【新日本】辻陽太がH.O.Tを蹴散らしEVIL撃破、グローバル王座V3「このリングを照らせるか、上村!」

新日本プロレスは4月5日、東京・両国国技館にて春のビッグマッチ『SAKURA GENESIS 2025』を開催。

『SAKURA GENESIS 2025』
日時:2025年4月5日 (土) 15:30開場17:00開始
会場:東京・両国国技館
観衆:6,640人

セミファイナルで注目を集めたのは、IWGP GLOBALヘビー級王者・辻陽太と、HOUSE OF TORTUREのEVILによる一戦であった。

この一戦は、辻にとって3度目の防衛戦。だが、ただの防衛戦ではなかった。3月8日の『NEW JAPAN CUP』初戦でEVILに無法ファイトで敗れ、早期敗退を喫した辻にとって、これは因縁清算の舞台でもあった。加えて、直前の前哨戦でのEVILの急襲や東郷による介入は、辻にとって“新時代の象徴”としての誇りを踏みにじる行為に映ったに違いない。

試合開始前からリング外は緊迫の様相を呈していた。辻が花道を進む中、EVILと東郷が奇襲を仕掛ける。しかし、ここで辻が仕掛けた“逆サプライズ”が、場内の空気を一変させた。入場したのは実の兄であり、彼がEVILを欺くかたちで姿を現したのだ。

H.O.Tにとっては想定外の事態。辻はこの一瞬の混乱を利用して主導権を握り、ゴングとともに戦いの幕が上がった。

だが、H.O.Tはそう簡単に崩れる集団ではない。東郷の妨害、EVILの執拗なヒザ攻め、さらには金丸義信の乱入。

試合は次第にコントロールを失い、無法地帯と化す。レフェリーのダウン、兄への暴行、トレイン攻撃、もはや“プロレス”という枠を超えた混沌がリングを覆った。

そんな中、場内の空気を変えたのが鷹木信悟の登場であった。不意打ちの連続に晒される辻を救うべくリングインし、H.O.Tを一掃。

だがEVILは背後からローブローで応戦。続けざまの怒涛の展開の中、辻は意地と気迫で切り返し、最後はマーロウクラッシュからのジーンブラスターでEVILを沈め、王座を死守。壮絶な抗争に終止符を打った。

<試合結果>

▼セミファイナル(第7試合)60分1本勝負
IWGP GLOBALヘビー級選手権試合
<第4代チャンピオン>
辻 陽太 〇
vs
<チャレンジャー>
“キング・オブ・ダークネス”EVIL ×
21分24秒 ジーンブラスター→片エビ固め
※辻が3度目の防衛に成功

試合後、辻は鷹木と固い握手を交わし、マイクを手に取るとこう言い放った。

「この、新日本プロレスの新しい時代に、オレは希望の光を差した! なあ、オマエはどうなんだ? 新日本プロレスの太陽になって、このリングを照らすことはできるのか? オイ、上村!」

呼びかけられた上村優也はリングに上がり、挑戦表明ともとれる強い言葉を返した。

「オレの気持ちは、そのベルトどうこうじゃない! あの日のモヤモヤを払拭するためにも、いまの辻と、戦いたい! このオレ! “HEAT STORM”が! プロレス界、そして、ここにいるみんな、オレが明るく照らす!」

両者は額を突き合わせ、静かな火花を散らした。

舞台は整った。次なる戦いは、過去の因縁と未来への希望が交錯する闘いになるだろう。IWGP GLOBAL王座は、もはや単なるベルトではない。新日本プロレスの“未来”を象徴する存在となりつつある。

■試合後バックステージコメント

上村「リング上で言ったことが全てです。去年の8月に辻戦でケガをして、(しばし間を置き)あの日のモヤモヤ、あの日の気持ちを晴らすためにも、俺は今の辻と戦わなければいけないと思ってます。これからの新日本プロレス、そしてプロレス界、明るく照らすのはこの俺、HEAT STORMだ!(※ポーズを取る)」

辻「(※着席すると机をバンバンと叩き)改めて、EVILにはこのIWGPグローバルというタイトルを懸けてアンタと戦えて、改めてアンタの凄さがわかったよ。でもな、何度も言うように、ここは新日本プロレスなんだ。これはIWGPを懸けた戦いだ。お前は新日本プロレスが世界に誇る最高のレスラーの一人だ。またどこかでベルトを懸けて戦おうぜ。その時は、反則も、正統派ファイトも全て込み込みの、最高なEVIL、Everything!なEVILでかかってこい。オイ、そして上村!俺も同じだ。あの日のモヤモヤ、晴らす時が来たようじゃねえか。何度も言うように、このベルトはGLOBAL、世界に向けたベルトかもしれない。そのためには上村優也、お前しかいないんだ。いつになるかわかんねえけど、このリングに希望という光を差して、太陽という明るい光でリングを照らすんだ。ただ、この状況で俺がこのベルトを持っている限りは、この新日本プロレスの新しい時代をさらに大きなものにするために、新しい時代を築くために使っていこうと思ってる。あと話は変わるけど、オイ、将太。

(※と、双子の兄を呼ぶ)またいつか、忘れた頃にリングに呼ぶから、いつでもスタンパっといてくれよ」

※EVILはノーコメント

<写真提供:新日本プロレス>

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