フリーランスとして新たな挑戦をする翔太がOSW若手興行『BERSERKER』をプロデュース。「海外選手 vs 日本の若手」で世界への扉を開く!

昨年フリーランスとなり、団体の垣根を越えて活躍の場を広げる翔太。その彼が今回、プロデューサーとしてOSWの若手主体興行『BERSERKER』の特別編を手掛けることになった。『BERSERKER INTERNATIONAL』と銘打たれたこの大会は、5月15日にOSW道場で開催。テーマは「海外選手と日本の若手レスラーの激突」。プロデュースに至った経緯、自身の海外経験、そして若手選手への熱い思い、さらには自身の特別すぎるダークマッチまで、縦横無尽に語ってもらった。
――翔太選手、お久しぶりですが、充実具合が顔に出ているような気がします。
翔太:ありがとうございます。去年フリーになりましたけど、自由にやらせてもらってます。ここ1年間はただもう目の前のもらった仕事を一生懸命とにかく全部やろうと思っていたんですけど、なんか手応えないなとかいろいろあったりもしました。でも今年入ってから1年間やってきたものがちゃんと各団体各選手に対してですかね、信用が積み上がってきたかなっていう感じがして、ちょっとづつもらえる仕事の内容も変わってきたかなという感じは勝手にしてます。
――翔太選手の唯一無二の存在感がフリーになっても発揮されている感じですね。
翔太:ありがとうございます。
①プロデュースのきっかけは?
――その充実感が、今回のプロデュース業への挑戦に繋がったのだと思いますが、 OSWさんの若手興行『BERSERKER』を、『BERSERKER INTERNATIONAL』としてプロデュースすることになったきっかけを聞かせください。
翔太:根底にあるのは、やはり海外の選手たちからの声ですね。僕のSNSには、本当に毎日のように「日本で試合がしたい」「どうすればチャンスを掴めるんだ?」「何月何日から何月何日まで行くから」というメッセージが届きます。彼らの熱意は凄まじいですよ。ある選手なんて、「もう来月、日本に行くフライトを取ったんだ! 1ヶ月滞在するから、なんとか試合を組んでくれないか?」って、彼らのハングリー精神が凄いですね。
――行動力がすごいですね。日本のプロレスへの憧れがそれだけ強いということでしょうか。
翔太:本当にそう思います。彼らにとって、日本は特別な場所なんです。ただ、僕一人で全ての選手をケアできるわけではない。僕自身も海外で試合をする中で、コネクションの重要性、そして難しさを痛感してきましたから。だから、できる限り力になりたいとは思っていても、限界がある。それに、安易に紹介するわけにもいきません。
――人を紹介するのは責任が伴いますね。
翔太:その通りです。紹介した選手が期待外れだったら、僕だけでなく、受け入れてくれた団体さんにも迷惑がかかる。だから、僕が実際に試合を見て「この選手は間違いない」と思えるか、あるいは信頼できる人からの紹介があるか、そういう基準は持っています。今回参戦してくれるミッチ・ライダーやルチャ・キングス(バンブーとエル・レイ)は、僕が実際に見て「いい選手だ」と感じたので、なんとか彼らに日本のリングに上がるチャンスを作ってあげたい、と強く思ったんです。
――それで、まずは彼らの試合を組める団体を探されたんですね。
翔太:はい。ただ、彼らが来日する時期がゴールデンウィーク前後もあり、試合が取れなかったんです。特にインディーシーンは今、本当にたくさんの団体や選手がいて、枠を見つけるのが非常に難しい状況でした。いくつか団体さんにも打診してみたんですが、「申し訳ないけど、今回は枠がないんだ」という返事が続いて…。そこで、自分で興行を増やせばいいんだって。そうすれば絶対彼らを試合で使えると思ってプロデュース興行に至りました。
――なるほど、「自分で大会を作ればいい」という発想に至ったわけですね。
翔太:そうです、自分が1ケ所作ればいいじゃんと(笑)。でも、ただ単に自分の自主興行としてやるのは違うな、と思ったんです。僕がやりたいのは、僕自身の試合を見せることよりも、日本に来る海外の選手と、迎え撃つ日本の若手にスポットライトを当てて、彼らが輝ける場所を作ること。それが一番の目的でした。そこで、OSWの『BERSERKER』は若手と中堅選手で行われている大会ですから、そこの海外選手版として打診してみようかなと。
エグゼクティブプロデューサーの鈴木心に相談して、そのあとに会社さんとも話したところ「それは面白い! やりましょう!」とすぐに言ってくださって、OSWの看板を借りて翔太プロデュースとしてやることになりました。
――OSWの若手にとっても、海外選手と触れ合えるものすごくいい機会になりますよね。
翔太:それもめちゃくちゃ考えてました。僕は結構海外に行かせてもらっていますが、やっぱり30歳超えてからだったので、若い時から行けてればなと。今回出場する若手選手も海外の選手と試合をして繋がりができれば、今はSNSでいくらでも連絡取れますので。Googleがあれば翻訳もできまし、コミュニケーション取って「今度は俺が海外にいく」といったきっかけというか動機、モチベーションに繋がったら嬉しいなとも思ってます。
――海外で試合をするには結構勇気もいるかと思いますが、怖さとかはなかったのですか?
