【仙女】“横綱”里村明衣子が“怪物”橋本千紘に敗れ王座陥落も、満員の観衆に実力を見せつけた!新王者は「5年以内に日本武道館進出」を掲げ団体飛躍を誓う

センダイガールズプロレスリングは3月19日、東京・国立代々木競技場第二体育館にて『THE TOP of JOSHI WRESTLING』を開催した。

『THE TOP of JOSHI WRESTLING』
日時:2025年3月19日(水)18:30試合開始17:30開場
会場:国立代々木競技場第二体育館
観衆:3,520人

今大会ではセンダイガールズワールド選手権試合が行われ王者・里村明衣子に橋本千紘が挑戦。

試合開始前、王者には小橋建太氏、挑戦者にはパリ五輪女子レスリング76kg級金メダリストの鏡優翔さんから花束が贈呈され、決戦の舞台が整った。

和田京平レフェリーの裁きのもと、メインイベントがゴングを迎えた。

序盤は静かな緊張感の中で始まり、互いの実力を試すかのようなグラウンドの攻防が展開された。

橋本は力強いタックルで里村を押し込み、コブラツイストで体力を奪いにかかる。

里村も蹴りを軸に応戦し、スリーパーホールドで捕獲。両者の意地がぶつかり合う試合となった。

試合が進むにつれ、橋本のパワーが試合を支配し始める。俵返し、水車落としといった重量感ある技で王者を圧倒。

だが、里村もデスバレーボムを連発し、意地を見せる。試合は一進一退の攻防が続いた。

終盤、橋本がトップロープからのダイビング・サマーソルトを成功させると、試合の流れは一気に傾いた。

里村は最後の抵抗を見せ、スリーパーホールドで捕獲するが、橋本は振りほどき、強烈なパワースラムを叩き込む。最後は渾身のパワーボムで王者を沈め、3カウントが数えられた。

<試合結果>

▼メインイベント(第8試合)センダイガールズワールド選手権試合(30分1本勝負)
<王 者>里村明衣子 ×
vs
<挑戦者>橋本千紘 〇
19分6秒 パワーボム→エビ固め
※里村が初防衛に失敗。橋本が第18代王者となる

新王者となった橋本に、リング上でセンダイガールズプロレスリング創業者である新崎人生が「これからはお前がセンダイガールズ、そして世界の女子プロレス界を引っ張っていけ」とエールを送ると、観客からは大きな歓声が上がった。

試合後、リングに横たわる里村を前に、橋本はマイクを握り、「プロレスに出会ってなかったらレスリングはやってなかったし、里村さんに出会わなければ私は仙女にいません。いつも本当に厳しくしてくれて有難うございます。正直この試合がある1カ月前から夜も寝られないくらいしんどかったですけど、でも私にはプロレスがあるし、何より里村明衣子っていう目標があったのでここまで来れました。今日、最後のシングルマッチだったと思います。絶対泣かないって決めてたんですけど。里村さん、ホントに有難うございます」と師である里村への感謝を述べた。

また今後のチャレンジとして「私の目標の一つだった、このレスリングの聖地・代々木第二体育館で仙女の試合をする夢を叶えました。次はセンダイガールズ全員で夢見てもいいですか?(ここで仙女の選手を呼び込む)まず次は8月24日に、ここよりも大きい会場、5,000人規模のゼビオアリーナが決まってます。今日みたいに必ず満員にします。」と堂々と宣言。

続けて「もう一つ皆で夢を叶えたいことがあるんですけど、いいですか?5年以内にセンダイガールズ、日本武道館に進出しましょう!所属選手は7人しかいないけど、私は仙女が一番面白いと思ってます!次は私たちとここにいる皆さんで夢を叶えましょう!」と、団体としての飛躍を誓った。

