声優からレスラー転向の叶ミク 女子同士が闘う意味を知り、プロレスデビューでプロレスを痛感!

彼女は合計44回、アクトレスの公演でリングに立った。そのなかには全日本プロレスのリングにも2回立っている。純プロレス、しかも男子の老舗団体に「アクトレスタイム」としてアクトレスガールズを披露。そのなかの1回が、大田区総合体育館でのビッグマッチだった。
「これまで大田区のような大きな会場でやることがなかったのですごく緊張すると思っていたんですけど、逆にすごいパワーになりました。気持ちよかったです! しかも、たくさんの方に見ていただけて評価もしていただいて、すごくうれしかったですね。それまでは毎回緊張していたんですけど、これを機にもっと楽しもうと思えるようになって、自分がちょっとずつ出せるようになってきたかなと思います」
プロレスのリングを経験し、プロレスへの思いが純粋に大きくなっていった。そして、2年近く在籍していたアクトレスを退団する。
「プロレスをやりたくなりました。プロレスに集中したい。ホンモノのプロレスをやりたいと思うようになったんです」

「写真提供:T-HEARTS」
T-HEARTS所属となり、叶ミクをリングネームに本格デビューをめざすことになった。そこで師事を仰いだのが、堀田祐美子。全日本女子プロレスのレジェンドであり、いまなお現役。しかも、アクトレスの元プレイングマネジャーだ。しかし、叶と堀田はアクトレスで結びついたのではない。それは運命とも言える奇跡的な偶然だった。アクトレスの営業活動をしているなかで古くからのプロレスファンと知り合い、他団体のプロレスを観戦するようになるとプロレスラーになりたいとの思いが大きくなり、アクトレスの選手を育ててきた堀田と通じたのだという。
「堀田さんと出逢ったのが今年の春くらいですね。そこで、プロレスをやりたい気持ちを伝えました。そのとき、自分はすごく弱い人間で強くなりたい、自分の気持ちを伝えるのがすごく苦手で、そんな自分を変えたいんですとも話しました」
ただ、堀田は当初、彼女の志願にあまり乗り気ではなかった。それでもプロレスをやりたいとの熱意を彼女なりに伝えていった。すると…。
「堀田さんも『実は自分も弱くて、プロレスで強くなったんだ』とのお話をしてくださいました。あんなに強くてカッコいい堀田さんなのに、それが意外すぎて驚きました。だったらなおさら、私も堀田さんのように強くなりたい。だから堀田さんのもとでぜひお願いします!とお願いしました」

そして彼女は、T-HEARTS所属として練習開始。堀田からは技術的部分はもちろん、精神面でも多くの教えを受けている。
「堀田さんからは、とにかく気持ちを強く持てと言われます。辛い練習を乗り越えたら絶対に強くなれるからと。自分が一番だと思いなさいと毎回言ってくださって、それが試合前のパワーになりますね。あとは、たくさん練習しなさいと。チャンスをつかむために練習していれば、チャンスが来たときにアナタは行けるから準備しておけと言われますね」
他団体への出稽古にも臨み、9・2新宿での桃野美桜戦で本格デビューを飾った。そこであらためて、プロレスを痛感した。
「プロレスは容赦なかったです。ドロップキック一発がきつくて死ぬかと思いました(苦笑)。それが気持ちいいじゃないけど、(プロレスラーになった)実感がすごかったです。桃野さんのようなすごい選手と試合させていただいて、本当にうれしかったですね」

「写真提供:T-HEARTS」
その後も試合を重ね、11月9日のアイスリボンで若菜きらりからシングル初勝利。その後リベンジを許すも、試合を重ねるごとにプロレスができる充実感をおぼえている。
青野未来をはじめ、アクトレス時代をともにした選手の何人かが現在マリーゴールドで闘っている。彼女たちが新団体へ移ったとき、「違うところに行ってしまったのが寂しくて、私も追いかけようかと思ったこともあるんですよね」と、叶。しかし現在は彼女たちの活躍が刺激になっており、同じフィールドに立ったからこそいつかは闘ってみたいとも思っている。そのためにも、彼女自身の大きな成長が必要だろう。目標とする選手は、デビュー戦の機会を与えてくれたSareee、そして、かつて堀田が育てた安納サオリ(スターダム)だ。
「強いSareeeさんが大好きなんですよ。気持ちも強いし、技の一つひとつが強いですよね。また、アクトレス出身ということもあり、安納さん。引っ張りだこですごい人気じゃないですか。人気のトップであり、強さでもトップ。そんな選手に私もなりたいと思います!」

インタビュアー:新井宏














