大日本参戦の“プロレス留学生”マリー・ハナ「知識を吸収し、失敗を恐れない挑戦を続けるのが、台湾のプロレス精神だと思っています」
マリー・ハナ(25歳)、台湾のプロレス団体「パズルプロレス」に所属し、2020年にプロレスデビューを果たした新進気鋭のレスラーである。2024年、来日し、大日本プロレスでの修行を開始した。今回はその心境と日本でのプロレス活動についてインタビューを行った。
①自己紹介
――まずは自己紹介をお願いします。
「台湾のPuzzle Pro Wrestlingから来たマリー・ハナです。よろしくお願いします。」
――25歳という若さですね。日本に来た感想はいかがですか?
「日本は本当に大きくて驚きました。特に、試合会場へ向かうたびに、その距離感や規模の違いに圧倒されます。移動中の景色も多様で、とても新鮮な体験です。」
②大日本プロレスに参戦して感じた事
――現在、大日本プロレスで修行中のマリー・ハナ選手。2020年にデビューし、台湾のPuzzle Pro Wrestlingで活躍していましたが、日本のリングに挑む中でどのような思いを抱いているのでしょうか。まずは日本での活動についてお聞きします。
「日本に来たのは本当に幸運でした。今年4月、新木場大会で急遽橋本和樹選手の代打として出場したのがきっかけです。あのときは正直、自分が大日本プロレスのリングに上がるなんて想像もしていませんでした。でも、それが本当に楽しくて、もっと学びたいと思うようになったんです。」
――7月には青木優也選手が台湾遠征を行い、その際にマリー選手から日本で修行したいという強い希望があったそうですね。
「はい。青木選手と話して、自分のゴールがどこにあるのかをもっと探したくなりました。日本のプロレスには、台湾では得られない刺激や文化があって、それを肌で感じてみたかったんです。運良く7月から留学生として来日が決まり、すぐにたくさんの試合に出場させてもらえるようになりました。」
――デスマッチへの挑戦はいかがですか?
「デスマッチは本当に大きな挑戦です。私はデスマッチ選手ではありませんが、星野さんや宮本さんのような経験豊富なデスマッチ選手との対戦を通じて、多くのことを学んでいます。リング上では試行錯誤を重ねながら改良を続けています。怖い部分もありますが観客の反応も非常に温かいので励みになりますね。」
――特に大日本プロレスでの試合で楽しんでいるポイントは何でしょう?
「まず、試合のバリエーションが多いことです。激しいハードファイトもあれば、楽しいプロレスもある。その両面が共存しているところが大日本プロレスの魅力だと思います。また、試合後に観客が拍手をくれるのを見ると、『やって良かった』と感じる瞬間が多いです。」
――他の選手とのスピリットの違いについても語っていましたね。
「そうですね。例えば、関本さんのブラックパンツや青木さんのブルーパンツ。それぞれのスタイルやスピリットが異なります。でも、全員に共通しているのは『プロレスへの真剣な思い』です。その中で、自分も自分らしいスピリットを模索しています。」
――横浜の街が気に入ったんですね。
「はい、大日本プロレスの特徴の一つは、商店街プロレスをよく開催しています。駅の近くから、まるで住宅街のような場所まで、様々なロケーションで行われます。そのたびに景色が全く異なり、時々熊川さんに『これって本当にまだ横浜ですか?』と聞いてしまうほどです。」
――大日本プロレスで修行をしているとのことですが、練習はどうですか?
「大日本プロレスの練習はとても厳しいです。台湾では選手それぞれが本業を持っているため、毎日ほかの選手と会って、一緒にスクワットや腕立て伏せをするなんて想像できません。でも、日本では体力トレーニングの要求が非常に高くて、毎回、みんなが真剣に練習しているのを見て、自分も頑張らないとと感じます。」
――試合も始まっていますね。大日本プロレスのマットに立ってみて、どんな印象を受けましたか?
「大日本プロレスの試合は、すごくスピード感があって、観客の反応もすごく温かいです。台湾ではあまり観客の反応が大きくないので、こうして応援してくれるお客さんの存在にとても感動しています。」
――大日本プロレスの特徴として、ジュニアヘビー級のスピーディーな戦いと、デスマッチファイターの肉体戦がありますが、マリー選手の武器は何ですか?
「台灣のプロレス環境は、日本と比べると、資源や注目度がまだ少ないです。でも、強くなるために、色々な格闘技術を勉強し、技の幅広さを武器にしています。私はなんだか変な存在、いわばキメラのようだと言われるかもしれませんが、知識を吸収し、失敗を恐れない挑戦を続けるのが、台湾のプロレス精神だと思っています。」