【新日本】坂井澄江が26年のキャリアに幕!ヒロム・岩谷・坂崎に囲まれて感謝のメッセージ「みんなが私を幸せにしてくれた」
新日本プロレスは1月11日(日本時間12日)、カリフォルニア州サンノゼのSan Jose Civicで『Battle in the Valley 2025』を開催した。
『Battle in the Valley 2025』
日時:2025年1月12日 (日) 17:30(PT)開場19:00 (PT)開始
会場:アメリカ・San Jose Civic(カリフォルニア州・サンノゼ)
観衆:1,814人
注目の第5試合では、坂井澄江の引退試合が行われ、高橋ヒロムがスターダムの岩谷麻優、AEWの坂崎ユカとタッグを組み、坂井澄江、EVIL、SHOと対戦した。
▼坂井澄江、26年のキャリアに幕
1997年にJd’でデビューした坂井は、2003年から活動の拠点をアメリカに移し、日本人レスラーとも深い親交を持ってきた。2019年のニューヨーク・MSG大会では、長期欠場中だったヒロムへのメッセージを込めてカマイタチのコスチュームで登場するなど、ファンや同僚から愛される存在であった。
引退試合のきっかけは、2024年12月16日に行われたロングビーチ大会での坂井の発言だった。「私の引退試合の相手になってください」という直球の依頼にヒロムが快諾。さらにヒロムは、坂井と親交のある岩谷麻優と坂崎ユカをパートナーに指名し、試合形式は6人タッグマッチに決定した。
一方で、坂井を取り巻くストーリーは複雑だった。EVILとSHOがヒロムに対して挑発的な行動を繰り返し、坂井は戸惑いつつも2人をパートナーに迎える選択をした。
▼異色タッグが見せた熱闘
試合当日、坂井はカマイタチのコスチュームを纏った人物にエスコートされて登場。EVILとSHOも姿を現し、試合開始早々ヒロムを急襲した。EVILは「オマエへの恨み節を晴らす」とマイクで挑発し、ヒロムとの因縁を全面に押し出した。
試合中盤、坂井と岩谷の一騎打ちが実現。坂井は感極まった表情で握手を求めるが、直後にヒロムとの攻防に移行。観客からは歓声が上がり、坂井が長年培ってきた技術を披露する場面も見られた。一方、EVILとSHOは試合の流れを変えようと執拗な攻撃を見せたが、坂井はその度に中立的な立場を保とうとする姿勢を見せた。
▼観客の「スミエ」コールが響く
終盤、ヒロム、岩谷、坂崎が連携して坂井を攻め立てた。坂井はエルボーとチョップで抵抗を見せ、場内は「スミエ」コールで一体感に包まれた。しかし坂崎のマジカルメリーゴーランド、岩谷のムーンサルトプレス、そしてヒロムのTIME BOMBが次々に炸裂し、最後はヒロムが坂井を押さえ込んでピンフォール勝ちを収めた。
▼坂井が見せた感謝
試合を終えた坂井がリングを去ろうとした時にヒロムが引き止め、引退セレモニーへ。
場内は「スミエ」コールに包まれ、「サンキュー、スミ!」の声援が響き渡る中、リング中央で感動的な別れの瞬間が演出された。
坂井がリングを去ろうとする瞬間、試合を終えた選手たちがリングサイドに集まり、坂井の驚きと感動の表情が見られた。
最初にマイクを握ったのは坂崎ユカ。「スミエさん、あなたのおかげで心を開くことができました。これからもよろしくお願いします!」と感謝を述べ、会場から大きな拍手を受けた。
続いて岩谷麻優が「スミエさんはいつも他人の幸せばかりを考えている。これからは自分の幸せを第一にしてください!」とエールを送り、「スミエスマイル、ナンバーワン!」の言葉に観客から歓声が上がった。
最後に高橋ヒロムがマイクを持つと、「スミエさん、このジャケットを覚えていますか? あなたと出会えたことが俺の宝物です」と語り、自身のジャケットを坂井に羽織らせた。その場内は再び「サンキュー、スミ!」の大合唱に包まれた。
坂井は英語で「正直言って、人生ってとっても厳しい、いい時もあるけど、とっても悪い時もある。笑った数よりも泣いた数のほうがずっと多い。でも今日、私は世界で一番ハッピーなレスラーです。あなたたちみんなが、私をそうしてくれた。本当にありがとう。みんな大好きだよ!」と感謝を伝え、観客を魅了した。その後、出場選手たちとの記念撮影や胴上げ、10カウントゴングが響き渡り、坂井のプロレス人生に幕が下りた。
坂井はリングサイドのレスラーたちと抱擁を交わしながら花道を退場。観客の拍手と声援の中、笑顔で最後の一礼を行った。その姿は、長年愛され続けたプロレスラーとしての誇りと感謝を象徴していた。
■試合後バックステージコメント
ヒロム「(※拍手しながら坂井を連れてきて)もう一回、もう一回! ありがとうございました! お疲れ様でした!」
