【スターダム】「仲間だけど、ライバル」スターライト・キッド vs AZM、白いベルトとユニットリーダーを懸けた決戦へ
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女子プロレス団体スターダムは4月8日、都内で横浜アリーナ大会に向けた記者会見と調印式を開催し、ワンダー・オブ・スターダム選手権試合として、王者スターライト・キッドと挑戦者AZMの一戦が正式発表された。単なるタイトルマッチではない。この試合には、2人が所属するユニット「ネオジェネシス」の命運も懸かっている。
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記者会見でAZMは、今回がキャリア12年にして初の白いベルト挑戦であることに言及した。かつて白いベルトに対する特別な思いを持つ存在がいたという。その背中を追いながらも、自身はこのベルトに触れたことがなかった。
きっかけは昨年の両国大会。キッドがなつぽいとの試合を制した瞬間を、セコンドとして至近距離で見届けたAZMは、「仲間としてはすごく素晴らしいと思ったけど、私は全然うれしくなかった」と振り返った。その複雑な感情の正体は、揺るがぬライバル心だった。
「この瞬間が、ベルトが欲しいって思う瞬間なんだなと思いました。私がこれで一発で取ったら、私が正真正銘の白のチャンピオンだと名乗れます。キッドから勝てるのはこのAZMしかいないし、キッドより私が白を面白くさせる自信があります」――AZMの言葉には迷いがなかった。
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一方、王者キッドもまた、この一戦に対して強い想いを抱いていた。スターダムにおける多くの闘いをともにしてきた相手こそがAZMであり、「私の世界最高峰の相手」と断言した。
「フューチャー、ハイスピードと来たら、ワンダー懸けてやらないわけがないでしょう」と笑顔を交えつつも、「私、ハイスピード時代からAZMにシングル連敗中」と語るその表情には緊張がにじんでいた。だが、守る覚悟は揺るがない。「AZMにこのベルトを初戴冠はさせない。必ず私がこのベルトを守ってみせる」と明言した。
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今回の一戦は、リング上のベルト争いだけにとどまらない。ユニット「ネオジェネシス」に生じた動揺が、ふたりの覚悟をさらに深めていた。4月2日の後楽園ホール大会で、鈴季すずが星来芽依に対して反旗を翻し、ネオジェネを離脱。この一件について、AZMは「ネオジェネにリーダーがいなかったのが原因かなと思っている」と語り、勝者が新たなユニットのリーダーとなるべきだと提案した。
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これにキッドも即座に呼応した。「めちゃくちゃいいじゃん。私もネオジェネを引っ張っていく自信、ワンダーも守る自信あるよ」と語り、「横浜アリーナがネオジェネシスの第2章の始まりといってもいい」と意気込みを示した。
この試合に懸かるのは、白いベルトという象徴的なタイトルだけではない。長きにわたり切磋琢磨してきたふたりの歴史、ネオジェネシスの未来、そして女子プロレス界の次なる時代の方向性までもが、この横浜アリーナで交錯する。スターライト・キッド vs AZM――“永遠のライバル”同士が交わす一戦は、スターダムにおける新たな伝説の幕開けとなるかもしれない。
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