【我闘雲舞】さくらえみ、8年ぶり後楽園で“愛弟子”駿河メイと対決へ「挫折や苦しさを与えたい」
③日米を股にかけ活躍する大変さとは?
――ここからは日米を股にかけて活躍する仕事の大変さみたいなところも伺ってみたいなと思います。実際、時差もありますし。いろいろな形で試合も急なものもあると思いますけど、そのあたり、やってみていかがですか?
私が1番困ってるのは車の運転です。東京で車の運転をする機会はなかなかないじゃないですか。電車が便利だし、分刻みで来るし。歩けばどこでも行ける中で、車の免許は持ってたんですけど、運転したことがなかったんですよ。練習を重ねて、ナビさえあればどこにでも行けるようになったんですが、修理が大変でした。乗るたびに故障箇所が見つかって、あるアメリカ人選手からは黙って日本車に乗るんだ、日本車以外俺は信じてないと力説されたり。
――それは大変ですね。
日本で車を持ってる人からしたら「何、そんな運転くらいで」ってなるじゃないですか。
――ペーパードライバーで行っちゃったってことですね?
そうです。
――1番最初の運転ってめちゃめちゃ怖くなかったですか?
怖いです。怖いなんてもんじゃない。スピードがだって全然45キロとかじゃないんですよ。法定速度80キロとか。高速も120キロとかは出てると思うので。これ私、早いよね、みたいな。日本の常識とかは1回忘れないと。例えば赤信号でも右折できたり、ウインカー出してくれない車も多いです。
――その生活に馴染むこと自体がまず大変ということですね。
生活しか大変じゃないです。プロレスは、やってることはリングに上がって試合するだけなので変わらないんですけど。生活して車移動してとか、そういったもの私には大変です。
――これを実際、今やられてみて、継続されているわけじゃないですか。継続するポイントというのは何なんですか?
ポイント。いるって決めたらやるしかないので。あと助けてくれる人ももちろんいますし。よく日本人が留学すると日本人同士でつるんで結局英語を勉強しないまま帰ってくる、みたいなことを悪い例えで言うじゃないですか。でも日本人との繋がりがなければ、やっていけないです、無理です。私は同期だった坂井澄江さんによくしていただいています。車を買ったり修理したり、家を借りたり。「どうしろと。わからん」みたいなのを助けていただいているので、やっぱり日本人同士の繋がりというのは強いです。本当に会ってお茶するだけで、どれだけ救われるか分からない。
――そういう心強い日本人のコミュニティみたいな仲間がいてくれたから今の自分が続けられているっていう感じなんですね。
はい。すべてといっていいくらい!
④海外を目指す後輩たちへのアドバイス
――これから海外を目指したいという後輩レスラーたちにアドバイスできることって、何かありますか?
日本があって世界があるという考え方をせずに、私たちがいるところがもう世界であるという考え方をしてほしいです。横浜で試合する、大阪で試合するっていう感覚と同じようにシンガポールで試合する、イギリスで試合するという考え方をするというのがいいんじゃないかなと思いますね。やっぱり「日本で活躍して日本で1番になってベルトを獲って、世界に行こう」みたいに描く方も多いと思うんですけど、地続きでやってることは変わらないです。オファーを受けて交渉して、会場に行って試合して帰るっていう、その繰り返しをやるだけ。1回試合をしたからといって劇的にスターになるとかは全然ないです。実際に海外で試合をしたら、その試合を例えばYouTubeで無料で配信していたとしても、今応援してくれるコアのファンですら見てくれないって思った方がいいです。新しいファンを増やしたりできるのは、本当に写真1枚の積み重ねなんじゃないかなと。自分の主戦場はSNSだと思うのがいいんじゃないかなって私は思います。日本・世界ではなく、もうインターネットで全部繋がっているので、自分のプラットフォームを持って。自分のSNSを強くするというのがレスラーとして1番強くなることだと思うので。それはデビューした瞬間からやってほしいし、これは今、自分の団体の選手に言ってます。ちなみに私はできてないです!!
――日本の中だけだとそういう発想ってなかなか持てないですね。
そんなことないです。時代はすごく変わってると思います。。そう思うのは、みんなに我闘雲舞でリングの大会をやるときに、リングを作ったことがない選手が多い大会自体ができるのか不安だっていうのを相談したことがあるんですよ。これはメイだったかな。そうしたら彼女は「でもリングの作り方、YouTubeに上がってるんで」って。そうか。先輩から見て学んで、メモしたり何度も作りながら覚えていくっていうんじゃないんだ、確かに矢野通選手がYouTubeにアップしてたわと思って。それでいいんだって。
――矢野選手、アップしてたんですね。
矢野選手が新日本プロレスさんの地方巡業で作ってるのをアップされていたんですよ。「これ見たらできるんじゃないですか」って話をされて。そういう発想なかったなって。だからついていくのに必死です。
――主戦場はSNSだという風に考えた、自分のSNSを強くするっていう。もちろん皆さん、希望としては持ってると思いますけど。真正面にそれを捉えているというところでは、すごいなと思いました、本当に。
私はできてないんですよ!
■後編はこちら
<インタビュアー:山口義徳 / プロレスTODAY総監督>
我闘雲舞「For the Future」
開催日時:8/31(土)10:30開場/11:30開始
会場:後楽園ホール
後日、大会全編配信予定
URL:https://www.youtube.com/gatohmove
視聴無料/Free to Watch
▼メインイベント スーパーアジア選手権 30分一本勝負
【王者】さくらえみ vs【挑戦者】駿河メイ
【Champion】Emi Sakura vs【Challenger】Mei Suruga
※第5代王者は3度目の防衛戦
▼セミファイナル アジアドリームタッグ選手権 30分一本勝負
【王者チーム】“ふたりはウサポポMaxheart♡”
SAKI&瑞希
【Champions】
SAKI & Mizuki
vs
【挑戦者チーム】“Popcorn Carnival”
小石川チエ&帯広さやか
【Challengers】
Chie Koishikawa & Sayaka Obihiro
※第14代王者組は初防衛戦
▼第5試合 シングルマッチ 30分一本勝負
バリヤン・アッキ vs 石川修司
Baliyan Akki vs Shuji Ishikawa
▼第4試合 タッグマッチ 30分一本勝負
“CDK”
クリス・ブルックス&高梨将弘
Chris Brookes & Masahiro Takanashi
vs
“相方タッグ”
日高郁人&藤田ミノル
Ikuto Hidaka & Minoru Fujita
▼第3試合 6人タッグマッチ 15分一本勝負
四ツ葉ミヤ&沙也加&桐原季子
Miya Yotsuba & Sayaka & Tokiko Kirihara
vs
奏衣エリー&高瀬みゆき&山下りな
Erii Kanae & Miyuki Takase & Rina Yamashita
▼第2試合 6人タッグ4wayマッチ 15分一本勝負
“新北京プロレス”
趙雲子龍&真琴姫&モッチ・リー
Choun Shiryu & Shinki & Mocci Lee
vs
“チーム・ガトム”
鈴木心&瀬戸ノノカ&谷綿ヒヨリ
Shin Suzuki & Nonoka Seto & Hiyori Yawata
vs
“チーム・タイ”
モノモス&シーバム&サワディー仮面
Monomoth & Shivam & Sawasdee Kamen
vs
“アジア連合軍”
ドクター・ゴア&JDL&アントーニオ本多 with UMA
Dr. Gore & JDL & Antonio Honda with UMA
▼第1試合 広海カホ デビュー戦 15分一本勝負
広海カホ vs 水波綾
Kaho Hiromi vs Ryo Mizunami