「伝説の不死鳥」ハヤブサが復活 4・27東京・両国国技館大会に登場する令和のハヤブサは誰だ?

【柴田惣一のプロレス現在過去未来】

2016年3月3日に亡くなった「伝説の不死鳥」ハヤブサ。その魂を受け継ぐ新生ハヤブサが4月27日、東京・両国国技館の「ルチャフェススペシャル」(メキシコ観光主催)に登場する。

初代ハヤブサは江崎英治の化身。1990年代にFMW始め新日本プロレス全日本プロレスなどさまざまな団体で活躍した。

ジュニア戦士としての華麗な空中殺法に加え、デスマッチでも大暴れ。大仁田厚が離脱した新生FMWではエースとして団体を引っ張っている。

とにかく華があって格好良く、超人気男性アイドルがファンと公言して注目を集め、女性人気も高かった。

ただ、恐れを知らぬ空中弾を駆使するファイトスタイルは、ケガを避けられない。何度か欠場に追い込まれ、完治する前に復帰を強行することを繰り返していた。ダメージの蓄積は大きくなるばかり。

そして2001年10月22日、運命の東京・後楽園ホール大会がやって来る。空中殺法を繰り出した際に、頭部をマットに痛打するアクシデントに見舞われた。頚髄を損傷する大ケガだった。

首から下がマヒする重傷だったが、懸命のリハビリで徐々に復調。車イスで移動し、自ら立ち上がり、サポートを受けながら歩けるまでになった。

頑張るハヤブサに力を得たファンは多かったはず。プロレスを支える活動に加え、持ち前の美声を駆使して歌手としても活躍。舞台にも出演するなど、多彩な才能を発揮していた。

14年には杖を使いながら100メートル以上、歩けるようになり「5年後(19年)にはレスラーとしてリングに戻る」と表明。プロレスファンは元より、障がいに苦しむ人たちに勇気と希望を与えていた。

ところが、16年3月3日、自宅で亡くなっているのが発見された。「不死鳥」が天国に飛び立ってしまったのだ。

ハヤブサはヘビー級の体躯からは想像もつかない超難易度の空中殺法を得意としていた。ファイアーバード・スプラッシュ、フェニックス・スプラッシュ、ファルコン・アロー、ラ・ケプラーダ…ハヤブサの繰り出す大技は、破壊力抜群の上に華麗で豪快だった。

もちろん、頚髄損傷前に戻ることは難しいが、その勇姿がリングに戻って来る日を、19年の復活を信じていた者には衝撃の悲しいニュースだった。

あれから9年の年月が過ぎ去った。奇跡の日が違った形で訪れようとしている。新生ハヤブサが対戦するのは田中将斗。先代ハヤブサをよく知る弾丸戦士である。

ハヤブサの正体をめぐって、ファンが想像の翼を広げている。

デスマッチファイターでありながら通常の試合でも強さを発揮、ムーンサルトが美しい宮本裕向ではないか。

以前「はやぶちゃ」に変身したことがあり、完成度が高いと評判だったDDTのHARASHIMAではないか。

ハヤブサが得意としていた空中弾を駆使する宮本は「自分はハヤブサの最後の弟子ですが、自分じゃないので誰がやるんですかね。ハヤブサは身長も180センチを超えていますし、完全コピーするのは難しい。HARASHIMAさんの『はやぶちゃ』が一番似ていると思いますよ」と楽しみで仕方がない様子。

HARASHIMAも「何人かから言われましたけど、僕じゃないです。誰がどんな感じでやるのか楽しみですね」と目を輝かせる。

メキシコの若い選手の名前も何人か噂されている。

誰がハヤブサの魂を受け継いで現れるのか。楽しみでしかない。

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