【編集長インタビュー】獣神サンダー・ライガー②「オカダカズチカがうらやましい」

――オカダ選手とケニー・オメガ選手の攻防は？

ライガー　「死んじゃうんじゃないか」とか、色んな意見が出ているようです。確かに急角度で落としたりしている。プロレスは殺し合いではありません。殺し合いはダメだけど、本人たちは納得して試合をしている。僕たちが「やめろよ」という権利はないんじゃないですか。彼らは練習をして食事も考えて、素晴らしいコンディションを作り上げているんです。

――だからこそ、とことん闘いあえる？

ライガー　二人はプライドをかけてぶつかり合っている。ファンは興奮して声援を送っている。ブーイングはありません。ただ「よりスゴク」「より強く」と欲求はどんどんエスカレートしていく。人間のやることだから、いつかは限界が来る。プライドをかけて闘っている彼らも、いつかは限界が来る。でも他人が口出しすることじゃない。二人の問題です。それを僕らは見届けるしかない。

――プロレスラーは「覚悟」を決めてリングに上がっているんですね

ライガー　ベイダー選手が「ウィル・オスプレイVSリコシェ」について、批判的なことを発信していたけど、僕は言いたい。「では、あなたは彼らのようなことができるんですか」と聞きたい。二人にしかできない戦いを、覚悟もプライドもすべてをかけて、彼らはやっている。エキサイトして「また見たい」というファンが大勢いるんだ。外野は「黙っていて」だね。

――オカダ選手は猪木さんの様になれますかね

ライガー　間違いない。なれますよ。ただ、猪木さんがプロレス山の頂上にいらっしゃるとしたら、オカダ選手は６合目ぐらいかな。

――まだ６合目ですか

ライガー　プロレスは奥が深くて難しいんです。彼はまだまだ伸びしろがある。成長できる。もっともっとスゴイチャンピオンになれる。僕なんか、まだ登山口のあたりをウロウロしているよ。売店で「味噌こんにゃく玉」を食べているところだよ。

――IWGPインターコンチネンタル王者に返り咲いた棚橋弘至選手はいかがでしょうか？

ライガー　彼もまだまだ伸びしろがある。彼が無冠の時も僕は敬意をこめて「チャンピオン」と呼んでいたけど、プロレスを背負って走り続けている。世間の目を「プロレスはスゴイ」というところまで、もっていった人ですよ。リング上で「愛してま～す」と叫び続けた。最初はファンも関係者も冷たかった。僕も「リング上は愛を叫ぶところじゃない。闘う場所だ」と否定的だった。でも、やり続け、拍手と歓声を集めるようになった。ついには「愛してま～す」をやらないと、ファンが席を立たなくなった。素晴らしいじゃないですか。

プロレスは奥深い。ライガーをして「まだまだ登山口だよ」といわせるほど“プロレス山”は高く険しい。「プロレスへの愛」「プロレスラーの覚悟とプライド」にあふれるライガー節はまだまだ尽きません。（続く）

（撮影：二瓶隆弘）

ライガー選手インタビュー第1回
【編集長インタビュー】獣神サンダー・ライガー①「内藤は許せない」
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