最後は満員の観衆と里村が見守る中、所属選手が橋本のマイクで久々の「ぎゅーん!」で締めた。

■試合後バックステージコメント

橋本は「目標の一つだった代々木第二体育館で、満員の観客の前で里村明衣子という最強の横綱と闘えたことは嬉しい」と語る一方で、「オブライトを出せなかったことが一生悔いに残る」と、試合の課題を口にした。それでも、「次の8月24日、仙台ゼビオアリーナでのビッグマッチでは、私が持つこのベルトとともにメインを務める」と、センダイガールズ、さらには女子プロレス界全体を引っ張っていく決意を見せた。

また、里村との試合については「最後のシングルマッチという実感はなかった。一人の最強の人間と闘っている感覚だった」と振り返る。「最初の圧力、技術、すべてにおいて世界で闘っている里村明衣子なんだと感じた」と、その強さを改めて認めた。

さらに、これまでのセンダイガールズワールド戦がすべて橋本の勝利で終わったことについては、「次にシングルでやるとすれば、きっと引退試合しかない」と述べ、「正直、もう里村さんとは闘いたくない」と本音をこぼした。「オブライトは出せなかったが、それは2025年の課題として、今後はオブライトで勝てるようにしたい」と、次なる目標も掲げた。

オブライトを解禁すると公言しながらも、試合では出さなかったことについては、「これは心理戦だった」と説明。「1年間封印してきたからこそ、相手はオブライトを警戒してくる。その隙を利用した」と明かした。「パワーボムを返されたらオブライトを狙ったが、それ以外の技でも勝てると証明できたことが大きい」と、成長を実感している様子を見せた。

次のタイトル戦に向けては「今度こそオブライトを狙う」と宣言。「日本武道館での大会開催」という新たな目標についても、「これは誰にも言っていなかったが、センダイガールズとして目指すべき場所だ」と語った。その理由として、「里村さんが以前から日本武道館の名前を挙げていた。引退前に叶わなかった夢を、私たちが受け継がなければならない」と、その思いを強く語った。

一方で、引退までの間に里村が再び牙をむいた場合の対戦については、「プロレスラーは気持ちが変わるもの。里村さんだって引退会見で『ベルトには挑戦しない』と言っていたのに、すぐに挑戦した」と冗談交じりに語りつつ、「自分としては闘いたくない。それが今の正直な気持ち」と本音を明かした。

挑戦者については「誰でも受ける」と断言し、「スターダムの舞華がシングルマッチを望んでいるので、機会があればやりたい」と、他団体との対戦にも前向きな姿勢を示した。

一方、敗れた里村は「完璧に負けた」と潔く敗戦を認めた。「最高のコンディションで臨んだ試合で、橋本の強さを改めて実感した」と振り返る。

引退ロードについては「たった一度の敗北では認めない。まだ1カ月以上あるし、橋本との再戦の機会もある」と語り、今後も自身を高め続ける意向を示した。「今日の試合でモチベーションが下がったわけではない」としながらも、「引退試合での挑戦は時間が足りない」と現実的な見解も述べた。

来年の旗揚げ20周年に向けては「8月24日の仙台ゼビオアリーナのビッグマッチは、今日よりもさらに1000人多い規模になる」と説明。「今日はプロレス界でも近年にないほどの満員を実現できたが、8月は私のいないセンダイガールズが挑戦する大会となる」と、団体の未来に期待を寄せた。

また、橋本の「日本武道館進出発言」に対しては、「当初は私の目標だったが、引退までに間に合わなかった。それを橋本が言ってくれたのが頼もしい」と、後進への期待を語った。そして、「決意というのは日々心に刻まなければ、すぐに忘れてしまう。今日の満員の観客の前で決意したことを、絶対に忘れないでほしい」と、橋本や若手選手たちへの思いを語った。

最後に、「今日の試合で私が勝っていたら、センダイガールズの未来はなかったかもしれない。橋本がその役目を担ってくれたことに、私はスッキリしている。あとは後輩たちに託す」と語り、リングを後にした。

橋本の勝利によって、新たな時代の扉が開かれたセンダイガールズ。8月の仙台ゼビオアリーナ、さらには日本武道館という新たな目標に向けて、橋本は次なる戦いへと歩みを進めることになる。

<写真提供:センダイガールズプロレスリング>

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