【新日本】後藤洋央紀がIWGP世界戦でフィンレー撃破!次期挑戦者に海野翔太を指名「アメリカの真似事をしてちゃダメなんだよ。新日本の闘いをアメリカで見せる」
新日本プロレスは4月5日、東京・両国国技館にて春のビッグマッチ『SAKURA GENESIS 2025』を開催。
『SAKURA GENESIS 2025』
日時:2025年4月5日 (土) 15:30開場17:00開始
会場:東京・両国国技館
観衆:6,640人
メインイベントではIWGP世界ヘビー級王座戦が行われ、第12代王者・後藤洋央紀が『NEW JAPAN CUP 2025』覇者のデビッド・フィンレーを迎え撃った。
この一戦は、後藤にとって節目の王座初戴冠からの初防衛戦であった。2月の大阪大会でザック・セイバーJr.を破り、プロデビュー21年目にしてついにIWGP世界王座を手にした後藤。その姿は、多くのファンにとって長年の悲願成就であった。
そして、対する挑戦者・フィンレーは昨年10月の両国大会で後藤を破った実績を持つ男であり、加えてNJC優勝の勢いをそのままに王座獲得を狙っていた。
試合開始とともに両国国技館は「後藤」コールに包まれた。
セコンドには後藤陣営にYOSHI-HASHI、フィンレー陣営に外道という布陣が並ぶ中、試合は静かなる緊張感を保ったまま動き出した。
後藤はフィンレーの荒々しいファイトに一歩も退かず、果敢に打って出た。
中盤、場外戦での攻防は試合の流れを左右する重大局面となった。フィンレーは鉄柵を用いた攻撃に加え、テーブルを二枚並べるという挑発的な構えを見せ、リングサイドにいた後藤の子供たちの目前でその残酷性を際立たせた。
しかし、その挑発にこそ燃え上がったのが後藤であった。カウンターの断崖式牛殺しがテーブルを粉砕し、会場は大きく揺れた。
この一撃を機に試合の流れは完全に後藤へと傾いた。猛攻を仕掛けるフィンレーの連撃を寸前で耐え抜き、最後はGTR、そして改良型のGTR改で試合を締め、堂々たる初防衛を果たした。
<試合結果>
▼メインイベント(第8試合)60分1本勝負
IWGP世界ヘビー選手権試合
<第12代チャンピオン>
後藤 洋央紀 〇
vs
<チャレンジャー>『NEW JAPAN CUP 2025』優勝者
デビッド・フィンレー ×
24分21秒 GTR改→片エビ固め
※後藤が3度目の防衛に成功
試合後、金色のテープがリングを包み、「覇道」のテーマが鳴り響く中、後藤はマイクを握る。
「これは、おとぎ話ではない。現実だ!!」
リングサイドの子供たちへ向けたこの言葉には、単なる勝利以上の意味が込められていた。幾度の敗北と失意を乗り越えてきた後藤だからこそ、その姿は「希望の象徴」として説得力を持つ。
子供たちに向け、「何度負けようが、あきらめなければ負けではない」と語りかけた姿には、プロレスラーとしてのみならず、一人の父としての想いが滲んでいた。
そして後藤は次なる戦いを口にする。次の舞台は、4月11日のアメリカ・シカゴ大会。挑戦者に名を挙げたのは、海野翔太だった。
会場がどよめく中、後藤の「出てこいよ!」の呼びかけに応じて現れた海野。ブーイングと歓声が入り混じる中、リングへと上がった海野に対し、後藤は挑戦を正式に提案した。
「海野、お前にもう迷いはないんだろ!? だったら、このベルトを懸けて、俺とお前で闘おうぜ」
それに対し、海野もまた真っ直ぐな眼差しで応えた。
「いまある俺のすべてを後藤さんにぶつけて、そのベルトを必ず獲ってやる」
新旧世代の意地と覚悟が交差したこのやりとりは、次なる物語の幕開けを示唆していた。
試合後のバックステージ、後藤はフィンレー戦をこう振り返った。
--防衛おめでとうございます。
後藤「はい、ありがとうございます」
--改めてフィンレー選手との激闘を振り返ってみて、今の気持ちを教えてください。
後藤「最強の挑戦者の名に相応しい相手でしたよ。あそこに愛が加わったら、誰も勝てる人間はいないんじゃないかな。憎しみや憎悪では何も生み出すことができない。次はアメリカ、シカゴ。リング上で言った通り海野翔太。次は若い世代が相手だ。アメリカの地で新日本プロレスを、純日本人同士、新日本生え抜きのこの2人が見せてやるよ。これが真の海外戦略というかね。アメリカの真似事をしてちゃダメなんだよ。新日本の闘いをアメリカで見せる。期待しててくださいよ」
--今日はリングサイドでお子さんが見つめる中での闘いでした。去年、試合に敗れて涙を流した娘さんは最後今日は笑顔でした。改めてお子さんに向けてメッセージを送るとしたら、どんな言葉を送りますか?
