【HERO】18周年のワイルド・ベアーが天国の保坂秀樹さんに捧ぐ勝利でWBC王座初V!「ベルトを持って墓参りに行こうと思う」
聴覚障害レスラーも所属するバリアフリープロレスが7月27日、東京・新木場1stRINGで「HERO41」を開催した。WBC(ワールド・バリアフリー・チャンピオンシップ)タッグ王者(パートナーはワイルド・ZERO)のワイルド・ベアーがデビュー18周年記念試合で、戸田秀雄&しらすキッド(ちがさきプロレス)を破り、天国の師・保坂秀樹さんに捧げる勝利を挙げ初防衛に成功した。
保坂さんに師事したベアーは2006年8月6日、宮城・仙台市勤労者体育館で、保坂さんのはからいでデビュー戦に臨んだ。ベアーは零狼と組み、マスク・ド・げんぺい、戸田秀雄組と対戦し、戸田に敗北を喫した。その後、ベアーはターザン後藤一派のリングで何度か戸田と対戦したが1度も勝つことはできなかった。
今回、「デビュー18周年記念試合」を行うにあたって、ベアーはデビュー戦の相手・戸田との対戦を希望。保持するWBCタッグ王座をかけ、ZEROと組み、戸田&しらすと防衛戦を行うことになった。
序盤、ベアーはしらすのゴムパッチンなどトリッキーな攻撃にペースをつかめず。戸田のキック連打を食って劣勢に回った。ZEROがキック、関節技で戸田に猛攻で反撃。戸田はスープレックス、パイルドライバー、ハイキックでベアーを追い込む。だが、しらすのラリアットをかいくぐったベアーはバックドロップを叩き込んでしらすから3カウントを奪い、苦戦しながらも勝利を手にした。
試合後、戸田は「18年前、仙台でデビューしたんだね。俺がデビュー戦の相手だった。俺は今年で26年だけど、プロレスを引退していった人もいるし、やりたくてもできなくなった人もいる。今度いつ会うか分かんないけど、またそのベルト挑戦しますよ。ワイルド・ベアー、デビュー18周年、おめでとうございます」と心に響くマイク。
ベアーは「今日は久しぶりに先輩のいい洗礼受けました。戸田さんから獲ることはできませんでしたけど防衛することができました。夏の仙台でデビューして、ここまでやってきました。戸田さんが言ったように、やりたくてもできない先輩たくさん見てきました。これからも頑張りたいと思います」と応じた。
バックステージでベアーは「久しぶりに食らったというか、懐かしさもあり、厳しさもあって。なかなか苦戦しました。(しらすのトリッキーな攻撃は)タイトルマッチって厳格なものっていうのがあるけど、バリアフリーなんで、ああいうのがあってもいいと思う。ああいうスタイルがあってもいいんじゃないか。ベルト守れて、もうすぐ保坂さんの命日なんで、ベルト持ってお墓参り行こうと思います。あの頃、欠場中だったんですけど教えてくれて。プロレスやりたくても、この世を去った先輩、この世を去ってないにしろリングに立てない先輩、たくさんいるし、そういう仲間もいるし、18年ケガなくやってこれたのは幸せだと思います。(次は?)誰が来るか分かんないけど、まだまだ防衛したい気持ちはあるんで、ワイルド健在をアピールできるよう頑張ります」と感慨深く語った。
王座奪取ならなかった戸田は「ご祝儀みたいなもん。18年くらいでまだまだですよ。これからもリングで会う機会あるから、次会ったときはガッチリとベルト獲りますよ。次はちがさきのリングで防衛戦やってください」と次なる機会を見据えた。
この日、マスクドミステリーをシングルで破ったダークソウルの加藤茂郎が挑戦の意向を口にしたが、今後のWBC王座戦線から目が離せなくなった。
バリアフリープロレスHERO「HERO41」
日時:7月27日(土)18:45
会場:東京・新木場1stRING
観衆:未発表
1.HERO正規軍ブラッシュアップマッチ 15分1本勝負
×友龍&神崎ユウキ(11分42秒、無効試合)海和択弥&洞口義浩×
2.スペシャル3WAYマッチ 20分1本勝負
〇梶トマト(5分25秒、エビ固め)木藤裕次●
※木藤の急所に梶の体が当たる。もう1人は藤田峰雄
3.20分1本勝負
加藤茂郎(10分24秒、逆さ押さえ込み)マスクドミステリー●
4.女子タッグマッチ 30分1本勝負
〇炎華&しゃあ(12分25秒、タイムマシンにのって)真琴&ガキにゃん仮面●
5.WBCタッグ選手権&ワイルド・ベアーデビュー18周年記念試合 時間無制限1本勝負
<王者組>〇ワイルド・ベアー&ワイルド・ZERO(17分40秒、体固め)戸田秀雄&しらすキッド●<挑戦者組>
※バックドロップ。第7代王者組が初防衛に成功