【Fortune Dream】女子初のメインで里村明衣子がSareeeとの最後の共闘も橋本&優宇に屈す「最後までリングに立てたことに感謝」

プロレス界の鉄人・小橋建太がプロデュースする記念大会「Fortune Dream 10」が4月16日、東京・後楽園ホールで開催され、女子プロレス界を長年牽引してきた里村明衣子が引退前最後の同大会出場としてメインイベントに登場した。

小橋建太完全プロデュース『Fortune Dream 10』
日時:4月16日(水)18:20開始
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1,380人

初開催から10年を迎えた「Fortune Dream」において、女子選手がメインイベントを務めるのは今回が初めて。

女子プロレスの歴史に新たな1ページが刻まれる中、里村は2024年女子プロレス大賞を受賞したSareeeとタッグを結成。3年連続出場となるチーム200キロ(橋本千紘&優宇)と対峙した。

リング上では、師弟関係でもある里村と橋本が繰り広げる一進一退の攻防に、観客は熱い視線を送り続けた。

体格差と圧倒的なパワーを武器に攻め込む橋本と優宇に対し、テクニックと気迫で応じる里村とSareee。

だが終盤、橋本が里村を高々と持ち上げたパワーボムで叩きつけ、3カウントを奪取。試合時間19分16秒、女子プロレス界の“横綱”は、引退を間近に控えた舞台で惜しくも敗れた。

■試合後バックステージコメント

橋本「Fortune Dreamのリングでは何度も何度もやられてやられて、本当に悔しい思いを沢山して。今日こうしてメインでチーム200キロが勝つことができて、本当に小橋さんに感謝してます。ありがとうございます。そして、引退前の里村さんともこうして闘える機会を与えれてくれたことに。でも何回やっても里村さんとの対戦というのは悔しさが残るし、まだまだこんなもんじゃダメだって思わされます。あとSareeeとも久々にやって、やっぱりライバルだなと感じるので。来年もFortune Dreamに出て、もっといまの女子プロレスすごいんだということを届けていきましょう」

優宇「もっともっと女子プロレス界を盛り上げていきましょう」

橋本「女子プロレスおいしく」

橋本&優宇「いただきます!」

里村「最後は取られてしまいましたが、説得力ありますよね、最後の。チーム200キロのあの技っていうのは女子プロレスの強さの象徴でもあるので。あの2人が女子プロレスのタッグチームの代名詞になってくれたらいいなと思います。2014年から小橋さんのFortune Dreamに出させていただいて、最後の最後まで試合ができて本当に感謝してます。最後はメインイベントに選んでいただいて、思い切り闘えました」

Sareeeに対しては、「橋本と優宇の対角に立ち続けてください。うちの団体のライバルでずっといてください」と、まるで未来を託すかのように言葉をかけた。

この試合でSareeeにとってのもう一つの節目があった。翌17日でデビュー14周年を迎える彼女にとって、デビュー戦の相手である里村とのタッグは、原点回帰であり、新たな決意の場でもあった。

Sareee「私は初Fortune Dream、参戦させていただきました。ずっと里村さんとかチーム200キロとか出ているのを見て、私もいつかこのリングに立ちたいと思っていて。今回メインイベントに選んでいただけたこと、これは里村さんが最後だったからなのか、そうじゃないのか。それは今後の私たちしだいだと思うので、またこうやってメインに上がれるように、次は私が必ず勝ちにいきます。今日は里村さんとタッグを組むことができてうれしかったし、絶対これをムダにしません。明日、私はデビュー14周年を迎えるんですけど、14年前の4月17日、私は里村さんを相手にデビューさせていただきました。これは本当に当たり前のことじゃないと思います。これを私はずっと誇りに思って、プロレスラーとしてまだまだまだまだ生きていきたいと思います。本当に里村さん、ありがとうございました」

その言葉には、女子プロレスの未来を自らの手で切り開く覚悟が込められていた。

観衆1,380人で埋まった後楽園ホールには、女子プロレスに対する期待と祝福が溢れていた。強さと矜持を全身で体現してきた里村明衣子が最後に示したのは、惜別の言葉ではなく、未来へのまなざしであった。

女子プロレスの先頭に立ち続けた存在がリングを降りる日が迫る。その背中を追い続ける新たな世代が、いま確かに歩み出している。

Pages 1 2

◆プロレスTODAY(LINEで友達追加)
友だち追加