【大日本】佐藤孝亮、パニック障害と向き合いながら横浜武道館で日高郁人の王座挑戦へ「過去を乗り越え、今こそ勝つ」

大日本プロレスの佐藤孝亮が、5月5日に横浜武道館で開催される「大日本プロレス旗揚げ30周年記念大会 大日魂」でのジュニアヘビー級王座挑戦を前に、熱い意気込みを語った。対戦相手は、王座を保持する日高郁人。佐藤は横浜武道館という特別な場所での再戦を心待ちにしており、過去の体調不良から復帰を果たした場所として、今回の試合に対して強い覚悟を示す。病気を抱えながらも前向きに戦い続ける姿勢や、プロレスの魅力をファンに伝えたいという思いも語った。30周年という節目を迎えた団体と共に、未来を切り開く覚悟を決めた佐藤の戦いに注目が集まる。

「大日本プロレス旗揚げ30周年記念大会 大日魂」
神奈川・横浜武道館大会
日時:2025年5月5日(月祝)14:00開場/15:00開始
会場:横浜武道館

▼BJW認定ジュニアヘビー級選手権試合
30分1本勝負
【第11代王者】日高郁人
vs
【挑戦者】佐藤孝亮
※5度目の防衛戦

①ジュニア王座戦への意気込み

――5月5日に迫った「大日本プロレス旗揚げ30周年記念大会 大日魂」横浜武道館大会、ジュニアヘビー級選手権試合への意気込みは?

佐藤:昨年12月30日に続いて日高選手へ挑戦は2度目になります。僕自身、今回の挑戦にあたって「横浜武道館」という場所に強くこだわらせてもらいました。2022年、横浜武道館の大会で僕は体調が悪い中、何とか試合に出ていたんです。その後、長期欠場に入りましたが、当時の記憶は今も強く残っています。だからこそ、僕の中では武道館というワードを聞くといろんなものを思い出してしまうという場所では正直あります。でもやっぱりそこを乗り越えてかなというのがあります。そこで、日高郁人を倒すことは、僕のプロレス人生においてとても意味のあることだと感じています。

――武道館という特別な場所で、過去を乗り越える戦いになるわけですね。日高選手への挑戦について、なかなか正式決定まで時間がかかったとも聞きました。

佐藤:そうなんです。実は3月の後楽園ホール大会で僕から挑戦を申し入れたとき、日高さん自身はすぐに「OK」を出してくれていたんです。でも、団体側の発表までには時間がかかりました。その背景には、登坂社長の慎重な判断があったようです。

――慎重になった理由というのは?

佐藤:登坂社長もコラムで少し触れていたんですが、僕がデビュー3年目のときに横浜武道館でタイトルマッチを組んでくれたことが、当時の僕には大きなプレッシャーだったんじゃないかと。復帰後も、体調が万全とは言い切れない状況を近くで見ていたので、社長なりに迷いがあったんだと思います。

――最終的に試合が正式決定したときの心境は?

佐藤:実は、新木場大会での試合後、日高さんがリングに上がってきて「挑戦者がこれだけ言ってるんだし、OKと言っているんだからやろう」とお客さんの前で言ってくれたんです。それを受けて、熊川リングアナが勝手に「5月5日、やります!正式決定です」と宣言してくれて。その瞬間、周りの人たちのおかげで自分はプロレスができているんだと、改めて感じましたね。

▼4.28後楽園大会での前哨戦

②横浜武道館は佐藤選手にとってはどんな場所?

――本当に周囲の後押しあっての決定だったわけですね。さて、改めて「横浜武道館」という場所について、どんな思い入れがありますか?

佐藤:僕にとっては、もはや「デビューした地」と言えるくらい特別な場所です。本来は2019年3月にデビューする予定だったんですが、途中でビッグマッチに変更されて、横浜でのデビューになりました。そして2022年の大会では、病気と闘いながらも試合に出場しましたが、その後、欠場を余儀なくされた。あのとき、次は絶対に元気な状態で武道館に戻ってこようと心に決めたので、思い入れは非常に強いです。

③病気と向き合っての現状は?(パニック障害)

――今回はリベンジという意味合いも強いわけですね。では、今の体調面についても伺わせてください。パニック障害と向き合う現状はいかがでしょうか。

佐藤:3月に挑戦表明したときは調子が良くて、周りに対しても「何を心配してるんだ」くらいに思っていたんです。でも、ここ数週間で正直、少し波が出てきています。無意識のうちにプレッシャーを感じているのかもしれません。ただ、それも含めて今回の挑戦だと思っています。調子が悪い日があっても、気持ちまで落ち込むことはないですね。

――心と体の小さな揺れを受け入れながら戦っているということですね。

佐藤:ファンの皆さんは、プロレスラーを超人的な存在として見てくれることが多いですが、僕自身はできるだけ「お客さん側」に近いポジションでいたいと思っています。仕事に行くのがしんどい人、緊張する人、たくさんいるじゃないですか。僕も同じだと思っていますし、そんな皆さんと気持ちを重ね合わせられるレスラーでいたいですね。

――共感できる存在でありたい、と。

佐藤:そうですね。別に、パニック障害を抱える人の代表になろうとか、そういう大層なことは考えていません。ただ、今の自分にできることを、ひとつずつやっていくだけです。

――ファイトスタイルとしてああいう向こう気が強い、牙を向いていくのが好きだったんですか?

佐藤:好きではあったんですけど、なんかずっと続けていくうちにどうしても牙を向いていくスタイルっていうのが若手感が抜けないんですよね。それでちょっとカッコつけるじゃないですけど、スカしていた時期がちょっとだけあったんですけど、日高さんに短い期間のことでしたが、実は見抜かれていて。新木場の時に「カッコつけるな」と「別に熱いというのが若手であることでもなんでもないし、キャリアがある人でも熱いっていう表現はできるから、カッコつけないで思いっきり当たってこい」って言われました。この短い時間でこんなことを見ているこのオジサンは凄いなと(笑)

――日高選手は凄いですね。それを聞いて佐藤選手は気づきがあったということですね。

佐藤:だいぶです。もっと自分らしくいていいんだなっていうのを気づかされました。でもただただ悔しいですけどね(笑)

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