【2AW】同期の持つ無差別級王座へ挑戦の最上九「吉田綾斗戦は、自分の寄り道が無駄ではなかったことを証明する戦い」
千葉密着・発信型プロレス団体2AWが2024年10月27日(日)、千葉市TKPガーデンシティ千葉にて「GRAND SLAM in TKPガーデンシティ千葉」を開催する。
今大会では2AW無差別級選手権試合が予定されているが、最上九は王者であり同期の吉田綾斗と対峙するこの一戦は、最上のプロレス人生にとって非常に重要な試合となる。
今回はその試合に向けた意気込み、そして同期である吉田に対する思い、タッグ王座戦の見解などを語ってもらった。
①初の同期対決、無差別級王座挑戦に懸ける想い
▼2AW無差別級選手権試合
《王者》吉田綾斗
vs
《挑戦者》最上九
「吉田とベルトを懸けて戦うのは初めてです。実は去年の5月にも一度タイトルマッチが決まっていたんですが、自分が腰のヘルニアで欠場してしまい、試合自体が流れてしまいました。だから今回、その時にできなかった分も含めて、しっかりとぶつかり合う機会がきました。正直、吉田との間には差を個人的には感じています。彼が一つの道を真っ直ぐに走ってきたとすれば、自分はあちこち寄り道をしてきたイメージです。でも、その寄り道も無駄じゃなかったことを証明しなきゃいけない。これまでいろいろな団体や試合形式で戦ってきた自分の全てを、この一戦に懸けて示したいと思っています」
最上はこれまで、デスマッチや多くの他団体での挑戦を経験してきた。FREEDOMSではデスマッチを、ヒートアップ、さらにはOSWなどで試合もこなしてきた最上の言葉にある「寄り道」は、まさにその多彩な経験を指している。しかし、そうした試合経験が最上に独自の強さをもたらしたことは間違いない。
②吉田綾斗へのジェラシー、そして尊敬
同期でありながら、吉田は常にスポットライトを浴びてきた存在だった。最上はその点について、「吉田と同期で、2015年の4月に一緒に入門しました。寮生活を共にし、毎日同じ環境で練習してきたんですが、最初から彼には羨ましさを感じていました。まず見た目が良い。背が高くてルックスも良いし、まずシンプルに見た目が羨ましいなっていうところからスタートして、やはり背があるとプロレスにおいても有利なんですよね。その体格差がアドバンテージになりますから」
そして「常にスポットライトを浴びていたのは吉田でした。当時からその点でジェラシーを感じていましたし、一緒にタッグベルト巻いていた時も、何だかんだで目立つのは吉田だったという悔しさがありました」
同期でありながら、常に先を走っていた吉田に対するジェラシーは、最上にとって強いモチベーションとなっている。しかし、最上は同時にその差を埋めるために他団体での経験を積み、幅広いプロレスの技術と知識を手に入れたと語る。
「この1年間、FREEDOMSやHEAT-UP、OSWといった他団体でシングルやタッグのタイトルに挑戦してきましたが、シングルのベルトを獲ることができなかったのは本当に悔しいです。だからこそ、今回の2AW無差別級選手権では、その悔しさを晴らし、ベルトを獲りたい。吉田が経験していないプロレスの幅広さを武器に、勝つために全力を尽くします」
③前哨戦を通じて感じたこと
最上と吉田は、今回のタイトルマッチに向けて前哨戦を重ねてきた。しかし、その中で二人の直接的な決着はついていない。
「前哨戦では3回ほど吉田と対戦しましたが、直接的な決着は一度もついていません。タッグマッチでは吉田のパートナーに勝ったり、自分のパートナーが負けたりと、いろいろな形で試合が進んできましたが、まだ直接の勝敗がついていない状態です。吉田は手札が多い選手ではないと思っていて、自分は前哨戦で出していない手札もあるので、どのタイミングで自分の手札を出すかがカギになると思います」
最上は、吉田との戦いを通じて自分のプロレス人生の集大成を示すべき場と考えており、この試合が最上にとって大きなターニングポイントになることを強調「今までベルトに挑戦してきて、善戦マンで終わっていた。”ホント負けたけど良かったよ”にはもうなりたくないので、勝っておめでとうって言ってもらいたい」と胸の内を明かした。
④吉田綾斗へのブーイング現象
最近の吉田に対する観客のブーイングについても話を聞いた。
「ここ最近、吉田が千葉で受けるブーイングは本当にすごいです。吉田は関西出身ですが、観客をうまく煽っているようにも見えます。自分としては、吉田がブーイングを受けることで、逆に自分への応援が強くなるので嬉しいんですが、あの現象は本当に不思議です」
この現象は2AWスクエアの独特な雰囲気も影響していると考えており、個人的には声を出しにくい会場だが、ブーイングを通じて観客が声を出しやすくなっていると最上は分析している。吉田のブーイングが、観客の声援の流れを変えるきっかけになっている可能性もあり、その点をどう試合に活かしていくかが見どころとなるだろう。