全日本プロレス・ELPIDAの本田竜輝に注目 「微笑みの王道戦士」の秘めたる野望

【柴田惣一のプロレス現在過去未来】

全日本プロレス・ELPIDA(希望)の「微笑みの王道戦士」本田竜輝が、悲願の三冠王座奪取に向け決意を固めた。

本田は昨年5月、安齊勇馬、綾部蓮、ライジングHAYATOとともにELPIDAを結成した。平均年齢25・25歳という若きユニットで、ユニット名もメンバーで話し合って決めるなど、公私に渡って仲良し4人組が全日本マットに旋風を巻き起こした。

ところが安齊が三冠王座から、HAYATOが世界ジュニア王座から陥落し、アジアタッグ王座を安齊、HAYATO組で保持しているものの、ユニット勢力図では劣勢に甘んじている。

三冠王座は斉藤ジュン、世界タッグ王座はジュンとレイの斉藤兄弟、世界ジュニア王座は「ミスター斉藤」こと土井成樹と、主要タイトルを「斉藤軍団」に独占されてしまった。


写真:柴田惣一

リング上の気迫あふれる表情からは想像もつかないほど、普段はニコニコと笑みを絶やさない本田も、ELPIDAの地盤沈下にさすがに顔色が変わって来た。

「まずは三冠王座をELPIDAに取り返さないと」と口を真一文字に結んだ。ELPIDAはメンバー4人が対等な関係。誰もがリーダーになったり、ムードメーカーを務めたりできる。エースは安齊と決まっているわけではない。

1・26千葉・幕張大会で安齊が三冠王者・斉藤ジュンに挑戦する。もちろんサポートは惜しまないが「安齊はすでに一度、三冠王者になった。素晴らしいことだけど、彼の背中を追いかけるつもりはない。俺も頂点に立つ」とズバリ。元より安齊は後輩。先を越されて悔しくないはずがない。

斉藤ジュンも年こそ上だが、キャリアは本田の方が長い。「彼は弟のレイとともに斉藤兄弟として人気もスゴイ。でも負けたくない」と勇ましい。

子どもたちを中心に本田人気にも火が付き始めている。反則プレーをおかしながら「1、2、3、4」とレフェリーと一緒になって自ら反則カウントを数える「微笑みの反則」プレーには、共にカウントをコールするファンが増え続けている。

時折、披露する勝利の舞「ホンダンス」をリクエストする声も日に日に大きくなっている。「ともに喜んでもらえたら嬉しい限り」と本田の声も弾む。ちびっこファンと一緒にリング上で踊りたいという希望もある。「ホンダンスは元気になるよ! 元気になりたい人は一緒に踊ろう!」と呼びかける。

嬉しい! 楽しい! おいしい! 良かった! などポジティブな言葉を素直に口にする。変な気取りもなく自然体。大人になるにつれ忘れてしまう純粋な心を持っている。とにかく明るい。そして元気いっぱい。人を笑顔にする。「明るく楽しく激しいプロレス」という全日本プロレスを体現している。

安齊は5月生まれだが、本田の誕生日は2月11日で、綾部が2月13日、HAYATOが2月24日とELPIDAの三人が2月生まれ。「2月の誕生日パーティーにベルトがいっぱいあると盛り上がる」とニンマリ。


写真:柴田惣一

全日本は斉藤兄弟や安齊だけではない!俺もいるぜ! 微笑みを絶やさない本田が心の底から大笑いする日がやってくるのか。そう遠くはないはずだ。

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