岩谷「(※拍手しながら)澄江さん、ありがとう!」
坂崎「ありがとう!」
ヒロム「(※坂崎を坂井の隣に誘導しながら)どうぞ、どうぞ。お疲れ様でした」
坂井「嬉しいよ。本当にもう世界一幸せ者。ありがとう。だって、ユカちゃんの曲かかって、ユカちゃん走ってきて、YouTubeかと思ったし、麻優ちゃんの曲かかって、『来た! 岩谷麻優、来たよ!』って思って」
ヒロム「見たことある人だって」
坂井「ヒロムさんの曲がかかって、ヒロムさんが来た時に、『あっ、ヤッバ!』って新日本プロレスワールドを家で見てる感覚になっちゃって。そうしたらなんか、『アァ。むっちゃ幸せやん』って思って、初めに泣けちゃって。初めに泣いたらあかんのに泣けちゃって、その後は全然泣けへんかった。だって、みんな酷い」
ヒロム「まぁまぁ確かに最後は酷かったですね」
坂井「私、引退するって決めたんやから、もうちょっと手加減してくれればいいのに。でも、まぁいいか。そういうとこが好き、アナタたちの。もう大好きな人に囲まれて幸せ。ありがとうございます」
ヒロム「素晴らしい引退試合でした」
坂井「いや、もうちょっと本当に……」
ヒロム「本当に澄江さんがこうやって引退試合なかったら、自分たち組むことはないですから」
坂崎「そうなんですよ、本当に」
坂井「本当に私は麻優ちゃんのことを友達としてもレスラーとしても尊敬しているし、ユカちゃんも本当にお友達としてもレスラーとしても尊敬してて、ヒロムさんは本当になんやろう? もう本当に凄い! 凄いの」
ヒロム「あの、そんな凄くない人に言う時の、とにかく凄いっていう。特に何を言ったらいいかわからないけど、凄いって言っておけばいいやみたいな」
坂井「凄いの、凄いの。そう凄いの。本当にありがとうございました、皆さん」
岩谷「ありがとうございました」
坂井「またこれをきっかけに」
ヒロム「えっ、復帰するんですか?」
坂崎「(※拍手)パチパチパチ!」
坂井「これをきっかけにまた3人あれとか、こことここをあれとか、みんな期待しているから」
ヒロム「HOUSE OF TORTURE入ったりしないですよね?」
坂井「入らない、入らない」
ヒロム「ちょっとやめてくださいね」
坂井「悪いことはしません」
ヒロム「あそこだけは入っちゃダメですよ」
坂井「でも、EVIL、来てくれて良かった」
ヒロム「来ましたね、確かに」
坂崎「やっぱり、ね?」
坂井「やっぱり好きなんだね、私のこと」
ヒロム「オオゥ、起こしていきますね。いや、いいことです。いいことです」
坂井「私のこと好きだわ、アイツ」
ヒロム「あの2人、好きだったんですね。良かった、良かった」
坂井「良かった」
坂崎「酷いこともされてましたけど(笑)」
坂井「いや、酷いよね」
ヒロム「まぁまぁ酷いでしょうね」
坂井「酷いよね」
ヒロム「澄江さんが、なんであの2人をパートナーにしたのかわかんないです。どうしようかと思いました。だって、こっち女性2人と男性1人なのに」
坂井「みんなに言っちゃいけないこと言うぞって思ったもん」
ヒロム「『言っちゃいけないこと言うぞ』、気になっちゃいますね、それね」
坂井「言わない、言わない(笑)」
ヒロム「『言っちゃいけないこと言うぞ』はヤバい」
坂井「言わないけど。ありがとうございました、本当に」
坂崎「ありがとうございました」
岩谷「ありがとうございます」
ヒロム「ありがとうございました」
坂井「みんなのおかげです。はい、じゃあ、帰ろっか?」
ヒロム「帰りましょうかね」
坂井「帰ろう」
ヒロム「ありがとうございます」
坂崎「ありがとうございます」
岩谷「ありがとうございました」
坂井「(※英語で))なんて言っていいのかわからないわ。今、とても幸せよ。そしてみんな、大好きよ! 今日は人生で一番最高な日。以上よ! ありがとう、みんな。ありがとう!」
EVIL「ウワァ…ウワァ…ウワァ…アァ…(※と呻きながら、床に倒れ込み)あの野郎、調子乗りやがって、クソが! まぁええわ。オウ、いいか、オイ、俺はよ、日本には帰らねぇからな。(※立ち上がって)グッバイ・ニュージャパン。わかったか。よく覚えておけ」
SHO「(※呻き声を上げながら、這いずってやって来て)ウゥゥゥ……クソが……。訳のわからん田舎もんと組ませやがって、クソッタレ、オラ! オイ、こっちはよ、高橋ヒロムに恨みがあっただけなんだ、コノヤロー! 今日出てたヤツらも全員、ただの田舎もんやろうが、このクソッタレどもが、オラ! こんなよ、オイオイ、田舎もんがおるとこなんか来るか、オラ! クソが! この罰当たりヤローが!」
<写真提供:新日本プロレス>
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