らしい事業だということで新しくスポンサーシップを結ぼうとしてくれる企業様もありがたいことにいらっしゃって。

それぞれの立場から自己投影して、感情移入できると。いろんな制限もなくなるし、コロナ禍で培った新しい応援の仕方もあったりするじゃないですか、ハイブリッドになってますよね。本当は10年かけて進化するべきものが、たった3年でいい部分は更によくなり、悪い部分は乗り越えてきたわけなので、いいとこどりの新しいプロレスが出来ると思います。

--なるほど。

BEST OF THE SUPER Jr.もG1と並ぶ2大シリーズにしていくというのも言いましたし、6.4DOMINIONのカードもまだ決まってませんけど、モクスリー選手の参戦表明もありましたし。海野選手があと1人どうするのかな…。世界トップクラスの国内外のメンバーが集まって、面白くて激しいものになると思いますね。

--では、意外な選手の参戦もありえる…?

あるかもしれないですねぇ。”新”日本プロレスですから、50年経っても。”新”なので、常に新しくなくてはいけない、常に仕掛けていかなくてはいけない。

--これは期待してしまいますね。

その期待感が高いのは理解してますので、ご期待ください。会場に足を運んで、大声で応援して下さい、必ずご満足いただけると思います。

インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)

▼第1弾と第2弾はこちら
【新日本】<大張社長インタビュー①>逆境の中での成長と変革:新日本プロレスの3年間

【新日本】<大張社長インタビュー②>新たな挑戦“女子王座新設”、武藤敬司引退大会、A猪木さん「お別れの会」を振り返る
https://proresu-today.com/archives/219099/


『BEST OF THE SUPER Jr.30』

⚫︎5月26日(金)
東京・国立代々木競技場第二体育館にて準決勝
⚫︎5月28日(日)
東京・大田区総合体育館にて優勝決定戦

▼大会詳細は公式サイトにて
https://www.njpw.co.jp/schedule

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