【新日本】後藤洋央紀が棚橋弘至を撃破しIWGP世界ヘビー初防衛、次期挑戦者に永田を指名「新日本プロレスは俺が引っ張っていく!」
新日本プロレスは3月6日、東京・大田区総合体育館で『旗揚げ記念日』を開催した。1972年の旗揚げから53年を迎えたこの日、3大王座戦を含む熱戦が繰り広げられた。
『旗揚げ記念日』
日時:2025年3月6日 (木) 17:00開場18:30開始
会場 :東京・大田区総合体育館
観衆:3,335人(満員)
メインイベントでは、IWGP世界ヘビー級王者・後藤洋央紀が棚橋弘至を迎え、初防衛戦に臨んだ。両者は過去にもIWGP王座を懸けて対戦したが、そのたびに棚橋が勝利してきた。しかし、今回は状況が異なった。
序盤は互いに手の内を知る者同士、慎重な攻防が続いた。後藤がロックアップでクリーンブレイクを見せれば、棚橋は素早く体勢を入れ替え、ヘッドロックで主導権を握る。試合の流れが変わったのは、後藤がショルダータックルで棚橋をなぎ倒し、攻勢に出た場面だった。チンロックやヘッドシザースでじわじわとダメージを蓄積させると、トーキックの連打で追い詰めた。
しかし、棚橋もすぐに反撃に転じる。カウンターのバックエルボーで流れを断ち切ると、低空ドロップキックからフライングボディアタックと畳みかけ、後藤の左膝を重点的に攻め始めた。ドラゴンスクリューを連発し、テキサスクローバーホールドで捕らえると、会場は大歓声に包まれた。
後藤も意地を見せる。ロープエスケープから反撃に転じると、串刺しラリアットやバックドロップで形勢を立て直し、牛殺しで一気に勝負を決めにかかる。だが、棚橋もカウンターのスリングブレイドで対抗し、再び試合の主導権を奪った。
勝負の行方が決まったのは、終盤の攻防だった。棚橋はハイフライフローを狙うが、後藤が間一髪で回避。すかさずローキックで崩し、強烈なヘッドバットを見舞う。最後は渾身のGTRを炸裂させ、ついに宿敵・棚橋を下した。
<試合結果>
▼メインイベント(第7試合) 60分1本勝負
IWGP世界ヘビー級選手権試合
<第12代チャンピオン>
後藤 洋央紀 〇
vs
<チャレンジャー>
棚橋 弘至 ×
20分16秒 GTR→片エビ固め
※後藤が初防衛に成功
試合後、後藤はマイクを握り、棚橋に向けてこう語った。
「棚橋さん、あなたがいなかったら、俺はもうちょっと早く、このベルトを巻けたかもしれない…。そんなことを思ったりもしましたが、あなたがいなければ、いまの俺はありません。残り少ない現役生活、最後の最後まで輝き続けてください。ありがとうございました」
その言葉を受け、棚橋もマイクを手にする。
「後藤ーーーっ!! …頼んだぞ!」
このやりとりに続くように、棚橋が「今日を機に、本隊とCHAOSの関係性、変わるんじゃないか?」と本隊とCHAOSの選手たちを呼び出しリングに集結。
さらに後藤は、放送席に座る永田裕志に向かって呼びかけた。
「永田さん! 永田さんもリングに上がって下さい!」
この一言で、会場には「永田」コールが響き渡る。永田は静かにリングへと足を踏み入れ、後藤と向かい合う。そして、両者はIWGP世界ヘビー級選手権試合での対戦を互いに確認した。
「約束どおり、次、このベルトを懸けて闘いましょう!!」
後藤がそう言って手を差し出すと、永田は真剣な眼差しで頷き、「後藤、素晴らしい試合だったよ。だからこそ挑戦しがいがあるもんだよ! やるぞ!」
と応じ、固い握手を交わした。
最後に後藤が「新日本プロレスは俺が引っ張っていく!」と力強く宣言すると、大きな歓声が沸き起こった。
バックステージでは、後藤が「事に初防衛戦を、そして社長から託されました。新日本プロレス54年目を、この後藤洋央紀が選手一致団結して、この新日本プロレスを俺が盛り上げていきます」と意気込みを語った。
さらに次期挑戦者として永田裕志を指名した後藤は「今日、棚橋さんに勝てたことで、胸を張ってIWGP世界ヘビー級チャンピオンだと言えると思います。次、永田さん、最年長のキャリアで勇気のあることだと思います。俺的にはいつでもいい。このベルトを懸けてやりましょう。ただ、俺はまだまだ負けられないから」と宣言。
また、CHAOSのYOSHI-HASHI、YOH、石井智宏が祝福に駆けつけると、後藤を囲んで乾杯。仲間との絆を確かめ合いながら、後藤は「後藤革命はまだまだ終わらない」とさらなる飛躍を誓った。
53周年を迎えた新日本プロレス。その歴史の中で培われた闘いの精神が、この夜の大田区総合体育館にも脈々と息づいていた。
<写真提供:新日本プロレス>
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