翔太:怖さは怪我したらどうしようというのは凄くありました。ただ、幸い僕は英語がある程度できるので英語圏にいくときはコミュニケーションが取れるので大丈夫ですけど、英語と地元の言葉と日本語でやり取りする場所は難しいですね。あとはアメリカは比較的にいい選手が多い印象ですけど、違うところですと相手の技量が大丈夫かな?どんな技をしてくるんだろうというのはあります。あとアメリカで試合していて思ったのは、身体能力の違いは衝撃でしたね。パワー、スピード、バネとかフィジカルの違いをまざまざと見せつけられました。ヘッドロック一つ、ボディスラム一つ、ロープに振るだけでも「うわっこれ負けた」と思いました。ロープに振られた瞬間に腕抜けるんじゃないかって(笑)
――海外だとマットの感触とかも違うんじゃないですか?
翔太:リングに上がるまでコンディションがわからない、なんてことはザラでした(笑)。マットが異常に硬かったり、逆にトランポリンみたいに跳ねすぎたり。ロープも細かったり、日本人にとっては高かいとか。あとは凄く緩くなってるとかもあります。控室も、日本では考えられないような狭さや汚さだったり…。でも、そういう環境で試合をこなしていくうちに、何があってもなんとも思わなくなりましたね。
――トラブル対応能力が鍛えられたわけですね。
翔太:試合順が急遽変更になる、対戦相手が変わる、会場着いて試合がなくなるなんて日常茶飯事でした。ホテルにチェックインする、買い物するにしても国ごとにコミュニケーションも違いますし、文化も違うのでこの経験がプロレスにも全部繋がってくると思います。
――翔太選手が、そこまで「海外との懸け橋」になりたいと思うようになった、具体的なきっかけや原体験のようなものはあるのでしょうか?
翔太:うーん、原体験と言えるかわかりませんが、やっぱり自分が海外で苦労した経験が大きいですね。初めて海外に行ったとき、誰も知り合いがいない、言葉も満足に通じない中で、どうやって試合のチャンスを掴めばいいのか、本当に手探りでした。プロモーターに必死でアピールして、ようやくもらえたチャンスが、ギャラもほとんど出ないような小さな大会だったり。それでも、そこで結果を出さないと次はない。そういう厳しい現実を目の当たりにしてきました。
――自ら道を切り開いてこられたんですね。
――ご自身の苦労があったからこその思いなんですね。
翔太:そうですね。そしてもう一つは、日本のプロレスの素晴らしさを、もっと世界に知ってほしい、という思いです。以前、アメリカのセミナーで講師をしていたあるベテランレスラーが僕の試合を見たわけではないのですが「君は日本人だというだけで、ここにいる誰よりもレベルが高い」と言われたことがあります。日本のプロレスは、技術レベルの高さ、試合の緻密さ、選手たちのプロ意識、どれをとっても世界トップクラス。ただ、それをビジネスとして展開していく力が、少し弱いのかもしれない。
――もったいない、と。
翔太:非常にもったいないと思います。海外には、日本のプロレスを学びたい、日本の選手と戦いたいと思っている選手がたくさんいる。彼らが日本に来やすい環境を作る。そして、日本の選手がもっと気軽に海外に挑戦できるような道筋を作る。その双方向の交流を活発にすることで、日本のプロレスはもっともっと世界で評価されるようになるはずだし、世界全体のプロレスのレベルアップにも繋がると思うんです。
――その「懸け橋」構想の第一歩が、今回の『BERSERKER INTERNATIONAL』だと。
翔太:まさに、その第一歩です。今はまだ小さな規模ですけど、ここから始めたい。今回参戦してくれる海外の選手たちが、日本での経験を母国に持ち帰り、「日本は最高だったぜ!」って広めてくれるかもしれない。日本の若手たちが、彼らとの対戦を通じて刺激を受け、海外への憧れを抱くかもしれない。そういう小さな波紋が、やがて大きなうねりになっていくことを期待しています。
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