後藤「成長したねって。プロレス観てもっともっと成長できると思う。俺はそんな父親の姿を、これからも見せていきますよ。長男も次女も逞しく育ってます。それが嬉しいですね」
--今日、厳しい攻防の時に最後、子供たちをチラッと見たかなと思ったんですよね。
後藤「やっぱり子供たちの顔が俺の力になる。それは間違いない。お客さんの声援もそうだし、俺を突き動かしているのはやっぱり家族、そしてファンの愛ですよ。ありがとうございました」
--改めて次なる挑戦者として海野選手を指名しましたけども、その意図を改めて教えてもらっていいですか?
後藤「やっぱりチャンピオンになってね、やらなければいけないその一つのこととして、若い世代の人間と当たる。それは若い世代の引き上げにもなるし、ここで若い世代の壁になってやることが、若い世代のためにもなるんじゃないでしょうか。
それとアメリカという地。やっぱりそのメインで日本人を、日本人の闘い、ストロングスタイル、純新日本プロレスを見せたい。それだけです」
--本当におめでとうございました。
後藤「ありがとうございました」
YOSHI-HASHI「(※YOHと一緒に脇で控えていたが、会見が終わったので後藤に近寄り、後藤革命のタオルを肩にかけてあげて)おめでとうございます!」
後藤「ありがとう」
YOSHI-HASHI「(※後藤が缶ビールを開けようとすると)開けますよ(※と言って、その蓋を開けてあげる)」
後藤「ありがとう」
YOH「(※YOSHI-HASHIに促されて)後藤さん、防衛おめでとうございます!」
後藤「ありがとう!」
YOSHI-HASHI「おめでとうございます!(※と言って、3人で乾杯)」
海野「生きるって面白いですね。10月のメインの後とは違う景色。ブーイングもあれば、対照なところもあって生きるって凄い面白いです。後藤さん、最大の敬意を払って、新日本プロレスの本隊の熱い闘いをアメリカで見せてやりましょう。その上でシカゴ、必ず倒してやる」
ゲイブ「フィンレー、愛してる。お前は俺の兄貴だ。お前もわかってるだろう? でも過去にとらわれたらダメだ、過去は過去だ。俺たちには解決しないといけない大きな問題がある。また頭がおかしくなるくらいヤバいことだ。また頭がイカれちまう! この2年、俺たちはどれだけ成し遂げてきた? この会社をまた復活させた。それなのにも関わらずアイツらHOUSE OF TORTUREは俺たちをコケにしやがる。アイツら何をやってるんだ?自分たちを真のBULLET CLUBと呼んでやがる。(※モロニーを指差し)こんなことをしやがる!」
モロニー「こんなことをされたんだ! 最後に俺たちの血が流れた時、何をしたか覚えてるよな?血が流れた時、俺たちはどうするんだ?」
フィンレー「こうなることは予想できたはず。注意散漫だった。お前ら、すまなかった」
モロニー「謝るな」
フィンレー「でもルールは知ってるよな。俺たちは金を持ってくる。金がないなら、肉体を持ってくる。今日この会場を手ぶらで後にすることになった……だから肉体だ」
(※ゲイブがフィンレーの肩を叩く)
フィンレー「肉体だ。血の代償は血。裏切りの代償は命だ!」
(※ゲイブとモロニーは頭突きをしあう)
フィンレー「お前らにも言ったろう、HOUSE OF TORTUREの終わりだ。やるかやられるかだ。HOUSE OF TORTUREの終焉はドッグパウンドスチールケージマッチだ!」
(※全員そろって)「やったぜ!」
フィンレー「(※ビデオカメラに向かい)何があっても、戦争の準備をしておけ!」
コナーズ「わかったぜ、ボス!」
ゲイブ「どんな死に方がいいか考えておけ!」
モロニー「(※額から流れる血をぬぐい)これは冷血じゃない、黒い血だ!」
コナーズ「俺たちはマジでDOGSだ!」
一時代を築き上げたベテランが、革命の名を掲げて再び世界の中心に立とうとしている。新たな旅路は、若きライバルとの対決から始まる。シカゴのリングで、「後藤のG」が何を証明するのか。全ては、現地時間4月11日に明かされる。
<写真提供:新日本プロレス>
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