【Fortune Dream】小橋建太×天龍源一郎×藤波辰爾、“滑舌レジェンド鼎談”に笑いと感動「小橋はプロレス界のことを考えて、こういう大会を続けてる」

プロレス界の三巨頭が集った“記憶に残るトークバトル”が、東京・後楽園ホールで開催された。
4月16日、小橋建太プロデュース興行「Fortune Dream 10」が行われ、第4試合として小橋、天龍源一郎、藤波辰爾のレジェンド3人による30分一本勝負の鼎談がリング上で実現した。
小橋建太 完全プロデュース『Fortune Dream 10』
日時:4月16日(水)18:20開始
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1,380人
1962年に開業した後楽園ホールの創業記念日と重なるこの日、老舗会場のリング上には、時代を築いた3人のレジェンドが並んだ。
藤波は71歳、天龍は75歳。小橋は自身を「滑舌界では若手」と称したが、3人が口を開くたびに場内には笑いが漏れ、やがて拍手が沸き起こる。
聞き取りづらさも含め、会場は“味のある時間”に包まれていた。
マイクを握った小橋は、少年時代に藤波から受けた忘れがたい思い出を口にした。
「僕が中学生のころ、初めてサインをもらったプロレスラーが藤波さんだったんです」。当時、先にダイナマイト・キッドにサインを求めたが、冷たく拒絶されたという。
その傷心を癒やしたのが、藤波の優しさだった。「快く応じてくれて…本当にうれしかった」と声を詰まらせた。
天龍との思い出もまた、豪快だった。
「新弟子の頃、天龍さんから“洗車してこい”って言われて。車の鍵を預かったときは緊張しましたよ」恐る恐る車を運転し、無事に返却すると「ありがとう」と小遣いを手渡された。
なんと、その額は5万円。小橋は「40年前ですよ? 本当に驚いた」と笑顔を見せたが、すかさず天龍が「返して」と突っ込み、場内は爆笑に包まれた。
さらに、トークの流れは往年の名レスラーたちの記憶へと向かう。
藤波は「ジャンボ鶴田さんと戦ってみたかった」と漏らし、天龍は「器用な人だった。なんでもこなせる」とその才能を懐かしんだ。
鼎談の終盤、天龍が「小橋はプロレス界のことを考えて、こういう大会を続けてる。素晴らしいことだし、皆さん応援してほしい」と語ると、場内からは自然と拍手が起こった。
小橋は「ありがとうございます!」と頭を下げ、感無量の表情を浮かべた。
“聞き取りづらさ”さえも笑いに変える、レジェンドたちの味わい深い時間。
そこには、技や試合ではなく、記憶の中に刻まれたプロレスの本質があった。
時代が変わっても、リングに宿る思いは、変わらない。
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