大日本参戦の“プロレス留学生”マリー・ハナ「知識を吸収し、失敗を恐れない挑戦を続けるのが、台湾のプロレス精神だと思っています」

③日本のプロレスと台湾のプロレスの違いとは

――日本のプロレスのスタイルについてどう思いますか?

「日本のプロレスは非常に技術的で、レスラーが観客にどう見せるかを考えている点が特徴的です。また、多くの異なる会場で大会が行われるため、選手はそこで多くの経験を積むことができます。一方、台湾のプロレスはまだ発展途上で、環境が限られる中でも、選手たちは現状の条件を最大限に活かして挑戦を続けています。このような挑戦する精神や、魂を通じて感情を伝える方法は、日本と台湾で共通していると感じます。」

――台湾のプロレスシーンについて教えていただけますか?

「台湾には今、プロレスのプロモーションが2つあります。けれど、お客さんの規模はまだ小さくて、プロレスそのものを深く理解している人は少ないんです。例えば、日本の観客は試合中に拍手や『頑張れ!』という声援を送ってくれますよね。それに、紙テープも投げたりする。でも台湾では、観客がプロレスの雰囲気を楽しむことはあっても、細かいルールやプロレスの深い部分を理解しているとは言えない状況です。」

――台湾のプロレスと日本のプロレスの違いをどう感じますか?

「台湾ではまだプロレスが発展途上で、観客も試合のルールや技の意図を完全には理解していない部分があります。それに対して、日本では観客がプロレスそのものを深く理解していて、技のひとつひとつに大きな反応を示してくれる。例えば、紙テープを投げて応援する文化や、選手の動きに合わせた拍手や声援など、試合を通じて選手と一緒に物語を作り上げているような感覚がします。この違いはとても刺激的ですね。」

――プロレスに興味を持ったきっかけを教えてください。

「私のおばあちゃんが大のプロレスファンだったんです。幼い頃、一緒にプロレスを見ていましたが、当時は試合の意味や技の意図がよく分からなくて怖いと思うこともありました。特に張り手や投げ技の痛そうな場面を見て、『どうしてこんなことをするの?』と疑問に思ったりして。でも成長するにつれ、プロレスの技術や精神を理解できるようになりました。それからは試合を観るのが楽しくなりました。」

――大日本プロレスでの経験について聞かせてください。

「大日本プロレスに初めて参加したとき、観客の一体感や選手同士の熱量に圧倒されました。体も心も準備が必要で、毎回試されている気持ちになります。でも、試合後に観客から拍手をもらうと、それだけで『やって良かった』と感じますね。大日本プロレスではハードファイトだけでなく、エンターテインメント性のある試合も多いので、どちらも楽しめる環境が魅力です。」

 

④憧れのレスラー像

――憧れのレスラーや目指しているスタイルについて教えてください。

「最初は台湾でプロレスを始めた頃、キャラクター重視のスタイルが主流で、僕自身も少しコミカルな方向性で試合をしていました。でも、日本に来てから考え方が変わりましたね。特に浜亮太選手や相撲のバックグラウンドを持つ選手たち、それにデスマッチの要素を取り入れたレスラーの試合を見て、シリアスなファイターとしての側面をもっと追求したいと思うようになりました。日本のプロレスは多様性にあふれていて、シリアスで激しい試合もあれば、ファンを楽しませる試合もあります。この『境界線のない』自由さがとても魅力的です。」

 

⑤今後の目標や日本での活動

――今後の目標や日本での活動については?

「僕が目指しているのは、型にはまらない選手になることです。シリアスでありながらユーモアも忘れない、境界線のないスタイルですね。例えば、覆面レスラーのようにキャラクター性を前面に出した試合もあれば、ハードヒットな試合やデスマッチにも挑戦したい。自分の中でプロレスを“これ”と限定せず、いろんなスタイルにチャレンジしてみたいんです。幸いにも日本ではそういった学びの場がたくさんあって、毎日新しい発見があります。」

――日本での活動をどのように楽しんでいますか?

「とても楽しいですよ。試合だけでなく、プロレス文化そのものを学ぶのが面白いです。僕の入場時に見せるタコダンスが意外と人気になったのも驚きでした(笑)。こういったファンとのやりとりを通じて、プロレスラーとしての新しい側面が引き出される感覚があります。それに、大日本プロレスに参加することで、多くのトップ選手から学ぶ機会も得られました。彼らの試合を見ていると、本当に自分ももっと成長したいという気持ちになります。」

 

⑥ファンへのメッセージ

――最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

「僕にとって日本での挑戦はまだ始まったばかりです。これからも様々なスタイルに挑戦し、観客の皆さんに楽しんでもらえる試合を見せていきたいです。ぜひ会場に足を運んで、僕の成長を見届けてください!」

マリー・ハナは日本のプロレスに挑戦するため、日々成長し続けている。これからの活躍に期待が高まる。

インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)

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