スターダムからAEWの超大物へ!岩谷麻優のIWGP女子王座に挑む“タイムレス”トニー・ストームとは!?
(写真:新井宏)
スターダムの10・5名古屋ドルフィンズアリーナで、“スターダムのアイコン”岩谷麻優のIWGP女子王座にアメリカAEWの“タイムレス”トニー・ストームが挑戦する。
トニーは、かつてスターダムに所属していた外国人レスラー。ほぼ無名の存在から日本で成長し、トップレスラーへと駆け上がった逸材だ。
たとえば、岩谷のシンデレラ・トーナメント3連覇の夢を打ち砕き初の外国人覇者となれば、“赤いベルト”ワールド・オブ・スターダム王座を岩谷から奪ったのもトニーだった。シングルでは通算で岩谷の0勝3敗1引き分け。つまり、トニーは岩谷に負けたことがないのである。それだけに、次のIWGP女子王座戦は7度目の防衛を狙う岩谷にとって、大きな正念場と言えるのではなかろうか。
(写真:新井宏)
1995年、ニュージーランド出身のトニーは4歳の頃にオーストラリアに移住。テレビを通じてWWEのプロレスを知りショーン・マイケルズやミッキー・ジェームズにあこがれると、13歳のときに地元のインディー団体でデビューを果たした。その後、親戚のいるイギリスに渡り、同国の老舗団体オールスタープロモーションズを中心に練習と試合を重ねていった。
2013年6月のREINA参戦で初来日。そのときは2試合をおこない、ともに第1試合のタッグマッチに登場した。日本デビュー戦では、現スターダムの朱里にフォール負けを喫している。
16年7月、2度目の来日がスターダムで、紫雷イオ(現イヨ・スカイ=WWE)からSWA世界王座を奪取した。前年、スペインでおこなわれた初代王者決定トーナメント決勝戦の雪辱を果たしての戴冠だ。17年4月にシンデレラ・トーナメント初の外国人覇者になると、5月にはイオのワールド・オブ・スターダム王座に挑戦し、30分ドロー。しかし、9月には美闘陽子のⅤ2を阻止して5★STAR GP初優勝。こちらも初めての外国人覇者で、シングル春夏の祭典連覇も初めての快挙だった。この記録は現在も破られていない。
(写真提供:スターダム)
この年の5★STAR期間中、ありえないことにトニーはスターダムとWWEとの活動を並行しておこなっていた。WWEメイ・ヤング・クラシックにエントリーし、準決勝でカイリ・セイン(宝城カイリ)に敗れるも、翌年の同大会ではイオを破って優勝を飾ってみせた。この年からトニーはWWE NXT:UKに合流。19年1月にはリア・リプリーを破り、NXT:UK女子王者となっている。
WWEではおもにNXT:UKで闘っていたが、メインロースター昇格から21年12月にシャーロット・フレアーのスマックダウン女子王座に挑戦後、退団。22年3月、オーエン・ハート・ファウンデーション・トーナメント出場のXとしてAEWに現れたのが、トニーだったのである。