【新日本】棚橋弘至が小島聡とのラストシングルに勝利!感謝の座礼と握手「また胸を借りるような気持ちになった」
新日本プロレスは3月20日、新潟・アオーレ長岡で『NEW JAPAN CUP 2025』の最終戦を開催した。
『NEW JAPAN CUP 2025』
日時:2025年3月20日 (木・祝) 15:30開場17:00開始
会場:新潟・アオーレ長岡
観衆:3,271人(満員)
この日、第2試合では「棚橋弘至ファイナルロード~縁(えにし)」と銘打たれた、棚橋弘至と小島聡のシングルマッチであった。
長年にわたり名勝負を繰り広げてきた両者の最後の一騎打ちとあって、会場は開始前から熱気に包まれていた。
試合が始まると、場内には「棚橋」コールが響き渡る。ロックアップからスタートした攻防は、互いの力量を測るようなじっくりとした展開を見せた。
小島がショルダータックルで先制すると、棚橋もクロスボディアタックで応戦。両者ともに持ち味を発揮しながら、技を繰り出していった。
中盤、小島は得意のマシンガンチョップを叩き込み、さらにエルボーアタックで畳みかける。
だが、棚橋は小島の足に狙いを定め、低空ドロップキックやドラゴンスクリューでダメージを与え、主導権を握る。
小島も意地を見せ、コジコジカッターを炸裂させるが、棚橋はスリングブレイドで迎撃。両者の攻防は一進一退を繰り広げた。
終盤、小島が意地のショートレンジラリアットを炸裂させると棚橋も珍しくラリアットで反転攻勢に。
トップロープからのハイフライアタックを決めると、場内のボルテージは最高潮に達し、最後はコーナートップからのハイフライフローを炸裂。
全身の力を込めた渾身の一撃が小島を沈め、3カウントが叩きつけられた。
<試合結果>
▼第2試合 30分1本勝負
棚橋弘至ファイナルロード~縁(えにし)
棚橋 弘至 〇
vs
小島 聡 ×
6分56秒 ハイフライフロー→片エビ固め
試合後、両者は静かに座礼を交わした。敗れた小島は笑顔で棚橋の手を取り、しっかりと握手を交わす。勝者となった棚橋は、四方に礼をし、リングの中央で両手を広げた。その姿に、場内からは惜しみない拍手が送られた。
試合を終えた棚橋は、控えめな声で「ラリアットはキツイ……」と漏らし、両ヒザを抱え込むように座り込んだ。そして「まさかこんな短時間で決着がつくとは思っていなかった」と試合を振り返りながらも、「いつまでたっても“胸借ります”っていう感覚がある」と、小島へのリスペクトを口にした。
「全日本に行った時や新日本に戻ってきた時は感じなかったけど、こうして久しぶりのシングルマッチをして、本隊として一緒に時間を重ねたからこそ、また胸を借りるような気持ちになった」と語り、長年の関係の変遷をしみじみと振り返った。
さらに、「大先輩だった小島さんが外敵となり、チャンピオンを争い、そしてまたこうして試合ができたのは面白い」とし、「ありがとうございました。“まだ棚橋いけんじゃないか”っていう気がしてきましたよ」と、今後への意欲をのぞかせた。
また、「“~縁~”はまだ続くのか?」という問いに対し、「誰が来てもいい準備はしている。もう1年ないけど、ご縁のあった方とは向き合いたい」と語り、他団体の選手との対戦にも前向きな姿勢を示した。「少なからずプロレス界全体に、いろんなものをまき散らしてきたつもりだから。1個1個、回収していきますよ」と語り、“~縁~”のコンセプトを大切にしていることを強調した。
一方、小島も試合後のコメントで「やっぱり、棚橋弘至はまだまだ強いよ。俺が敵(かな)う相手じゃなかった……」と率直な感想を語った。そして「試合が終わってすぐに、『ケガなかったか?』って訊いたのは、プロレスラー生活で初めてだよ。それだけ、棚橋弘至に残された時間があるから、ケガされたら困るんだ」と、特別な想いを明かした。
「だけど、俺は全力で、思いっきり殴って、思いっきり蹴って、思いっきり投げて、思いっきりラリアットしたよ。それがプロレスだから。相手のケガを恐れて手を抜くことなんて、1回もしたことない。それはきっと、みんな一緒だよ」と、プロレスラーとしての矜持を見せた。
そして、「棚橋弘至とは、おそらく今日が最後の試合になると思う。残りの時間、プロレスラーとして過ごす時間、棚橋弘至には本当にいろんな思いを抱いて試合してもらいたい」とエールを送り、「私も、棚橋弘至と同じ時代に、プロレスラーでいられたことを誇りに思う」と、長年のライバルへの敬意を示した。
長年のライバルとの戦いを経て、改めてその絆を確かめ合った一戦。新日本プロレスの歴史に刻まれる名勝負として、多くのファンの記憶に残ることとなった。
<写真提供:新日本プロレス>
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