「情熱一直線」征矢学が「暴露系」OZAWAとダブルタイトル戦 ノアの未来はどうなる
「情熱一直線」征矢学の加速が止まらない。いったんは手放したGHCナショナル王座をリターンマッチで奪回するやGHCヘビー級王者・OZAWAに挑戦表明。3・2神奈川・横浜武道館大会のダブルタイトル戦で激突する。
「ベルトの声が聞こえる」と情熱男は熱く訴える。昨年9・14東京・後楽園ホール決戦で奪い取ったGHCナショナル王座を4回防衛。今年1・11後楽園決戦で遠藤哲哉に奪われたが2・11後楽園決戦で奪還した。
「ナショナルくんが帰って来た!」と歓喜の雄叫び。たった1か月での王座復帰である。「GHCナショナルのベルトは征矢の腰が落ち着く」ということだろう。情熱ラーテルズの仲間もできた。ただし、征矢の情熱はこれだけでは納得しない。ノアの最高峰であるGHCヘビー級王座に狙いを定めた。
現在の王者は「暴露系」OZAWA。昨秋から口八丁手八丁で暴れまくり、今年の元日(1・1東京・日本武道館決戦)に、清宮海斗をGHCヘビー級王座から蹴落としてみせた。2022年9月のノアデビューからたった2年4か月でノアの頂点に君臨している。
となれば「超新星」と呼びたいところだが、ブラックホールのようなOZAWAには似合わない。先輩選手のプライベートを暴露し、対戦相手の私生活を暴く写真を次々とSNSにアップするなど、やりたい放題。ファイトでもかみつき、顔なめなど王者らしくないスタイルで暴れまくる。持ち前の運動能力を生かしたフェニックス・スプラッシュなどを披露しているが、これまでのノアのチャンピオン像を一新してしまった。
征矢も「彼は体操をやっていたから」とOZAWAのポテンシャルを評価していた。とはいえ、もはやそんなことは言っていられない。「情熱」を前面に押し出しているが、ノアへの思い入れは強い。口にはしないがOZAWAに制裁を下し、ノアをノアらしく、ノア本来のリングに戻すしかない。
情熱家は元より優しく涙もろい男。知人が以前、ガンを患ったことがあると話したところ「そんなに辛いことがあったのですね。知らなかった」と目に熱いモノがあふれだした。「もう治ったから。大丈夫だから」と言っても「いや、どんなに辛くて悲しかっただろうと思ったら…。手術や治療、頑張ったんですね。元気になって本当に良かったです」とポロポロと大粒の涙を流した。
先日、復帰した元全日本プロレスの野村直矢も「征矢さんは本当に優しいです。いろいろな先輩がいたけど、征矢さんが一番優しかった」とキッパリ。
そこかしこで征矢は優しくて、涙もろく人情味があると聞く。OZAWA退治を果たしたら、大粒の涙を流し喜びを爆発させるだろう。
オーギョーチ(愛玉)に目がなく他のデザートには目もくれない。杏仁豆腐やゴマ団子、マンゴープリンなど美味しい中華デザートは数あれど、征矢が注文するのは、いつ何時でもオーギョーチのみ。多くの中華料理店で「もうありません」と完売させている。とにかく何事も一途なのだ。
昔からの女性ファンが結婚、出産したと知るや「おめでとうございます! お子さんが大きくなったら是非、一緒に観戦に来てください。それまで自分も頑張ります。またお会いできる日を楽しみにしています」というメッセージを送り、感激された。
最近はご無沙汰のファンにも「自分を応援してくれた人は決して忘れない」と義理人情にも厚い。
プロレスをノアをファンを、そして家族を愛する征矢学。文字通りの「思い込んだら真っすぐ」男が、二冠王に、そして情熱革命に一直線だ。
<写真提供:プロレスリング・ノア>
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