【独占対談】里村明衣子×ウナギ・サヤカが本音対談!女子プロレスと結婚のリアル「結婚するならレスラー辞める」
“女子プロレス界の横綱”里村明衣子(センダイガールズプロレスリング)と“極彩色に翔ける傾奇者”ウナギ・サヤカが、日本財団の公式YouTube番組「2SQ-ツーショットクエスチョンズ-」で特別対談を行った。
2月16日のウナギ自主興行『殿はご乱心 我が名は』を前にしたこの特別企画では、キャリアや試合への思い、女子プロレスの未来など多岐にわたるテーマを語り合った。
プロレスラーとしての生き方や結婚・出産との両立に関する率直な意見も交わされ、2時間に及ぶ熱い議論が展開された。【記事提供:日本財団】
※全3回の特別対談『第3弾』を掲載
第1回【独占対談】里村明衣子とウナギ・サヤカが2.16後楽園決戦を前に赤裸々対談実現「女子プロレス入門とデビュー後の葛藤」
第2回【独占対談】里村明衣子とウナギ・サヤカ、女子アスリートとしての挑戦を語る「生理と戦う女子レスラーの覚悟」
【ワンマッチ前哨戦】里村明衣子×ウナギ・サヤカ Ι 女子プロレスNGなしの質問 Ι 2SQ
―― Q35 結婚を考えたことはある?
里村)あります。
ウナギ)あります。ありますよね。
里村)ある。
ウナギ)私本当にすぐ辞めますよ。結婚することになったら。
里村)結婚する時は辞める?
ウナギ)とは今は思ってます。無理じゃないですか。結婚してプロレスラー。プロレスラー同士だとありなのかな。でも辞めたい、結婚するなら。だってこんな生活を背負わせたくないですよね。旦那さんに。すごいことやってるじゃないですか。多分あり得ない生活だし。こんな身も心もガタガタになる職業を共に生きていけない気がします。
里村)私もあります。まだ付き合って2年ぐらいだったんですけど、すごい好きな時に(相手に)言われたんですよ。「明衣子さ、もう(プロレスは)十分やったじゃんって。もういいんじゃないの?」って。その時にすごい私の心の底から「いや、あんたには分からないんでしょう。何がわかるの?」って思っちゃったんですよ。それが自分の本音だったんですよね、多分。いや、まだできるみたいな。まだやりたいんだみたいな気持ちがあったんだなって思ったんですよ。でもそれ、実際に声には出せなかったですけど。
ウナギ)辞めなくてよかったです。
里村)辞めなくてよかった。
ウナギ)私もありますけど。そんなあんまり深い感じじゃないかもしれないです。プロレスやってる時じゃなかったんですけど、まだ一旗揚げてないみたいな。まだやりたいなっていうのを止められなくて。人に決められることじゃないですからね。辞める、辞めないは。
―― Q36 子どもを持つことを考えたことはある?
里村)あります。
ウナギ)私もあります。難しいと思いますよ。いや、いますけどね。子供いながらやってる選手、広田さくらとか、いや相当大変ですよ。双子を育ててますけど、赤ちゃんの時から現役でずっと移動を一緒にしながら。
里村)すごいです。
ウナギ)すごいなって思う。だってね、今欠場されてるんですよね。怪我されて。それでもやっぱこの二人を育てなきゃいけないっていう。なんかそういう意味ではもう本当に広田さくらの人生を見て、子供ってマジで大変なんだなっていうのを共に歩ませてもらってる感じ。本当にこんなちっちゃい時から子供たちを見てるんで、すごいと思います。
―― 身体のダメージとかやっぱり気になるとか思います?
里村)出産したことないので分からないですけど、ダメージは相当あると思うんですよね。それでやっぱり現役続けてる選手はすごい少ないですよね。
ウナギ)ジャガーさんとかってこと。
里村)ああ、そうだ、私が育てた後輩が、それこそ一番いい時期にチャンピオンになって、これから団体で売り出すという時に、いきなり「結婚します」という風に言われて。私としては会社やってるので、この子で売り出すのにって思ったんですよ。私はその時に「後悔するよ。 今いい時じゃん」って止めてしまったんですよね。その子、幸子(元センダイガールズプロレスリング所属・仙台幸子選手)って言うんですけど、幸子も当然悩む。でね、旦那さんものこともあるし。で、ある時幸子のお母さんから電話がかかってきたんです。で、私も正直にいや、幸子は今辞めたら絶対後悔すると思いますっていうふうに言ったら、「里村さん、幸子は幸子の幸せがあるんです。それを考えてあげてください」って言われたんですよね。その時に自分が自分のエゴでしか考えてなかった、会社のことしか考えてない。でも幸子は自分の人生をこれから歩もうとして、私にちゃんと決意を言ってきてくれたのに、すごく申し訳ないことをしたなって思ってしまって。だから本当に女性っていうのは、適齢期、結婚の適齢期と、女子プロレスラーって20代であれば旬だから、その時って被ってるじゃないですか。これからは、選手は結婚も考える人もいるだろうし、出産も考えているだろうし、それは難しい問題ですけど、でもやっぱり最後は自分の人生を優先してあげた方がいいんだなと思いますね。幸子、今3人子供いるんですよ。良かったと思います。
―― Q37 プロレスラーと「子育て」の両立は可能?
ウナギ)でもこれは本当に周りの理解も絶対必要じゃないかと。
里村)周りの理解。
ウナギ)だって広田さんがあれを成立させたって、やっぱり周りじゃないですか。私たちでも遊びますので。一緒に子供達と。
里村)女子プロレスラーって子供好きいっぱいいるので、みんな絶対見てくれます。遊んでくれて。
ウナギ)でも、できないと思います。すごいなと。絶対私はできないなって思います。
里村)わたしもちょっと無理だな。プロレスラーじゃなくても、子育てしながら仕事をしてる女性って本当にすごいと思いますよ。だって、自分のことの身支度で朝出社するのもすごい大変なのに、子供の準備して子供見送ってから仕事行くわけですよね。すごくない?
ウナギ)すごい。
里村)無理。
ウナギ)無理です。
里村)でもそういうシステムは整えたいですね。今後。まだうちには結婚出産してカムバックしてくるっていう選手はいないので、そういう選手が一人いたらまたいい見本になるのかなと思いますね。
ウナギ)それはありますね。普通に怪我して1か月欠場するだけでも、やっぱ何か失うものって結構あるんで。それこそ私本当に最近肋骨折れて1ヶ月欠場したんですけど、休んでる間に世界は動いていくんです。自分以外のものは動いてて。自分のライバルだと思った人がどんどん活躍していって、絶対取り残されるので。そこは1年って考えたらすごい大きいですよね。想像つかないです。家庭持ってる男子レスラーも大変だとは思うけど。女子あんまりいないです。大変だからこそあまりないのかも。まだ。
里村)本当課題だよね。