小橋建太が語る“不沈艦”スタン・ハンセンとの後楽園での秘話、引退から10年が経過した現在

約1年ぶりとなる6月14日(水)、東京・後楽園ホールにて開催される小橋建太完全プロデュース興行第8弾『Fortune Dream 8』。

団体の枠を越えた戦士が集結し、過去7回開催された『Fortune Dream 』。

小橋氏自身が出場する選手を厳選しマッチメイクする第8回となる今大会も『Fortune Dream』ならではの団体の枠を越えた対戦が実現する。

各試合の見どころを本人が語るほか、トークバトルを行う“不沈艦”スタン・ハンセンさんとの後楽園でのエピソード秘話や、引退してから10年が経過した現在の小橋建太氏に迫る全2回の独占ロングインタビューを掲載。

第2弾インタビューでは『Fortune Dream 8』大会でトークバトルを行う“不沈艦”スタン・ハンセンさんとの後楽園でのエピソード、昨今の女子選手の活躍、Fortune Dreamに参戦させたい選手、引退してから10年が経過した現在の心境を伺った。

各試合見どころを語った前編:https://proresu-today.com/archives/219567/

①「不沈艦」スタン・ハンセンさんとのトークバトルへの意気込み

▼トークバトル
スタン・ハンセンvs小橋建太(Fortune KK)

ーーそして小橋さんご自身も不沈艦スタン・ハンセンさんとのトークバトルが決定しました。これはやっぱりご自身の大会でファンの皆さんにトークバトルを見せたいという気持ちが強かったということでしょうか?

そうですね、もちろん。というよりリング上で、試合じゃないですけど、トークバトルという形でやりたいという思いはありましたね。去年ダメになって今年、呼べるチャンスがあったので。やっぱりどうしてもやりたい、リング上でやりたいという思いがあったので。そんな何回もチャンスはない。タイミングもありますから。やっぱりチャンスだと思ったときは、それをちゃんと取りに行かないとと思って。そしたらトントン拍子に話が進んで。

――これはやっぱり小橋さんとハンセンさんが長年の闘いの歴史ももちろんありますし、小橋さんがハンセンさんに抱いている思いみたいなものもすごくあると思いますので。小橋さん的にはハンセンさんとの思い出ってたくさんあると思いますけど。試合を通じて、ハンセンさんというのはリングの上と、引退してからと随分表情も違ってきたかなと思います。小橋さん的にはいかがですか、そういう部分も踏まえて。

本当に若手の頃からセコンドについていても試合でも、本当に世界一のラリアットですよ。1試合で3回受けたこともあります。

――3回もですか。

1試合で。やられたこともあります、シングルマッチで。本当に、ラリアットということに関してもハンセンがいなかったら、それはない。ハンセンにあそこまでやられたからこそ生まれた。自分のラリアットというのは、ハンセンにやられたからこそ生まれたものだし。そういった意味でもハンセンとリング上で。特に去年がなくなっているので、今年はリベンジしたいなと思ってたんですよ。

――若手の頃はハンセンさんのセコンドとかリング周りにいるのって、やっぱり怖かったですか。

怖くはないです。怖いと思ったらできないですから。もうシバかれてもいいように、どつかれてもいいように覚悟はしてましたけどね。

――セコンド、リング下の若手のときでも、いつ来られても大丈夫なように身構えは一応されてたんですね。

気を抜けないし、どんなときも。

――ハンセンさんは特に、目があまり良くないんですよね。

どこから何が飛んでくるか分からないので、いつも気合い入れてやってました。もう本当に試合が終わって止めに行ったら、暴れまくるので。止めに行くとラリアット。ジャンボさんを僕が止めてるのに、ハンセンが後ろから来て、僕を捕まえて僕にラリアットするんですよ。

――それはそれは、ラリアットをやりがいのある若手という感じだったんですね。

本当にそういったおかげでラリアットの威力というものを体験することができたので。だから本当に自分にラリアットのすごさというものを教えられましたね。若手の頃はただ当てるだけで使ってましたけど、ハンセンのラリアットというのは一発一発しっかり踏んで当てて、他の人とやっぱりちょっと違ったんですよね。若手にも容赦なく飛んできますから。だから研究しましたね。のちに自分が使うようになって、どうしたらハンセンのラリアットを超えることができるかと。

――そんな激闘を繰り広げたハンセンさんとの思い出も含めて、今回のトークバトルではお客さんにどんなところを見どころとして期待させたいですか。

実は僕がラリアットをフィニッシュ・ホールドとして使うようになってから、ハンセンに後楽園で言われたことがあるんです。ジョー樋口さんが『小橋、ハンセンが呼んでるよ』って。

――「何で?」と思いますよね。

ハンセンの言っていることをジョーさんに通訳してもらいました。『お前がラリアットを使うということは分かった。ただラリアットは一発で倒せ。一発で倒す、それが本当のラリアットだ。』「分かった」と。「もう絶対一発で倒す。どんな大きい相手であっても。」どんな相手でも。ハンセンは昔、田園コロシアムでアンドレ・ザ・ジャイアントにラリアットやって、その場で倒れなくて場外に落としました。やっぱり一発で吹っ飛ばす。どんな相手に対しても一発。その一発で吹っ飛ばす。例えフォールを奪うことができなかったとしても一発で吹っ飛ばすのが本当のラリアットだと。一発で倒さなくちゃいけない。一発でもフォールを奪えないときもある。返されるときもある。何回か僕もありますけど。ただ、一発でぶっ倒すというのは、それは最後までハンセンとの約束は守れました。

――いい話ですね。リング上でぜひ皆さんにも、その話を。

Fortune Dreamが同じ後楽園なので、その話ができれば面白いかなと思います。とにかく一発で吹っ飛ばすということは約束しました。約束というか、『これが本当のラリアットだ』と言われるんですよ。

――それを心に刻んだわけですね。

そこはラリアットを本道というか、そういう意味で、それを守らないといけない。ラリアットを繋いでいく本家ですから。誰が何と言っても、本家とか何とか言っても、ハンセンが一番最初ですから。

――今の話も深いですね。ありがとうございます。非常にいいお話を伺えて良かったなと思います。

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