春の祭典のゴングが鳴る 全日本プロレス「チャンピオン・カーニバル」が間もなく開幕

【柴田惣一のプロレス現在過去未来】


©全日本プロレス

春は全日本プロレス。日本プロレス界の春の祭典、全日本プロレスの「チャンピオン・カーニバル(CC)」が4月9日、東京・後楽園ホールで開幕する。

今年は18人が参加し、Aブロック9人、Bブロック9人に分かれ総当たりリーグ戦を争い、5月18日、東京・大田区総合体育館大会で両ブロック上位2名による決勝トーナメントで優勝者が決定する。

その前に3月29日、大田区大会も控えており、王者・斉藤ジュンにエース・宮原健斗が挑戦する三冠戦のゴングが鳴る。宮原は3・9後楽園ホール決戦で、青柳優馬とビジネスタッグを組み、世界タッグ王座をジュンとレイの斉藤兄弟から奪っている。しかも宮原が三冠王者・ジュンをシャットダウン・スープレックスで仕留めての第100代王者の誕生だった。


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「春の大一番、3・29大田大会で三冠ベルトも返してもらう」と宮原の雄叫びが響き渡ったのも言うまでもない。全日本プロレスの頂点そのものである五冠王にリーチである。

3・15沖縄・那覇決戦では宮原は地元のヒーロー、シーサーマスクと対戦。ブーイングを浴びるシーンもあったが、シャットダウン・スープレックスで快勝。勝利者賞「あぐー豚 丸ごと一匹」をゲットし大声援に包まれた。「再確認した。みんな俺のベルト姿を待っている。世界タッグの次は3・29大田大会の三冠王座。五冠王になる」と宣言した。

この日、斉藤ジュンは弟レイと本田竜輝、綾部蓮組と激突。レイが綾部のアイアンメイデンに苦杯をなめてしまった。ジュンは「世界タッグベルトを落としてから、調子が今一つ」と不安を訴えた。

とはいえ、五冠王から無冠のピンチに斉藤ジュンも気合を入れ直すはず。もはや待ったなしのジュンと勢いを増す宮原の3・29三冠戦。いずれかが三冠王者として臨むのが春の本場所CCである。


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元三冠王者・安齊勇馬はBブロックにエントリーされた。世界タッグ王者の青柳、斉藤レイ、本田、綾部らとサバイバルレースを競うことになる。

史上最年少・三冠王者として昨年の王道マットをリードした安齊だが、ベルトを失ってからは残念ながら超新星の輝きが、雲に隠れてしまったかのようだ。3・15那覇決戦でライジングHAYATOとELPIDAコンビで保持するアジアタッグ王座V4を達成したが、ファンにとっては物足りない。

ELPIDAの同志たちとの活動に没頭していたものの、ここにきて目の色が変わって来た。「今年勝てば、CC制覇の最年少記録になる。全勝優勝で達成したい。やるしかない」と決意表明だ。三冠王座に加えCC制覇の最年少記録を塗り替えれば、全日本プロレスは元より日本プロレス史に、その名を刻み込むことになる。


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ノアではOZAWA旋風が吹き荒れている。一足早く、時代の扉をこじ開けていた安齊だが、現状はノアの歴史や色を完全破壊したOZAWAの勢いにかなわない。ここは安齊に意地を見せてほしい。

本田も黙っていない。ELPIDAの仲間である安齊に三冠、綾部には昨年の王道トーナメント優勝と先を越されている。悔しさをバネに「今年はもっと活躍します! 期待していて下さい!」と、にこやかに微笑みながらも内に秘めたる闘志は熱い。

1か月以上に渡って、日本列島を闘いの渦に巻き込むCC。春の嵐に乗って春の本場所を制するのは誰なのか。しっかりと見届けたい。


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