【新日本】鷹木信悟が地元・山梨で棚橋弘至を撃破「社長、引退までまだ時間があるなら、再戦は受け付けます」
新日本プロレスは4月2日、山梨・アイメッセ山梨で『餓狼伝説 City of the Wolves presents Road to SAKURA GENESIS 2025』第3戦を開催した。
『餓狼伝説 City of the Wolves presents Road to SAKURA GENESIS 2025』
日時:2025年04月02日 (水) 17:30開場18:30開始
会場:山梨・アイメッセ山梨
観衆:850人
この日のメインイベントでは、「棚橋弘至ファイナルロード~縁(えにし)」の一環として、来年1月に引退を控える棚橋弘至が、地元・山梨凱旋となる鷹木信悟とシングルマッチで激突した。
両者にとってシングル戦は3度目となる。2021年1月にNEVER無差別級王座戦で棚橋が勝利し、同年7月のIWGP世界ヘビー級王座戦では鷹木が勝ちを収め、戦績は1勝1敗。この一戦が、互いの誇りを懸けた決着戦となった。
試合は序盤から緊張感が漂った。クラシカルなレスリングの攻防が展開される中、鷹木は序盤から力強いショルダータックルを放ち、得意の重厚な打撃戦に持ち込む。対する棚橋もドラゴンスクリューを軸にした関節技で応戦し、鷹木の動きを封じようとする。
中盤、鷹木がエルボーの連打からセントーンを落とし、一気にペースを掌握。さらにバックドロップを狙うも、棚橋がこれを切り返し、ツイスト&シャウトを炸裂させる。続いてスリングブレイドを決めた棚橋は、トップロープからハイフライアタックを放つが、鷹木は寸前で回避し、逆にパンピングボンバーを叩き込んだ。
試合終盤、棚橋は意地のスリングブレイドをもう一度決め、最後の力を振り絞ってコーナー最上段へ。しかし、鷹木がこれを阻止し、雪崩式ブレーンバスターを敢行。さらに渾身のパンピングボンバーを叩き込み、最後はラスト・オブ・ザ・ドラゴンで勝負を決めた。
<試合結果>
▼メインイベント(第7試合)30分1本勝負
棚橋弘至ファイナルロード~縁(えにし)
棚橋 弘至 ×
vs
鷹木 信悟 〇
20分35秒 バーニングドラゴン→片エビ固め
試合後、勝ち名乗りを受けた鷹木はマイクを握ると、満員の観客へ向けて感謝の言葉を述べた。
「棚橋さん、今日は俺の地元・山梨でシングルをやってくれて、ありがとう!」と感謝を伝えた上で、「初めて棚橋弘至を見たのは26年前、ここアイメッセだった」と振り返り、「新人とは思えない肉体を見て、この男はすごくなると確信した」と続けた。そして、「20年以上経って、今はこうして同じリングで戦っている」と語り、「俺はあの棚橋と東京ドームのメインでIWGP戦をやって勝った男なんだ」と誇らしげに語った。
さらに「今日でシングル戦績は2勝1敗。俺の勲章がまた一つ増えた」と勝利の喜びを噛み締めると、「社長、引退までまだ時間があるなら、再戦は受け付けます」と、再戦の可能性を示唆した。
敗れた棚橋は静かにリングを後にしたが、この一戦は「ファイナルロード」においても重要な意味を持つ闘いとなった。かつて憧れたレスラーとシングルで対峙し、勝利を収めた鷹木。山梨の地で、その存在感をさらに高める一夜となった。
試合後、バックステージに姿を現した鷹木は「オイ、オイオイオイ、来年引退する男か? 強烈じゃねえかよ」と、棚橋の戦いぶりを称えながらも「だがこれで、俺の勲章は増えた」と勝利を誇示。さらに「東京ドームで棚橋弘至からIWGPのベルトを懸けて勝った男、“100年に一人の逸材”相手に“100人に一人の逸材”鷹木信悟が勝った」と語り、「2勝1敗で勝ち越してんだよ」と胸を張った。
また、試合中継の解説を務めていた内藤哲也にも言及。「去年の9.7、20周年記念大会で内藤とやって、お前とも決着つけなきゃいけねえなと」と語ると、「某Tスポの記事見たぞ。新日本プロレスと契約してなくて、フリーらしいじゃねえか」と、現在の内藤の契約状況に触れた。さらに「2018年10月、内藤に声かけられて俺が新日本に入って契約したのに、現在は俺が契約選手で内藤哲也がフリーか……」と皮肉めいた口調で言葉を続け、「自由っていいですねえ。オイ、だが逃がさねえぜ」と、1勝1敗の戦績を強調しながら再戦の可能性を示唆した。
一方、試合に敗れた棚橋は、バックステージで仰向けになりながら「すげえハツラツだった」と鷹木の戦いを振り返り、「以前闘った時とはまた違う……今、時代に求められている人物っていうのは、明るく照らして、エネルギーを発散して……きっと鷹木みたいなレスラーなんだと思う」と語った。そして「これじゃとても一番を目指せない。それだけでも、俺が引退する理由があるし、その現実を突きつけられてしまったよ」と、自らの引退を見据えるように静かに語った。
地元・山梨で誇りをかけた一戦を制し、棚橋とのシングル戦績で勝ち越した鷹木信悟。その視線はすでに次なる戦い、そして内藤哲也との決着へと向かっている。
<写真提供:新日本プロレス>
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