デスマッチ&ハードコアユニットの大会休止から3カ月 世羅りさの現在地

【WEEKEND女子プロレス#22】

“デスマッチ&ハードコアユニット”プロミネンスを率いてきた世羅りさ。フリーとなり独立を果たしてからは月一回のペースで自主興行をおこなってきたが、4・23新木場大会をもっていったんピリオド。今後もユニット活動は継続しつつも、プロミネンスの看板による興行は不定期開催になるという。が、あれから3カ月が経過した現在も次回開催はまったく未定とのことで、事実上の活動休止とも言える状態だ。

 とはいえ、世羅はこの2年間を全力で突っ走ってきた。自身のやりたいプロレスを追求するため、アイスリボンを離脱。ひとりで歩き出すつもりが、4人の仲間もついてきた。鈴季すず、藤田あかね、夏実もち、柊くるみ。彼女たちもハードコアな世羅の意志に賛同。いばらの道を覚悟で行動を共にしたのである。


<写真:本人提供>

 筆者はプロミネンス興行が始まった頃にインタビューした際、「とにかく2年は突っ走りますよ!」とのコメントをもらっていた。その“公約”を自分自身にも言い聞かせていたのだろう。実際、今回の取材で真っ先に「公約を守ったのでは?」と聞いてみると、「そうですね、守りましたね!」と明るい返答。「正直、やり切った感もあります」と安堵の表情も浮かべていた。それでいて、2年を機にプロミネンスを解散する気持ちを固めていたともいうではないか。

「最初の1年間を5人、2年目を4人でやってきて、いろいろ乗り越えての2周年。私としてはいい機会なので、やめるつもりでいたんです。これって実は旗揚げ当初から考えていたことでもあったんですよね。2年経てば土台もできて、それぞれが参戦したい団体もできるだろうし、名前が売れたらプロミネンスでなくても呼ばれると思うんですよ」

 この2年間で、プロミネンスの名称は世羅たちの予想以上にプロレス界に浸透した。女子によるデスマッチ&ハードコアだけではなく、男子選手とも闘い、肉体を傷つけ血を流してきた。ときには全員でスターダムに乗り込み、話題をかっさらった。選手は全員フリーであり、各自の主戦場を持ちつつ、月に1度は自分たちの大会でしのぎを削り合った。結果的に、個人と全体の活動がプロミネンスのネームバリューをアップさせたのである。それはある意味、世羅の目論見通りだったとも言えるだろう。と同時に、解散には絶好のタイミングでもあったのだ。

「2・22新木場の1週間くらい前かな、私からみんなに解散したいと告げたんですね。その大会で解散を発表しようと考えていました。ただ、そのときの話し合いで、『解散はしたくない』『不定期でもいいから続けたい』という声も上がったんです。それでも私としては、2月の大会が無事に終わったら(会場で)発表するつもりでいたんですよ」

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